写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

17  根室からの帰途(2022年5月4日)  

 「HOKKAIDO LOVE! 6日間周遊パス」を使った北海道内旅行、今日が最終回です。

 

 根室に着きましたが、もう16時近く、ノサップ岬はあきらめざるを得ません。せっかく根室まで来たのにとんぼ返りです。

 

 根室駅では一度改札から出るように案内されますので、一度改札を出ます。一応、駅の外にもちょっとだけ出ました。ですがもう改札前には列ができていて、20人くらい並んでいました。これでは帰りもいい席を取ることはできませんのでがっかり。根室駅で車内から外に出るよう案内されるのは、そのまま車内に居座っていい席をゲットしようとする人がいるからでしょう。

 

 改札が始まり、列車に乗り込みます。海側はあきらめていたので、さっさと進行方向右側、海とは反対の方向の窓側の席をゲットします。16:12根室発。キハ54は転換クロスシートで、昔新幹線に使っていたシートを使っていると聞いたことがありますが、今でもそうなのかはわかりません。モケットは青い色で、少なくとも新幹線の時そのままではないと思います。往路よりはマシな席でしたが、それでも窓が小さく、横に客がいるので、窮屈な感じです。

 

 海が見える区間に出ます。こちらは反対側ですが、原野が広がり、これはこれでなかなかいい景色です。釧路で買った「いわしのほっかぶりずし」を持ち歩いているのも邪魔なので、ここで食べてしまいます。鰯の寿司の上に大根を薄く切って載せている寿司で、おいしいことはおいしいのですが、鰯の寿司でこんなに高いのか、とも思います。「本物」を食べると、これくらいの値段はするのかも知れませんが。

 

 行きの途中から、座っているだけなのに、足が痛くなってきました。右のお尻から太ももの裏にかけて痛むのです。足を動かしたりしましたが、混雑しているので立ち上がるわけにも行かず、困りました。しかも眠たいです。せっかく根室まで来て、とんぼ返りですし、いったい何をしているのだろう、と思います。

 

 それでも厚岸を過ぎ、原野をまた走って18:51釧路着。18:59発のおおぞら12号の先頭車両、自由席に乗ります。この列車はそこまで混雑してはいませんでした。外は暗いので、景色を見るわけにも行かず、食べ物もなく、車内販売もありませんので手持ち無沙汰です。根室からの花咲線の列車の時は眠たかったのに、今度はさほど眠くもありません。

 

 今回の旅行を通して、特に車販がなくなったほか、改札内売店もなく、飲食の事情はかなり悪くなっており、旅行するとき不便さを感じました。こういうサービスがなくなると、鉄道旅行がやりにくくなるな、ということを感じました。

 

 帯広を高架線で過ぎましたが、この街は新しいビルが多く、それなりに栄えているのかな、という印象を持ちました。下にパチンコ屋が見えるのですが、駐車場が車で一杯になっています。私はパチンコをやったことがありませんが、パチンコってそんなに面白いものなのかな、と思います。

 

 ということで夜の石勝線を走り足の痛みが残ったまま、22:58札幌駅着。23:05発の電車で23:21着。

 

 長々と読んでくださった方、そう多くはないと思いますが、ありがとうございました。

16  根室まで(2022年5月4日) 

   さて、人身事故に遭ったせいで札幌駅到着が1時間以上遅れました。まあ、事故でも1時間程度の遅れなら案外処理は早いものだ、と思いますが、とにかくあれこれ考えた末、予定通り根室まで行くことにしました。

 

 ホームに出て、本来6:48発の特急「おおぞら1号」を待ちます。手稲方面からやってきたので乗り込みました。結局7:59発です。同じ区間を何度も乗りましたから、今度は進行方向左側に座ります。ですが、前日は遅く、今朝は早起きでしたので、結局寝ていました。ということで車内ではこれ、といった記憶がありません。雪は融けているが枯れ草や作物が植えられていない畑が続く景色を眺めながら過ぎていくだけです。釧路には本来10:57着ですが、12:10着。1時間13分遅れでした。

 

 さて、釧路駅ですが、また寒いです。でも今回は少し晴れています。駅になぜか仮面ライダー1号の等身大人形が飾ってありました。なぜあるのかよくわかりませんが、レトロショップの類があるようです。昼食を食べなければなりませんが、駅弁は前回買ったし、駅前にこれと言った食堂もなさそうです。ということで駅構内の喫茶店のようなところでカレーライスを食べました。700円。

 

 そのあと、根室で食事をする時間もなさそうだし、夕食を食いっぱぐれるのも困るので、前回買った駅弁屋と別の売店で、「いわしのほっかぶりずし」というのを買いました。ですが1350円と結構高いです。

