写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

10  京都東急ホテルに泊まる(2002年8月8日)

 さて京都夜のホテルですが、事前予約をサボったので見当がつきません。町を歩いているうちに安そうなホテルが見つかるかな、と思っていたのですが、料金を明示してあるホテルがまったく見つからず、困ってしまいました。

 

 地下鉄の案内所のところでホテルの案内もやっているようだったので、ここで聞いてみることにしました。まあ5000円ぐらい出さないと駄目かな、と思い、「5000円ぐらいのホテルないですか?」ときくと、「少し遠くてもいいですか?」とおじさんが言います。「西本願寺のところですが」というので、それならいいか、と思い、頼みました。おじさんは電話をかけて「お宅5000円でやってるっていってはりましたね」とか何とかいって書き込んだ名前が東急ホテル。えっ、って感じです。

 

 確かに西本願寺の横に東急ホテルがありました。でも高そうなので当然対象外でした。後で時刻表で見たらシングル1万7000円とか書いてあります。まったく意外なところに泊まれることになりました。駅前のバス乗り場はややこしいので少し歩き、次のバス停からバスに乗って西本願寺へ。

 

 少し歩いてホテルへ来ると、背が高くてかっこいいボーイの兄ちゃんが、「お泊りですか?」と聞いて私のボロ荷物をうやうやしくもって案内します。水の流れる入り口をとおり、地下に降りてフロントでチェックイン。またボーイの兄ちゃんに荷物を持ってもらってエレベーターに乗ります。違う階で降りようとして「○○様」などと呼び止められるのでかえってみっともないです。部屋はツインでした。

 

 どうもこのところホテルの値段は相当ダンピングが進んでいるようです。確かに京都の東急ホテルはちょっと古くなっているのかなという気がしましたが、個人の当日予約でもこれぐらいで泊まれるんですね。とても意外でした。今までは東急グループの廉価版ホテルの「東急イン」ですら7000円ぐらいと思って敬遠していましたから。でも部屋に入るとホテルはホテルですね。ビジネスホテルと何か決定的に違いというほどのもんはないし。これくらいが妥当なのかもしれません。ということは3~4000円台でも結構あるのでしょうか?

 

 落ち着いたら食事です。ところが、もともとここはいわゆるシティーホテルですから、ホテルのレストランは「たん熊」とかの高級店で一番安そうなものでも3000円ぐらい、ちょっと食べると5000円ぐらいする感じです。5000円のホテルに泊まって3000円の食事ではアホらしいです。

 

 外に出ましたが、周りにまともな食堂がありません。ファミレスが一軒だけありましたが、あまり好きでないのでいったん戻り、バスの乗車券を持って駅の地下街へ行こうと出直します。ところが西本願寺の前にちょっとしたレストランを見つけて定食800円ぐらいだったのでここで食べました。

 

 ホテルに戻り、なんかせっかくなので冷水をさっきのボーイの兄ちゃんに持ってこさせたりしました。チップでも払うべきなのでしょうが、貧乏性の私は「タダでいいんですか?」などと聞いてしまいました。みみっちいです。やはり分不相応でした。
 

09  銀閣寺・清水寺(2002年8月8日)

 西本願寺見物のあと、今度は東山方面の寺を見たいのですが、いったん京都駅に戻らないといけないようです。ところが駅についてもバスの時間が悪く、30分ほどもロスをしました。「レトロバス」がきて、今度は銀閣寺に向かいます。

 

 ところが渋滞。ついたらもう3時半前後になっていたはずです。実は意外にも銀閣は初めてです。団体旅行だととかく金閣ばかりに行って銀閣にいくことはありませんでした。銀閣は古色蒼然、といえばいいのでしょうが、正直やはりボロいですね。まあ思った以上でした。小高い丘の上に登って上から銀閣を眺められるようになっていましたので、足を引きずって見てみました。結局金閣同様、まあこんなもんかな、という程度でした。

 

 バスに乗ったら、清水寺方面に行きませんので、京阪三条で降りました。ところがここから清水寺に行くバスがないようです。仕方ないので手前の東山三条に戻り、またレトロバスに乗りましたが、大混雑。清水寺の下で降りました。

 

