写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

10 3日目ハバロフスク午後 レストランと遊覧船(2019年8月5日)

    8月5日(月)、13時過ぎだと思いますが、市電を降りて、レーニン広場へ。レーニン広場の噴水は晴れて暑いのに吹き上がっていません。博物館と同じで月曜定休なのかしら、と思ってしまいます。昨日一瞬見たのが見事だったので残念でした。

 

    さて、どうしようかと思います。迷いましたが、結局昼食。まだ食べていないロシア料理の中で「キエフ風カツレツ」というのを食べてみたかったのですが、これまで出くわしていませんでした。ガイドブックにウクライナ料理店の紹介があり、キエフと言えばウクライナなのでここならあるだろうと思います。ちなみに元々ボルシチウクライナ料理だそうです。

 

 「カバチョーク」という店に向かいます。目抜き通りの映画館のあるところを曲がって坂を降りていったところにあるはずですが、映画館がわかりません。ここかな、と思って曲がったら違っていて戻ります。この辺に「サッポロホテル」というのがあったような。行きすぎたかと思い、戻ってみると、役所みたいな古い建物にкинотеатрという表示があり、映画の広告らしき大きなポスターが掛かっています。これが劇場の建物か、と思います。さすが旧ソビエト

 

   そこを曲がるとレストランがありました。テラスがありましたが、中に入るように指示され、入ります。木の重厚な扉。2階で注文しますが、メニューに英語と日本語表示があったと思います。それを指さして注文。パンが見当たらないので「ブレッド」と言います。壁を隔てて見えないのですが日本人客がおり、どうもロシア人ガイドをつけて案内してもらっているようです。韓国人客もいるようでした。

 なかなか来ません。フランス料理の一皿ずつ持ってくるというやり方はロシア料理の冷めないようにという配慮から始まったと聞いたことがあります。やっとサラダが。ところが90ルーブル「シェフのサラダ」というのを指さしたつもりだったのですが、むやみに豪華なサラダです。こんなのが90ルーブルなのかなあ、と疑念を抱きつつ、おいしいので食べます。昨日コンビニで買っておいしかった肉の燻製だかソーセージと同じ物がのっています。

 

 それからまたずいぶん待ってキエフ鶏のカツレツ」。鶏の中からバターがジュワーと出てくる、という話だったので期待していたのですが、そういう感じではなく、ただのチキンカツ。ただ肉を薄くして巻いてあるようでした。食べ終わってお会計の紙がおかれるのですが、パンが来ません。会計の紙を見ると、やはりサラダは780ルーブルもして、490ルーブルのカツレツより高いです。指したところを間違えられたようでした。パンだけ食べるのもむなしいですが、ウエートレスに「ブレッド」と言います。

 

 するとウエートレスは会計の紙を持って行きます。再度持ってきたのを見ると、値段が50ルーブルほど下がっています。パンの値段を引いたのか、と思い、おかしいなあ、と思いつつ、1270ルーブルを払って出ます。やはり翻訳できる機器を持ってくればよかったかと思います。

 なんだかなあ、と思いつつ、また目抜き通りを歩きます。するとそれまでいい天気だったのに、突然の豪雨。シベリアのこんなところでもゲリラ豪雨になるのか、と思います。昨日傘を買って無駄になったか、と思っていたのですが、役に立ちました。それでも雨がひどいので雨宿り。結構傘を持っていない人が多く、濡れたまま歩いていたり、雨宿りをしています。

 

 すぐ小降りになり、歩き出しましたが、また雨脚が強くなります。アムール川のある突き当たりのところに出て、ここに大聖堂があるので避難。細長い建物で、青の尖塔の上に金のタマネギ状の飾りが乗っています。ウスペンスキー大聖堂というところ。中に入って正面にはロシア正教の聖人の絵がいっぱい描いてあります。しばらく眺めます。イコンにキスをしている人もいます。女性はスカーフをかぶっています。

 

