写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

10 行事美佳と劇団こまどり「くたばれ北の湖」

   旅行記ブログの穴埋め記事、韓国の歌が続きましたが、今回は日本の歌。と言ってもキワモノですが。どうせキワモノブログですからいいでしょう。

 

 多分岡山に住んでいた小学生の時だったと思うのですが、ローカルラジオ(岡山なので山陽放送のはず)の朝の番組(たぶん「井上いつのりのおはようさん」という番組)という人で「珍盤アワー」というコーナーがありました。毎回珍曲を紹介するのですが、なかには他の番組では絶対かからないような歌を流すこともありました。それゆえ、この番組で40年以上前に一度聞いただけ、でもインパクトが強すぎて忘れられない、という歌がいくつかあります。

 

 そのひとつに「くたばれ北の湖」という歌がありました。1970年代の後半、相撲界では横綱北の湖がたいへん強く、しかしながら「憎らしいほど強い」といわれたように悪役イメージで、人気がありませんでした。そういうわけで、「北の湖が負けると嬉しい」という人が結構いたのでしょう。この歌が作られた背景にはこのような事情があったと思われます。

 

 それでも、よくこんな歌を出せたと思います。この「珍盤アワー」という番組で一度かかっただけですが、あまりの衝撃に40年以上経ったいまでもよく覚えています。この歌の存在そのものはネットにも載っていましたが、残念ながら音源がなく、長年聞くことはできませんでした。ところが先日、ついにyoutubeにアップされたのを見つけ、40数年ぶりに聞くことができました。

 

 昔のウロ覚えどおり、子供が歌う歌で、力士の名を挙げていき、突然「くたばれ!北の湖」というフレーズが挿入される、しかも「♫北の湖~」というところだけ女声コーラスです。なんともシュール。こんな歌を子供に歌わせるなよ、と思います。

 

 ところで、私は小学生のとき、野球嫌いの反動で相撲好きでした。インドア派なので、学校から帰ると夕方に相撲中継を見て勝敗表をつけていました。当時は野球全盛で、相撲は年寄り好み、というイメージがありましたから、子供の頃から偏屈でした。

 

 実は私も北の湖嫌いで、この人がたまに負けると、嬉しくて喜んでいました。鉄オタ(当時そんな言葉ありませんでしたが)でもあった私は、鉄道界では、いちばん速い新幹線が嫌いで、新幹線の雰囲気と北の湖の雰囲気がなんとなく似ているな、どっちも嫌いだけど、と思っていました。

 

 この人は横綱大関以外では、黒姫山とか、富士桜とか、朝潮とか、特定の人にしか負けないのです。同じ横綱でも輪島や若乃花は結構いろんな人に負けるのですが、北の湖はそうではないのです。

 

 それと、蔵間とか、栃光のように絶対に北の湖に勝てない人がいて、それが余計強いというイメージになっていました。大関でも貴ノ花には滅多に負けませんでした。高見山は輪島には時々勝てるのですが、北の湖に対しては横綱になってから一回しか勝っていないはずです。昭和53年(1978年)秋場所。さっき調べてみたらやはりそうでした。小学生の時のことはくだらないことでも正確によく覚えています。

 

 調べるため検索すると、昔の星取り表を載せたサイトがあって見入ってしまいました。今は相撲なんか全く見ないですから、横綱の名前ぐらいは聞いたことがありますが、大関となるとあやふやです。大きくなるにつれて相撲への関心は薄れ、就職してからは時間的に見たくても見ることができなくなって、もう30年以上ロクに相撲を見ていません。そう考えると淋しいですね。
 

sumo-hositori.com


 北の湖は引退後、相撲協会の理事長になりましたが、2015年に亡くなりました。昔の力士とか、アイドルとかが死ぬとか病気とかというニュースを聞くと、「嫌い」だった人でも、惜しいなあという思いを持ちます。昔はよかったという思いと、時は流れて行くのだなあ、という感慨を持ってしまうのです。www.youtube.com  (追記 リンク切れ)