 もう4時50分近く。多くのお寺は5時で閉まるので間に合うか。急いで坂を上りました。ついてみると6時半までやっているとのこと。拍子抜けでした。一応定番の舞台。音羽の滝を見ました。滝は「台湾」というそろいのTシャツを着た子供が占領していたので近寄れませんでしたけど。

 

 三十三間堂知恩院、その他の寺や神社も見られるのではないかと思ったのですが、もう5時過ぎ、行くだけ行って閉まっていたらバカらしいのでここで打ち止め。別に金閣清水寺には行くこともなかったのですが、今回は1回目ということで特にメジャーなところ中心に回りました。

 

 結局、通り抜けただけの妙心寺を含めて10か寺に行きました。もう一日使えばよかったのですが、岡山で寝てばかりいて日程がきつくなってしまったのと、拝観料もバカにならないし、暑くてボヤーッと見ているだけでもどうかと思いますので、残りは冬にでも行くことにしました。でも、冬は寒いんでしょうし、年末年始は閉まっているところも多い、拝観時間も短いという問題がありますね。やはり京都は秋でしょう。特別拝観もあるでしょうし。

 

 バスで京都駅に戻ろうとしますがどうもうまくいかず、途中で一回乗り換えて、それもうまくいかず、結局九条から歩いて京都駅に行きました。次回はホテルの話です。別にどうでもいい話なのですが。
 

08  大徳寺・二条城・西本願寺(2002年8月8日)

 京都お寺めぐり続きです。

 

 次にまたバスに乗って、途中で降り、大徳寺にいきました。ここは初めてです。案外小さい入り口でで見落としそうになりました。ここも妙心寺と同じく、土壁石畳の通路の両側に何とか院という小さな寺(塔頭というらしい)がいくつも並んでいる、という構造です。どうも臨済宗の本山クラスの寺というのはこういう小さな町のような構造になっているようです。ですが院ごとに拝観料を取るのでお金がかかります。全部見ても仕方ないので、入り口に一番近い龍源院枯山水庭園の代表とされる大仙院だけ見ることにしました。龍源院は特にどうということなく、やはり石庭があったという程度です。大仙院では市内観光バスの一団が坊さんに説明を受けていました。庭はこじんまりとした感じでした。

 

 次にまたバスに乗って今度は二条城へ。暑いのと足が痛いというのみの印象です。ここは2回目。大体団体旅行では二の丸御殿しか見ませんが、今回は欲張って本丸や天守閣あとの方まで行ってみました。歩いていると汽笛が。どうも梅小路機関区から聞こえてくるようです。そういえば京都というと、とかく寺ばかりに目が行ってあそこにいったことがないのです。次回はぜひ行こうと思いました。

 

 その次にまたバスで今度こその西本願寺。ここは2回目。但し1回目は幼稚園か小学校低学年のときです。ここもタダです。本願寺は太っ腹ですね。暑いのに若い坊さんが立ってパンフレットを配っていました。但しここも唐招提寺と同じく修理中。やはり7年後だかに完成だそうです。ここも主要建物は明治建築です。

 

 行く前になんとなく修理の様子を映したテレビ番組を見たのですが、今は材木がなくて相当苦労しているようですし、伝統技術の継承も大変なようです。曲がった桧の大木を探して高知の山奥に分け入ってやっと一本だけ見つけるというのをやっていました。普通はまっすぐ育てるので曲がったのが必要になってもなかなかないらしいです。テレビを見たときは東西どちらの本願寺の修理かはっきりせず東本願寺の修理かと思っていましたが、どうも西本願寺のようでした。観光的にはあまり重んじられない両本願寺ですが、ああいうテレビ番組を見てから行くと案外感慨深いものです。

 

 西の方はわずかながら桃山建築の遺構があります。書院は予約制なので今回は見られません。飛雲閣もダメ。工事中の狭い通路を通って唐門だけ見てきました。日光東照宮のような細かい彫刻がついています。京都には他にも御所とか桂離宮とか予約制のところがありますので、今度行くときは片っ端から予約しようか、とも思います。

07  東本願寺・妙心寺・仁和寺・竜安寺・金閣寺(2002年8月8日)

 奈良行きのあと、一日岡山で休んで8月8日出発で北海道に戻ります。青春18きっぷは使い切ってしまいましたので、もう一回買おうか迷ったのですが、結局岡山から北海道の地元までの通しの切符を買い、新幹線で出発。岡山7:45発のひかり146号京都8:56着。車内でまた寝ていました。眠り病です。地元に戻るとはいっても、せっかくですから京都でお寺めぐりをします。