 

 前回釧網本線に乗ったときは、釧路の街をウロウロしていい席に座れなかったので、今回は早めにホームに行きます。それでも発車ホームを間違い、行き直したところ、既に数人いました。列車が来て、景色の良さそうな進行方向右側の席を狙います。

 

 ところがいい席は先客が占領します。このステンレスのキハ54、転換クロスシートなのはいいのですが、窓が小さく、かつシートピッチと窓の配置が合っていないので、「窓側」の窓と席が合っている席は早々に占領され、私は右窓側とはいえ、「壁側」とでも言うべき席になってしまいました。壁が大部分を占めているので、窓は席のスペースの3分の1ぐらいしかありません。思った以上に外の見えにくい席で、無理矢理外を見ようとすると、首が痛くなります。

 

 それでも13:25出発。市街を抜け、原野に出ます。あまり変わった景色はありませんが、厚岸付近ではが見えます。これはいい景色ですが、残念ながら外が非常に見えにくいのです。厚岸といえばかきめしが有名です。昔来たときは列車交換の間に立ち売りのおじさんからかきめしを買ったのですが、今回は立ち売りもなく、外に出る時間もありません。列車では極めて買いにくいものになっているのでしょう。

 

 どこかで列車交換がありましたが、「ルパン3世」のラッピング列車でした。モンキーパンチ氏が浜中町の出身だとかで、こんな列車を走らせているようです。

 

 また海が見えて、平べったい無人島が見えました。このあたりで「花咲」という駅があったはずだがなあ、と思いますが、廃駅になったようです。駅弁は買えないし、外は見にくいし、駅は廃駅になっているし、衰退しているのだな、パッとしないな、と思います。それでも列車は進み、日本最東端の東根室。下車客も撮影客もいました。さらに根室市街に入り、15:57根室着でした。

15  人身事故に遭遇(2022年5月4日) 

    5月4日水曜日。「HOKKAIDO LOVE! 6日間周遊パス」の有効期間最終日です。今日はどこに行こうか、函館方面がいいのか、それとも根室に行こうか、迷っていました。

 

 函館方面は何度も行っていますし、根室は大学生の時以来行っていませんが、釧路までは数日前行ったばかりなのでどうかなあ、と思います。それでも結局、根室方面に向かうことに決めました

 

 前日の稚内行きで遅くなったのに、またむりやり早起きして駅に行きます。昨日は宗谷岬とノシャップ岬に行ったので、今日はノサップ岬まで行く予定でした。5:52発の721系普通電車、Uシートに乗ります。普通なのでUシートに乗れるわけです。

 

 ところが6:00頃だったと思いますが、発寒中央~琴似間の踏切で急ブレーキがかかりました。「人身事故が発生した」との案内が入ります。これでは根室行きはあやしいです。厄介なことになりました。

 

 人身事故というのは案外1~2時間で片付くものですが、それでもノサップ岬往復はできないでしょう。長引くようなら函館方面に変更しようか、などと考えていました。車内放送でも1~2時間はかかるとのことでした。斜め後ろのカップル客も私と同じ釧路行きの特急に乗る予定だったらしく、「特急に間に合わない」と文句を言っています。

 

 救急車や警察の車がやってきました。おそらく先頭車両に衝突したのだろう、と思っていたのですが、警察や救急隊員は私の乗っている車両の下にやってきます。どうも私の乗っている車両の真下に遺体があるようです。びっくりしました。私の乗っている場所の真下にブルーシートをかけます。そして見えないように遺体を出します。結構風が強く、小雨も降っていました。こんな中で処理をするのも大変そうです。

 

 真下ですから見ようと思えば隙間から見えそうですが、さすがに轢死体を見る勇気がありません。でも好奇心で見てみたいような、という気持ちもが生まれます。結局見る勇気は出ませんでしたので見ませんでしたが

 

   一応救急車に乗せていましたが、即死だったのだと思います。おそらく自殺でしょう。正直なところ、迷惑ですね。テレビ局も来ていました。帰ってきた後、youtubeでニュースを見たら、窓越しに私が映っていました。若い婦人警官が来て、乗っていた客のひとりひとりに「何か連絡するかもしれませんので」ということで名前と電話番号を聞いてきました。

 

 結局1時間ほどで運転再開。運転手さんに責任はないとは言え、人を轢いたのに、それでも運転するんだなあ、と思います。私ならショックで運転できません。そんなことを考える人なので運転手になれないわけですが。札幌到着時の遅れは本来6時08分につくところ7:10頃着きました。1時間2分の遅れです。人身事故の処理はこれぐらいの時間が相場なのですかね?

