皆さんはBCLというものをご存じでしょうか?今から40数年前に大流行した趣味で、海外短波放送を聴取し、受信報告書を送り、間違いなくその放送を受信したと認められれば、「ベリカード」という絵はがきのようなカードがもらえるのです。
私は小学6年生の夏、ラジオをいじっているうちに、中波で「モスクワ放送」、「北京放送」「ラジオ韓国」の存在を知りました。そして当時あった「短波」という雑誌を買うと、そのほかに台湾の「自由中国の声」、「ベトナムの声」、イギリスの「BBC」、北朝鮮の「朝鮮中央放送」、「インドネシアの声」、「ラジオ・オーストラリア」、ドイツの「ドイチェベレ」などの局があることを知りました。
このほか、キリスト教布教を目的とした宗教放送局が日本で認められなかったせいか、宗教専門局がありました。はるばる南米のエクアドルから発信される「アンデスの声」、グアムからの「太平洋の声」、フィリピンの「ラジオ・ベリタス・アジア」、アメリカ・サンフランシスコからの「KGEI」、韓国済州島からは「FEBC」などという局がありました。「バチカン放送」や「国連放送」もありました。
そのあと、モンゴルやイランからの放送もできましたが、一方で、これらの日本語放送は現在では激減しています。1990年頃になくなった放送が多いのです。
短波放送というのは不安定で、毎日きちんと聞こえるわけでもないし、聞いている最中にも聞こえなくなったりすることもよくありました。
ネット時代になって、ほとんどの局はネットでも送信するようになりました。ところが、容易に自国の放送を安定して日本に送ることができるようになったのに、日本語放送そのものはむしろ衰退気味です。BBCやバチカン放送は日本語サイトを開設するようになりましたが、やはり放送が欲しいですね。かつてのモスクワ放送「ロシアの声」に至っては数年前に放送を終了してしまいました。
ということで、最近は意味のわからない外国語の放送を聞いて音だけで外国気分を楽しんでいるのですが、やはり日本語放送を充実させて欲しいものです。