 

 さてどこに行こうか、東寺あたりはどうかな、と、荷物をコインロッカーに入れてバス停を探しましたが、裏口なのでよくわかりません。結局表口に出直して、近そうな東本願寺へ。ここは子供のとき以来2回目。地図だと近そうなのですが、実は案外遠いのです。9時半近くになってしまいました。東本願寺は明治建築なので歴史的価値はないとされますが、それでも本堂(御影堂というらしい)の立派なこと。太い柱など、なかなかです。ここはタダですので評価が甘いです。お賽銭をあげておきました。

 

 次は西本願寺、といきたいところですが、早くも疲れ、ちょうどバスが来たのでそれに衝動的に乗ってしまいました。

 

 とりあえず来たバスに適当に乗って行き当たりばったりに行くのもいいか、なんて思っていましたが、このバス、有名寺院のないところを行く路線だったので困りました。北西部に向かうのはわかりましたが、いいお寺がなかなかありません。途中、妙心寺という寺の前に行くことがわかったのでそこで降りることにしました。あまりメジャーでないですが、祖父の法事のときに臨済宗妙心寺派の寺でやったので、どんなところかいな、と見てみようと思ったわけです。

 

 ところが本堂拝観は休みとのこと。ついていません。まあそれでも中に入ってみると大きな寺でしたが、この寺、土壁石畳の通路に沿っていくつもの「○○院」という寺に分けられています。その中のいくつかは拝観できるようになっているようでしたが、どこが有名なのかもわからないし、結局どこも見ないで通り抜け、またもとの道をたどって戻り、退散。

 

 今度は少し歩いて仁和寺へ行くことにしました。ここは真言宗。皇室ゆかりの寺で、終戦のとき、ここで近衛文麿らが秘密会談を行って、天皇がここに出家して法皇になるというプランもあったということを何かの本で読んだことがあります。ここも初めて。

 

 まず脇の「御殿」を見ます。白書院とか黒書院とか。でもこれは明治建築だそうです。そのあと、金堂へ。これは御所の建物を移築したそうですが、これはまた「あ、そう」、という感じです。脇で時代劇か何かのロケをやっているようでしたがチラッと見ただけ。建物よりも帰り道、正面二王門に向かって歩くと、広々としてなかなか壮観でした。

 

 次は竜安寺が近そうなのでそこへ。道を反対に歩きかけて方向違いに気づき、疲れましたがとにかく歩いていきました。

 

 ここも初めてです。入り口を見つけ、庭をてくてく歩き、庫裏にあがって有名な石庭鑑賞。思ったより小さいかな、とか思いましたけど、別に禅の無の境地に達しているわけでもなく、しばらく座って眺めていたものの、特別の感慨はありませんでした。

 

 疲れたので次の金閣寺まではバスで行きます。といってもしばらく来ないので待っていると、韓国人の女学生がハングル版日本ガイドをもってやってきました。バスが来て、金閣寺へ。ここは団体旅行などで行く機会が多いので4回目。でもまあ一人で行くのは初めてなので一応行ってみます。結構混んでいました。ここは金閣以外別にどうってことないし、さっさと一巡りすませて切り上げます。

 

 ここで12時ごろでした。ここまでで切り上げて残りは次回に。
 

 
 

06  奈良国立博物館・東大寺・春日大社・興福寺(2002年8月6日)

 唐招提寺を出てからの話です。

 

 唐招提寺から歩いて通りに出て、東口バス停の時刻を見るとバスは出たところです。でも運良くバスが遅れてきました。

 

 バスに乗って奈良市街に入り、奈良国立博物館の前(氷室神社前というバス停らしい)で下車。国立博物館に入ります。新館のほうから入ったのですが、「これだけ?」という感じでした。地下の通路を通って旧館に。通路に仏像の種類とか鑑賞のポイントとかが書いてありましたが、見る元気なしです。旧館はガンダーラ仏から奈良の諸寺の古仏が並んでいましたが、ふーん、という感じです。仏教美術に関する教養がありませんね。

 