 

 人命が失われたことは大変なことですが、それでも時間にすれば1時間で処理が済んでしまうわけです。この電車はそのまま出発して目的地まで行ったようです。

 

 到着すると、駅構内に昨日の稚内往復で見かけた薄着で大丈夫なのかな、と思った兄ちゃんがいました。同じ車両に座っていたおじさんもいました。どうもこの人達、私と同じように、「HOKKAIDO LOVE! 6日間周遊パス」を使って連日乗り歩いているのでしょう。向こうも私を見て「同じことしている人がいるな」と思っているのかもしれません。 

 

 さて、釧路行きの特急に乗れるのかわかりません。定時の出発時刻は過ぎています。もし先発しているのなら、行き先変更になります。仕方ないから函館にしようかな、と思ったのですが、窓口で聞くと、この特急は今乗ってきた区間を回送してくるのでまだ札幌駅に到着していないとのこと。

 

 ということで、結局、ノサップ岬は無理そうですが、釧路方面に行くことにしました。

14  ノシャップ岬と稚内からの帰路(2022年5月3日)

 さて、宗谷岬から戻りました。食事をしていません。稚内駅舎内(というか、道の駅)に立ち食いそばと食堂を兼営しているところがありました。立ち食いそばにします。ところが、中のおばさんが注文を聞きにきません。厨房から何か言うのですが、聞こえません。「聞こえない」というと、×の手振りをします。どうやらオーダーストップの時間になったようです。稚内ではついていないことが多いなあ、と思いますが、天候的にもその他の面でも、なかなか我々の期待通りに行かないところなのかも知れません。

 

 稚内市街に戻ると、風は強いですが、雨はやんでいました。駅舎内には宗谷岬往復をともにした人たちが何人かいます。私もコートを着ていませんでしたが、

 

 さて、寒いので駅舎内でグダグダしていたのですが、せっかくですから、もう一箇所、ノシャップ(野寒布)岬に行きます。こちらは宗谷岬よりは南で、最北端ではありませんが、稚内市街の先端にあり、宗谷岬よりは行きやすいです。

 

 ところが時刻表でバス時間を調べて待っていたのですが、来ません。どうやら休日時刻だったようで、バス停で改めて時間を見たら16:21発でした。その時間まで待つとバスがやってきました。宗谷岬に行ったとき見かけたおじさんと若い女性が一緒に乗ります。こちらはバスで10分ほど。ノシャップのバス停には16:31につきました。かすかに晴れ間になっています。ですがやはり寒いです。バス停からノシャップ岬までは多少距離があります。

 

 ノシャップ岬到着宗谷岬は横に道路が走っていますが、こちらの方はバスを降りてどん詰まりまで歩いて行くので、むしろこちらの方が最果て感があります。漢字では野寒布岬と書いて、根室のノサップ(納沙布)岬と対になっているので、こちらの方が最北端だったらいいのに、と思います。かずかに日が差していたこともあり、こちらの方が印象がいいのですが、数分で戻らなければいけません。食堂もありましたが、食べる時間がないので開いているかどうかは確認しませんでした。

 

 徒歩往復を含め20分ほどの滞在で、16:51のバスで戻り、17:03稚内バスターミナル着。2人いた観光客のうち、1人だけ私と同行程のようでした。まだ食事をしていませんので、やむを得ず、駅舎内のセイコーマートとろろそばを買いました。これぐらいしかまともな食べものがありません。まあ、稚内までコンビニがあるというだけでも大変なことなのでしょう。これを列車内で食べることにします。

 

 行きは混雑していましたから、発車40分前に駅の改札前に並びます。既に数名並んでいました。ですが駅が建物の隅っこで、列をつくりにくい構造なのです。ですから駅舎内で列に並ぶことが困難で、先頭から数人目の私は駅舎内で並んでいましたが、私より後ろの人は駅舎内からはみ出して外で並んでいました。宗谷岬で見かけた薄着の人も外に並んでいて、寒くないのか、と思います。こんなところでも、この駅舎が鉄道駅としての機能を軽んじられているところだと思います。

 

 改札が始まりました。今度の車両は「ラベンダー編成」とかで、一部特別なしつらえの車両が連結されています。ですが私は迷った末、普通の車両に座りました。今度は満席ではありません。それでも通常よりはかなり混雑しているのでしょう。今度は景色のよい進行方向右窓側の自由席に座りました。もっとも、すぐ暗くなるでしょうから、そんなに景色を眺めることはできません。

 

