写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

09 ウンバンウル(銀の鈴)姉妹「麻浦終点」(마포 종점)

 不評の歌の記事、しかも韓国の歌が続きますが、ネタがないので書きます。せめて鉄道に関連した歌を。

 

 1968年の歌らしいですが、ウンバンウル姉妹(銀の鈴姉妹)の「麻浦終点」という歌。韓国で言う「トロット」、日本の演歌に相当する曲です。

 

 麻浦というのはソウル駅の西にある地区です。麻浦区というのがあります。今はソウルの中心街の一つといっていいでしょう。若者の街といわれる弘大(ホンデ)があります。私は行ったことがありませんが。

 

 しかし1960年代ぐらいまではソウルの端、と見られていたようです。当時はソウルの南、江南地区がまだ開発されておらず、漢江の北、麻浦地区が町外れ、といった風情だったようです。

 

 ここが当時あった市内電車の終点で、そのうらぶれた雰囲気を歌ったのがこの歌。「夜深い麻浦終点、行く当てのない夜の電車 雨に濡れてお前も立ち 私も立った 川をこえた永登浦に明かりだけおぼろげで…」というような歌詞のようです。漢江を越えた永登浦地区や、今は国会議事堂や63ビル、KBS放送局などがあり、韓国繁栄の象徴的存在となっている漢江の中州、汝矣島(ヨイド)は当時飛行場だったそうで、2番目の歌詞に「汝矣島飛行場」なるものが出てきます。

 

 韓国にはソウルと釜山に市内電車があったそうなので、古写真を検索すると、南大門をぐるりと周回する路面電車の写真を見ることができます。かなりボロだったようですね。

 

 この歌ができた1968年に廃止され、1974年に地下鉄ができます。地下鉄の開通日に朴大統領狙撃事件があり、夫人が亡くなったのでした。

 

 今は韓国で路面電車を見ることができません。どこかに保存されているという話はネットで見かけました。

 

 ところで、このウンバンウル姉妹、日本のこまどり姉妹にそっくりです。おそらく日本のこまどり姉妹の人気を知って結成されたものでしょう。韓国は日本のパラレルワールドで、「韓国の○○」という存在を容易に見いだすことができます。

 

 「韓国の美空ひばり」が「イ・ミジャ」、「韓国の東大・早稲田・慶応」がそれぞれ「ソウル大・高麗大・延世大」と言った具合。そういうのを見つけるのも韓国の魅力です。こまどり姉妹が着物姿なのに対し、ウンバンウル姉妹はチマチョゴリ姿です。

 

  でも、こまどり姉妹が三味線を持って歌うことが多いのに対し、韓国で三味線に相当する楽器が思い浮かびませんね。琴は「カヤグム」という琴がありますけど。

 

 ウンバンウル姉妹とこまどり姉妹のコラボを見てみたいものですが、実現は難しいのでしょうかね?どうもこちらの方はこまどり姉妹と違い、双子ではなく、メンバーチェンジがあり、その後亡くなった方も出て、さらにメンバーが替わったようです。

 

 ウンバンウル (은방울)というのも辞書では「銀鈴」「銀の鈴」とでてきますが、「スズラン」という意味もあるようで、Google翻訳では「スズラン姉妹」となります。現地ではどちらで認識されているのでしょうか?わからないことが多いのに記事にするのもどうかと思いましたが、印象に残った歌だったのでとりあえず掲載します。www.youtube.com

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