先日、韓国の1人あたりGDPがついに日本を抜いた、という記事を見かけました。GDPというのは経済力の指標を示すモノで、こんなものでその国の豊かさそのものを測ることはできない、あるいは統計の信憑性はどの程度のものなのか、という批判はあるにしても、一つの目安になることは確かです。以前にも、2018年には韓国は日本の一人あたりGDPに追いつく、という記事を読んだことがあり、いよいよその時代がやってきたか、と思います。
2回目の東京オリンピックは延期されてしまいましたが、1回目の東京オリンピックは1964年、日本の高度成長を象徴する出来事でした。オリンピックが開催できる国というのは、先進国ということなのでしょう。
そして韓国で高度成長が起こり、その象徴となったソウルオリンピックが1988年、24年後です。
もうひとつ、豊かさの象徴となる国家的イベントとして行われるものに「万国博覧会」があります。1993年の大田万博は1970年の大阪万博の23年後、ということになり、おおむね似た時期に開催されています。
そして、1973年の石油ショックにあたるのが1997年のアジア通貨危機。これで一時的とはいえ、韓国の経済は危機に陥り、韓国の高度成長は一段落した感がありました。これまた24年後。
そう考えていくと、ちょっとこじつけかもしれませんが、1994年の聖水大橋崩落事故はやはり1970年の大阪天六ガス爆発事故、2003年の大邱地下鉄放火事件は1980年の新宿西口バス放火事件を彷彿とさせます。世相が似ていたのかもしれません。1980年代に盛んだった韓国の学生運動も、90年代前半には収束しましたね。これも日本の1960~70年代の状況によく似ています。
昨年、2019年の24年前は日本で阪神淡路大震災やオウム真理教事件が起きた1995年でした。日本ではバブル崩壊とこれらの事件が、日本停滞へのターニングポイントの象徴となったように思います。
ところが、昨年は韓国でこれに匹敵する大事件が起きなかったといっていいでしょう。ここが日本と韓国の分かれ道になるのかもしれない、と思いました。日本は以後30年停滞し、韓国は安定成長を続けるのか、そうなれば日韓の経済格差は逆転してしまいます。
今回、コロナウイルスの影響が、日本より25年遅れの韓国経済停滞のターニングポイントになるのか、それとも一時的なものにとどまり、日本を引き離していくのか、今後の韓国経済に注目していこうと思います。