 雨が小降りになったかな、と思って出たら、おばさんに何やら言われますが、わかりません。ここは新しい建物で、信仰の場であり、入りにくいといわれていて、私も入るかどうか迷ったのですが、雨宿りのつもりで入ったのです。ですから文句を言われたのかもしれません。意味がわかっていたらへこむかもしれませんが、わからないからいいです。やはりにわか雨だったらしく、もうやんでいます。

 アムール川の岸辺に向かう階段を降りて、船着き場へ。ここで遊覧船に乗ろうと思います。ところが韓国人団体観光客が大挙して乗ってきます。これではいいところに座れません。慌ててその観光客と一緒に船に入り、席を確保。

 

 ですがどっちを向いて進むのかわかりませんし、お金は船内で払う、というので、市電の車掌のように回ってくるのかと思っていたのですが、一向にやってきません。出港するとやはり進行方向逆向きの席でした。目の前にロシアの旗があったのですが、考えてみればだいたい旗なんて船尾に掲げますね。

 

 料金を取りに来ないのでおかしいなあ、と思いつつ船は進みます。こっちは釈然としません。ただ、景色はいいです。アムール川の鉄橋をくぐったところで戻ります。鉄道道路併用橋になって上段道路・下段鉄道のようです。私がシベリア鉄道に乗ったときは鉄道だけのトラス橋だったはずです。橋をくぐったところにトラスが1つだけ残されているのが見えました。記念に旧橋を残しているのでしょう。車両がおいてあるのも見えました。記念館があるようですが、ガイドブックに予約制ということが書いてあり、遠いこともあって行かないことにしていました。

 戻りはじめたところで、前の席の女性が日本語のガイドブックを開きました。日本人だったのか、と思い「日本人ですか?」と聞いてみます。料金のことを聞きたかったのです。やはり乗るとき400ルーブルを払った、とのこと。私のことを韓国人団体客の添乗員だと思っていたそうで、雰囲気が違うが、船の人もそう思ったんじゃないかと言われました。

 

 「ラッキーですね」と言われましたが、こちらは小心者なので、ただで乗ってあとで文句言われたり、警察に通報されても困ります。橋の話になり、20数年前にシベリア鉄道に乗ってモスクワまで行くとき、橋を渡った、というと、「勇気ありますね」と言われます。こちらは料金のことでビクビクしている小心者なのですが。

 

 相手はガイドブックを見て「1998年に掛け替えられたそうで、それまでは川底のトンネルを通っていたそうですよ」といわれます。ですが私は乗ってすぐ橋を渡ったはずです。トンネルは通った覚えがありません。こっちもガイドブックを持っていて、同様の記述を見た気がしますが、「確か橋を渡ったはずです。」とかいいます。

 

 こっちは「いいところなのに、韓国人ばかりで日本人来ないですねえ」などといい、向こうは「おいしいレストランはどこですか?」、「これからの旅程は?」とか尋ねてきます。そうこうしているうちに、1時間ちょっとの行程は終わります。仕方ないので扉を開けた女性係員に「ノーチケット」とかいい、400ルーブルを押しつけて降ります。

 河岸の2つの聖堂の間に、低い谷のようなところがあり、もうひとつの聖堂に行くとき、何度も坂を上り下りせずに済みそうなのでそこを進みます。トイレがありました。古いトイレでしたが30ルーブル。そこから進むと公園のようなところに出ます。

 

 ここに屋台が出ています。この時期ハバロフスクにはアイスクリームとスポーツのときに使うような給水用タンクを2つほど並べたクワスの露店があちこちに出ています。アイスは昨日食べましたので、今日はクワスを飲みます。実はこれ、「ロシアの夏の風物詩」とのことでしたが、黒パンを発酵させてつくり、わずかにアルコール分がある、というもので、私が苦手なビールや麦茶系の飲み物のようです。ですが一杯ぐらいなら大丈夫かな、と思い、16ルーブルを払い、飲んでみます。黒くて苦いけど少し甘みも感じる飲み物でした。暑いときに安いので助かります。

 そこから目抜き通りとは反対側の坂を上り、ハバロフスク名物のもうひとつの聖堂に向かいます。