写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

03 しばたはつみ「マイ・ラグジュアリー・ナイト」

 先日「さえわたる」さんのブログに「マイ・ラグジュアリー・ナイト」の記事が掲載されて、コメントを書こうとしたのですが、自分のブログに書いた方がいいか、と思い直して書くことにしたものです。

 

 私はしばたはつみの「マイ・ラグジュアリー・ナイト」という曲が小学校の低学年だったのに好きでした。毎日朝、親がつけているラジオからこの歌のサビの部分が流れていて、子供心に大人っぽくてドラマチックないい曲だなあ、と思っていました。車かなんかのCMソングだったようです。今、調べてみたのですが、マツダの「コスモ」という車のCMに使われていたそうです。

 

 その歌を歌っている歌手も題名も知らなかったのですが、どこかで「しばたはつみ」の「マイ・ラグジュアリー・ナイト」であることを知ったのでしょう。

 

 昭和52年(1977年)の年末、当時は歌番組の「賞レース」が華やかな時代でした。この歌はそうした賞番組にはあまり登場しなかった覚えがあるのですが、「速報 日本レコード大賞という、大晦日の「日本レコード大賞」の予選的な番組があり、これに彼女が登場していました。

 

 この年の予選は確か大晦日に出演できる「大賞候補」の候補を2曲ずつ取り上げ、審査員が投票して選んでいく方式だったと記憶しています。

 

 7番目か8番目の投票でこの曲が登場し、ライバルの曲と投票になったのですが、いずれも敗れ、10曲の中には残らなかったはずです。いわば「当て馬」的な存在で終わりました。彼女がさらし者になった気がして、かわいそうに思いましたし、この曲が好きだったので応援していたのですが、すごくがっかりした記憶があります。

 

 ところが、しばらくして今度は紅白歌合戦の出場者の発表があり、その中の紅白各24組の中に彼女の名前があったのです。この年、芸能界の大麻騒動があったので、中ヒットクラスだった彼女に出場の機会がめぐってきたのでしょう。

 

 これがレコード大賞の雪辱となった気がして、とても嬉しかった記憶があります。

 

 そして大晦日、紅白に出て、歌っている映像を、今、youtubeで見られます。司会の佐良直美の「歌は仕事、歌は趣味、そして、この人に歌は、と聞いたら、『私自身』と答えるでしょう…。」という、名台詞に紹介されて歌い始める。

 

 彼女は、いかにも嬉しそうに歌っています。たった一度の紅白出場。彼女は2010年に亡くなっていますが、この数分間がたぶん彼女の歌手人生でもっとも幸せだった瞬間だったのではないでしょうか。

 

 対戦相手は実力派歌手でやはりCMタイアップ曲である「愛のメモリー」の大ヒットをひっさげて登場した松崎しげる。名勝負だったと思います。

 

 昔の紅白は、年の終わりにこのような、その年に大ヒット曲を出して幸せそうに歌う人たちを見ることで、一緒に「よかったなあ」という気分を味わう番組でもあったのでしょう。今の紅白ではそういう感慨を催すことはなくなりました。

 

 遠い昭和の記憶です。まちがっていることもあると思いますが、記事にしてみました。

 

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