写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

08 3日目ソウル午前中 散歩とロッカーと韓医院(2019年4月29日)

 4月29日(月)です。また早起き。ソウルの街を散歩します。なんで旅行の時はこういうことが出来るのか、と思いますね。まあ、ソウルの街は散歩して面白いというのがあるでしょうし、時間も有効利用したいという気持ちが働くのでしょうけど。
 
 泊まっている鍾路エリアはソウルでも一番地理がわかっているエリアです。それなのに昨日迷いました。昨日帰ってから地図を見て、方角が90度違っていたことに気づきました。目印にしていた楽園商街のビルが微妙に曲がっていたことが原因とわかり、まずそれを確かめます。

 

    昨日食事した食堂の位置を確認。それからその道を進みます。この通りは「宋海の道」と書いてあって、90歳を超えているのにいまだに韓国のど自慢の司会者をしている宋海氏というタレントとゆかりがあるようです。この人、どうもかつての日本の森繁久弥氏のような存在になっているようで、この人のおすすめの店、とか、銅像や案内板、ちょっとした門までありました。この通りは南北方向に走っているのですが、東西方向と勘違いしたのが迷った原因でした。

    それからタプコル公園の前。ここは三・一独立運動が始まったところですが、まだ門が開いていません。門の前に署名が置いてあったので覗いたら、三種あり、満州の間島地方・日本の対馬・ロシアの沿海州返還署名と書いてあります。極端なナショナリスト団体がおいたのでしょう。早朝のせいかもしれませんが、誰も署名していませんでした。

 

 仁寺洞に行って前泊まったホテルの付近や食べてみようかと思っていたソルロンタンの店とかを確認。結局その店には行かなかったのですが。そのあと、4年前に新聞代がわからなかった店員がいた仁寺洞出口のGS25というコンビニに行きます。ここは韓国に行くたび利用しているのでおなじみです。ここで歯ブラシセットと新聞朝鮮日報を買います。ホテルに歯ブラシがなかったので。今回、店員は新聞の値段を知っていたようでした。

 

 男性店員に袋を頼むと「20ウォン」と言われます。頼むことも値段の聞き取りも出来ました。今回10ウォン硬貨をここまで見かけず、廃止されたのかと思いましたが、このおつりで初めて見ました。4年前には小型になっていましたが、今回は10数年前の少し大きい硬貨を渡されました。早速、昨日の韓国語教室の内容が役に立ちました。機嫌をよくして初訪韓のとき泊まった旅館のあとや、その周辺をウロウロ。戻ってきました。

 

 どうも今回泊まったホテルの周辺は、「アグチム」という海鮮系料理(あんこうらしい)と餅屋が集積しているエリアのようです。昨晩遅くまで老婆が店を開いている餅屋があり、買いたくなりましたが、おなかが空いていないのでやめました。台湾と違い、食べたいものがあっても量が多いのでなかなか買えません。ホテルは朝食付きということでした。安宿なのでホテル前のテラスにトーストと牛乳がある程度。テラスも路地裏ですから風情がありません。

 今日はソウルで用事をこなします。まず地下鉄1号線鍾閣駅からソウル駅まで。今日の夜は大邱に戻るので、コインロッカーに荷物を置きます。ところがこれが大苦戦。今回コインロッカーを使わざるを得なさそうなので事前に調べたのですが、このロッカーは「Happybox」とかいう新型。多機能らしいのですが、その分操作が複雑そうで、これは避けようかな、と思っていました。ところが一番便利なところにあります。

 

 画面を日本語に切り替えて、操作するのですが、暗証番号を入れる前に「暗証番号が違います」というアナウンスが流れて入力できません。何度やっても出来ないので、やむを得ず韓国語に切り替え。こちらだと順調に進むのですが、ここで横からおじさんがやってきてやり方を教えてくれます。ようやく入れられました。「カムサハムニダ」というと、変な顔をします。おじさんの顔が韓国人と言うより中国人っぽかったので、私を中国人と思って同胞を助けようとしたのかもしれません。なお、このロッカー、現金は使えず、交通カードをタッチさせる方式です。

 開けるとき大丈夫かなあ、と不安になりつつ、ソウル駅から地下鉄4号線二村駅へ。ここで4年前にも行って印象がよかった韓医院に行きます。「椿漢方クリニック」(동백한의원 )というところ。ここは先生も受付の人も日本語が堪能です。さすがに診察を受けて鍼灸をするのに韓国語では不安です。とりあえずトイレに行きたいのですが、外に出てビルの共用トイレを使うとのこと。ところがこれも暗証番号式。受付で教えてもらったのですが開きません。もどって「開かない」と言ったらついてきてくれました。#と*を間違えていました。全く暗証番号式で苦労ばかりかけられます。妙にセキュリティーにこだわっているようです。