 17:44特急「宗谷」出発。わずかに高架区間のある稚内市街を過ぎ、原野地帯に出ます。緯度が高いせいか、思ったより日が暮れるのが遅く、窓から利尻富士を眺めることができました。19時頃まで薄暮でした。

 

 この時期の稚内観光はなかなか難しいな、と感じた1日でしたが、音威子府到着まで2時間もかかりますから、観光どころか、この辺で暮らすのは大変なことなのだろうと思います。美深で普通列車とすれ違いましたが、無人でした。廃駅になった駅も多く、確かこの辺にこんな駅があったはすだがなあ、と思ってもなくなっているわけです。

 

 日が暮れて座っているだけなのに足もまた痛くなり、退屈ですが、仕方ありません。気動車独特の加減速を感じているだけです。

 

 それでもいつかは到着するもので、旭川で多少の乗降客があり、また函館本線札幌22:57着のところ3分遅れ。23:05発の電車で23:21着です。

13  宗谷岬(2022年5月3日)  

 稚内に着きました。数年前に新築され、新しい白い建物になっています。ですがホームは一面一線。どうも宗谷線廃線を見据えてつくられた駅舎らしい、という噂で、駅は隅っこに間借り状態。実質「道の駅」という感じです。旧駅舎はもう少し奥にあったようで、駅舎内から外にかけて、線路が駅舎内の床や道路の上にそのまま残されていますし、その先もかつての線路の跡を示すタイルが延びています。

 

 とりあえず稚内港の先にある、北防波堤ドームを見に行きます。やはり最北端だけあって曇っており寒いです。そんなに長い間見ている気にもなりません。以前出張したとき泊まった稚内全日空ホテルは名前が変わっていました。駅に戻り、駅舎内のバスターミナルで宗谷岬行きのバスの切符を買います。現金払いでもいけるのでしょうが、切符を買っている人を見かけたので、私も買います。往復切符を買うと、多少割引になるようでした。

 

 13時頃にバス停に行くと、もう20人ぐらい並んでいました。おやおやと思います。風が強く、パンフレットを風で飛ばされている人もいて「お恥ずかしい」などといいながら道路上に出て拾っています。バスが来ましたが、小型の路線バスで、私の前にも後ろにも多くの人が並んでいますからギューギュー詰めになります。私は通路側の椅子に辛うじて座れました。13:20発。

 

 ですが大混雑ですから、バスの乗降に支障が出ます。降りる一般客が降りられません。すると関西弁のおっちゃんが大声で「一回降りればええのや」とかいって、何人かの客がバスから降りて降車客を通します。その後バスが降車客を降ろすたびに、同じような光景が繰り広げられました。外はくもりでしたが、雨が降り始めました。せっかく来たのに、おやおやと思いますが、この時期の宗谷岬周辺はこんなものなのかも知れません。

 

 50分ほどかかり、宗谷岬14:10着。宗谷岬は気温が4度でした。小雨模様なので、「最北端の碑」のところまで行ってちらっと見た後、後方の丘の途中にあった展望台へ行きましたが、廃業してしてしまっています。その他も廃業している店がいくつかありました。一応、丘の上にも上り、いろんな碑を見ますが、雨模様で風も強く、ゆっくり碑文を眺めているわけにもいきません。全体的に新しい碑が多いです。大韓航空機撃墜事件の慰霊碑がひときわ目立ちます。

 

 丘の上から水平線上にかすかに黒いものが見えました。サハリンかな、と思いますが、この天候で見えるのかな、とも思います。雲の切れ間だったのかも知れません。

 

 雨風をしのぐ場所がないかと思 いますが、近くのラーメン屋に入って食事をするほどの時間はありません。丘の上の旧海軍の望楼に登って、そこの右下あたりの場所が、風が吹き込まず、雨風をしのげるので、そこに立ち尽くしていました。

 

 いつまでもそんなところにいるのもどうなのか、と思って、バス停に行きますが、15分以上前なのに、もう既に30人以上並んでいます。薄着の若い男性がいて、こんな格好で大丈夫だったろうか、と思います。

 

 14:55にバスが来ましたが、少数ながら既に乗っている客もいましたし、今度は座れず立席です。これが最終便のようで、見過ごすわけにも行きません。足腰がよくないので、大丈夫か、と不安になります。ですが覚悟して乗ったせいか、50分も乗っていたのに、意外と大丈夫でした。15:33稚内バスターミナル着。

 

 バスターミナルに着くと、マスクがビショビショになってるのが気になります。駅併設のバスターミナルの奥にセイコーマートがあり、そこでマスクを買い直しました。