写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

11 3日目ハバロフスク夕方 聖堂と中央市場など(2019年8月5日)

    今度は、坂を上ってハバロフスクのもうひとつの有名な聖堂、「スパソ・プレオブラジェンスキー聖堂」へ。こちらは名前がわかりにくいのでそういう名だとは認識していませんでした。この聖堂には金の玉ネギ型の飾りに十字架がのっています。中に入って今度はしおらしく頭を下げます。内装は似たような感じ。

 

 外に出ると、韓国人らしきカップルがウェディング姿で写真を撮っています。韓国人は結婚のとき写真集を作るという習慣があるそうです。もう一カ所でも見かけました。ここでならいい写真が撮れるでしょう。聖堂の裏側はまたアムール川の展望台になっていて、ここから眺めると、湾曲している川沿いにビルが並んでいて、なぜかハワイホノルルの観光写真に似ているな、と思いました。

 

 その横が戦没者慰霊碑です。1941~1945と書いてあって火が燃えています。黒い石に金文字で多分戦没者と思われる名前がいっぱい彫ってあります。ただ、この碑はかなり新しいようで、ソビエト時代のものとは思われません。ロシアになってもこういう顕彰事業が行われているのか、慰霊なのか、どういう意図で新生ロシアになってこういうものを作ったのかな、と思います。その横はソビエト時代の古い建物でラジオ局かなにかのようでした。

 一度坂を下りてまた上り、目抜き通りであるアムールスキー通りに出ます。この目抜き通りは丘の稜線に沿って走っているので、平坦で楽です。横に行こうとすると坂の上り下りがあります。突き当たりのアムール川展望台とウスペンスキー聖堂のあるところに戻り、アムール川の夕日を眺めます。何度見ても素敵です。

 

 ここからトロリーバスレーニン広場を抜けたところの停留所で降り、広場を抜けます。ここの歩道橋もなんだか優雅な装飾です。このあたりで露店でアイスクリームを買いました。またやる気のないおばさんを起こして今度は緑色のアイスを買います。メロンなのかお茶なのか何かのハーブなのか、色だけでは判断がつかず、何味なんだろうと思います。量り売りで173ルーブル

 

 レーニン広場からすこし川に近い、さっき降りた電停から市電に乗ります。17時過ぎ。市場に行こうと思ったのですが、市場は17時まで、とガイドブックに書いてありました。でも夏だからやっているかもと思い、中央市場の電停で降ります。やはりやっていました。

 

 中央市周辺はこれまでのハバロフスク瀟洒な町並みとは違って雑然としており、安普請の白くて新しい建物が並んでいます。夕方なのにまだ暑いです。乗り物に乗っている時間が長かったので、これまではさほど感じませんでしたが、結構暑い一日でした。

 

 市場はロシアでも面白いです。雑貨店や洋服店、意外とあるのが釣具屋、魚屋の入る建物だけ冷房がギンギンに効いていました。魚を買う客はあまりいませんでしたが。あとは見慣れないものが多い果物屋や瓶詰めを売っている店、あまり呼び声がかかりませんが、この辺で老婆から声をかけられました。瓶詰め買おうかな、と思いましたが、やめます。ロシア人もいますが、中国系か少数民族と思われる店主が目立ちます。

 汗をかいたこともあり、着替えももうないので、ここらで服を買おうと思います。洋服屋が数軒ありましたが、カジュアル衣料が多いです。Yシャツを売っているところを見つけ入ります。

 

 店主は中国系か少数民族系とみられる男性。白のYシャツを見つけると、指さします。試着させようとしますが、汗だくで気が引けますし、今着ている服の上から着せようとします。ちょっと大きいかな、と思いましたが、汗がついてしまい、買わざるを得ないかな、と思います。値段は?という仕草をすると2000ルーブル。約4000円ですから市場の物にしては高い。ロシアはどうもこの手の日用品が日本より心持ち高いかな、という印象がありましたが、値切ることにします。

 

 1500と紙に書くと、向こうは1800とか、1700と書きます。結局1600ルーブルまで下げさせて購入。買うとき握手を求めてきました。こういう反応はここだけで、やはりロシア人とは違うな、と思います。1600まで下げてもニコニコしていましたから、最初の言い値を1000にしておけばよかったか、もうけさせてしまったな、と思います。

 

 ウラジオストクで着ようと思ったらなんと3XL。大柄なロシア人向けでした。もう少しサイズ選んでくれよ、と思います。もっと小さいのを、と意思表示しなかった私が悪いのですが、ロシア語がわからないうえに、暑いし汗だくだったので失敗しました。冷房の効いた店で落ち着いて買えばよかったのですが、そういうところは高いでしょうし。まあ面白い経験にはなりますし、大は小を兼ねるので着られます。襟や袖まわりはブカブカでしたが、袖の長さだけぴったり。やはり私は世間一般より手が長いんだなあ、と改めて思います。

 

 そのあと、露店クワスをもう一度飲みます。17ルーブル。あまり売れている様子はありませんでしたが、ゴミ箱には紙コップが結構捨ててあります。ロシアではあちこちにゴミ箱があって助かりました。

 電停に戻ります。最後の乗車になりますから、まだ未乗の丸っこい旧型車が来るのを待ちます。何台かやってくるのですが、緑地帯に線路があるので、森の中から市電が現れてくるように見えます。夕暮れ時ということもあり、ちょっと幻想的な光景で、ロマンチックな気分になりながら眺めていました、ロシアの市電は線路がヘロヘロで、とよく聞きますが、この辺を見る限り、いうほどでもないな、と思います。さりとて良好でもないようですが。何台目かで、旧ソ連時代の赤とクリーム塗装を残した丸い電車が現れます。うれしくなってこれに乗ります。他の電車よりもう一段ボロボロでしたが、27年間これに乗りたかったのです。満足満足で、ハバロフスク駅前電停へ。