 博物館を出て、東大寺へ。ここも4回目でしょうか?南大門は意外と大きいな、と思ったりはしましたが・・・。大仏様は後回しにします。いつもは団体お決まりコースですから、今回は他のものを見ようと。まず正倉院。有名なわりに行ったことないし、実際行ってみると見に来る人はあまりいません。行ってみると、写真どおりで「あ、そっ」という程度で特に感慨があるわけではありません。次に正倉院と並んで天平期の建物という転害門という門に行きます。これが案外遠くて、奥の奥。行ってみるとこれまた大したことないもんです。まさに裏門。門の内側に小学校があって、ここの生徒は毎日この門のところを通って通うのか、と思うとちょっといいなあ、と思いましたけど。

 

 次はせっかくだから大仏。ここでお金を払います。台湾や韓国の観光客が目立ちました。大仏自体は江戸期の再建で、なんかこの仏像は各種の本であまり評価が高くないので、これまた「あっ、そうか」と思うだけで。いまさら大きさに驚くわけでもないし。

 

 鹿がうろちょろしていいますが、害がないですね。街中でも人間と共存できるのでしょうか?

 

 今度は坂を登って二月堂、三月堂へ。ここは初めてですが、それより暑いのでアクエリアスのペットボトルをグビグビ飲み干します。二月堂は階段がしんどい、という程度。三月堂は天平建築の部分があります。お金を払って中へ。ここの不空羂索観音は評価が高いです。でもやはり、「あっ、そう」です。まあこれがそうかあ、と思う程度で。執金剛神立像は見られません。大体夏に行っても特別拝観の類はほとんどなくて駄目です。秋でないと駄目ですね。でも秋にはいけないし。

 

 下に下りずに山すそを沿って春日大社へ。ここも初訪問。でも神社はお寺以上にどうってことないですね。とりあえずお参りするしかないですから、お参り。するとさらにお金を払えば中に入れることがわかりましたので入りますが、これまた大したことなし。宝物館も見ましたが疲れていてどうってことないです。ここでは葉室宮司という人物の紹介が目立ちますが、名前とこの神社の性格からし藤原氏の子孫でしょう。なんか保守的な考えを持つ論客のようです。

 

 ここから下に下りて興福寺再訪。郵便局めぐりの時、ここによって案外お寺めぐりはいいな、と思ったのが今回の旅のきっかけでしたから、もう一度行きます。途中外国人に「パゴダテンプル?」と聞かれました。パゴダテンプルとは何なんだ、と思ったけど、あ、五重塔か、と思い、「ゴーストレート」と答えておきました。

 

 興福寺疲れていましたが、なんかやっぱり好きです。前回の訪問に続いて、また国宝館に入りましたが、ここの仏像群が結局一番好きです。阿修羅像のように面白い像や、仏頭のように優しくて少し哀しい仏像、バラエティーに富んでいるせいでしょうか?でもこの前も見たし、閉館時刻も迫っていて、実質いたのは10分ほどでした。これでいいんでしょうね、結局。素人のお寺鑑賞はこの程度になってしまいます。

 

 これぐらいにして、猿沢の池のところに降りて、奈良駅へ。途中奈良漬の老舗があって、ふと入って買ってしまいました。

 

 入ってみると高いのでびっくり。で、安いのを買ってお土産に。店員のおばさんが「初めてですか?」というと、ごちゃごちゃ食べ方の細かい説明をします。はあはあ、と聞き流して退散。

 

 岡山に帰ってから食べてみると、酒臭いしくどくておいしくないです。仕方ないのでしおりに書かれたとおり、日をおいて改めて食べると結構おいしかったです。老舗の漬物は面倒ですね。

 

 奈良17:30発。まっすぐ戻るのも面白くないので次の木津17:37で降りて待ち、17:59発の片町線学研都市線に乗ります。ただロングシート車ですし、特に変わった景色でもないです。大阪市内で地下に入って19:01北新地着。

 

 大阪駅前の地下街で夕食。いろいろあるので逡巡しましたが、結局フライ定食。安いのにエビフライ、ハンバーグ他いろいろあって満足。

 

 大阪20:20発新快速で姫路。21:29着の21:34発。岡山22:59着の23:03発。庭瀬23:09着。疲れましたし、お寺めぐりをするだけの仏教建築や美術に関する教養のなさが露呈してしまいました。