写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

06 高知本町郵便局(2000年1月5日~6日)

 さて、旅行の続きですが、阿波池田から乗った高知行きディーゼルカーは何と両側ロングシート車。しかも一両です。これで名勝大歩危小歩危を走るのか、と思うとがっかりしました。こんな山間部のローカル列車までロングシート車にするなよ、と思ってしまいます。

 

 はじめのうちこそまあまあの乗車率ですが、しばらくして4~5人になってしまいました。景色も川沿いで悪くないはずですが、どんより曇って、しかも夕暮れ、何だかわびしい気分のまま日は暮れていきます。日が暮れてから、スイッチバックの駅がありましたが、景色は何も見えないので、どうっていうことありません。しかし山を下りて高知平野にはいると急激に混みだし、高知に着く頃には満員状態でした。

 

 高知着18:11。小雨でした。案内所で紹介された駅近くのビジネスホテルに入ってしばらく休憩した後、夕食を食べに外に出ます。高そうでもなく汚くもなさそうな郷土料理店で、1500円のカツオのたたき定食を食べました。カツオのたたきは土佐名物ということになっていますが、今では地元のスーパーでも売っていますし、刺身のように小皿のたれをつけるのではなく、はじめからたれの中に浸してあるのが目新しかったぐらいで、特に感心もせず、帰って寝ました。

 

 翌朝、さっそく高知中央郵便局に出かけることにしました。位置は調べてあって、駅からかなり離れた県庁近くにあります。市電に乗って日本三大がっかり名所はりまや橋札幌時計台と、もう一つはどこでしたっけ?)を横目で見つつ電車を乗り換え、県庁前に向かいました。この線は始発と終着が「ごめん」と「いの」なので、何だか電車同士が謝ったり慰めたりしているようだ、という話があります。高知名物世界の電車は見かけませんでした。

 

 降りようとした直前、大ショック。大きな郵便局が見えたのですが、そこには「高知本町郵便局」と書いてあるではありませんか!建物の雰囲気から見て、これは旧中央局であったに違いありません。中央局はどこかに移転してしまい、旧局を別の郵便局として利用しているのでしょう。では中央局はどこにいったか?高知城前の案内板は古く、本町局のところに「中央局」と書いてあります。9:53の列車に乗らなければいけないのにもう9時。大ピンチです。郊外にでも移転していたら今日の計画まるつぶれです。

 

 焦りまくって、商店街をうろうろしていると、一軒の本屋が店を開けたところでした。店の用意をしているおばさんに「高知の小型地図ありませんか?」というと、「ない」とのそっけない答え。おばさんは観光案内所でくれたのと同じ地図をくれました。商売気のない人です。でもそれには郵便局名が載っていないことを知っていたので、せっかくの好意でしたが、やはりすこし大型の700円の地図を買うことにしました。おばさんは驚いた様子でしたが、「ありがとう」といって売ってくれました。

 

 よく考えたら、おばさんに聞けば良かったんですね。バカでした。でもこの際、「人に道を聞かない」というのを原則にしたいと思います。知人に「その方が面白い」といわれましたから。

 

 それを見ると、何のことはない、高知中央郵便局は駅前にあったのです。もう市電を待つ余裕もなく、急いで駅前まで半分走って戻り、新築の中央局にたどりつきました。このとき9:30過ぎ。空いていたのですぐ手続きしてくれました。局員は若い男の子で、旅行貯金とすぐ察してくれたらしく、やはり徳島局のかすれが気になったのか、ハンコ押しを何回も練習したうえで丁寧に押してくれました。景品もティッシュ1個で、重たい景品を持っていた身としてはかえって有り難かったです。やはり係員は男性に限る、と思いつつ駅に戻り、絵はがきと駅弁を買って9:53発の列車に何とか間に合いました。

 

 続きは次回に。