 今回は2回目だからか、問診票を書いたあと、いきなり診察。目・肩・足腰がよくない件とメンタルが不安定である件を言いました。脈をとられましたが、やはりというか、「脈が遅くて弱い。エネルギーが不足している。」という診断でした。脈の件は、検診でも毎回指摘されます。すぐ鬱になったり、いつもグダグダしてしまうのはおおかた生きるエネルギーが不足しているのかな、という自覚があります。やっぱりそうか、という感じです。

 

 「エネルギーが全身に行き渡るように」鍼灸をする、ということでした。まず、を打ってもらいます。そのあと、カッピングして悪い血を吸い出します。これは日本では認められていない療法とのことで、本当に効くかはともかく、是非やってほしかったものです。今回は出た血を見せてくれました。こうしてくれた方がありがたみが増します。そのあと、おなかに温熱灸。今回はおなかの鍼はありませんでした。あと、手足の先に鍼。「チクッとしますよ」といわれたのですが、これは痛いです。一日中チクチクしました。ただ、「全身にエネルギーを行き渡らせるため」だそうです。

 

 そのあと目の周りにも鍼。顔に鍼を打つのは初体験ですので、怖かったのですが、この医院のページに「美容鍼」というのがあり、顔中に鍼を打っている写真が載っていたので大丈夫だろう、と思います。打ってもらったら全然痛くありません。そのあと、処方された韓方を飲み、おしまい。

 飲んでいると先生がやってきて「今度いつ来られますか?」といいます。そうそう来られないので、「遠いので、来られたとしても何年後かですねえ」といいます。「体質改善コース」というのもありますとのこと。どうも漢方薬を勧めたい様子でしたが、無理強いされませんでした。

 

 実は今回大邱中心の旅行ということで、この街が薬令市の伝統から「医療都市」を標榜していて、韓国医療体験には通訳を無料派遣するとネットに書いてありました。ですから、ここではなく、大邱で韓医院に行くことも検討したのですが、漢方薬を処方されそうですし、値段もわからず、どこに行けばいいのかもわからないし、それを紹介していたホームページも内容が不十分でやめました。

 

 ここは一連のコースが10万ウォンで、韓方茶のティーバッグセットが9万ウォン。お茶もほしいというと、1種類材料が足りないがそれでもいいか、とのこと。まあ、高いですが、日本語で出来るし、日本で出来ない施術も出来ますから、面白いです。本当は漢方薬も処方してほしかったのですが、30万ウォンから40万ウォンが相場らしいので今回も断念。

 

 先生がやってきたとき、「これは韓国人だったら保険がきくのですか?」と聞いてみました。「鍼やカッピングは効く」とのこと。ということは漢方薬には効かないようです。保険がきくなら漢方薬ほしいなあ、と思いますが、韓国人でもきかないということであれば、こんな高い薬、もらう人がいるんでしょうかね?富裕層だけなのか、一般人でも処方してもらうのか?韓国ではあちこちに韓医院があるのですが、鍼灸ぐらいしかしない人が多いのかなあ、とか思います。漢方薬こそ健康保険を適用すればいいと思うのですが。「何かあったらまたら連絡してください」とのこと。

 

 この先生、温厚でいい人そうですし、その後、ソウルで町歩きしたときも台北のときのように足が痛くなって参った、ということにはなりませんでした。全く痛くないと言ったら嘘ですが、いつも痛くなるところが大丈夫でした。あと、実は帰国してから、札幌でとある用事をこなしたとき、体調が非常によくなっているのを感じる出来事がありました。

 

 まあ、旅行でストレスが解消されていたのもあるでしょうし、韓国での食事がよかったのかもしれませんし、歩き回ったのがよかったのか、とにかくちょっとびっくりするくらいでした。今後ソウルに行く機会があるのか、行ってもこういうところで散財する金銭的余裕があるか、疑問ですが、そういう条件に恵まれれば、3回目行ってもいいかな、という感じで、はじめは時間つぶしと面白半分だったのですが、意外にも前回以上に効果を感じてしまいました。あまり期待すると3回目はそうでもなかった、となりがちですが。