「共産趣味」という言葉があります。共産主義者ではないけれど、共産主義体制下で生まれた、プロパガンダ色の強い歌や絵画、その他の芸術を面白がる、という「趣味」です。私は共産主義者ではないし、共産体制下の国に生まれなくてよかったと思っていますが、それでも「共産趣味者」ではあります。もっとも、これしかない、ということであれば困りますが。自由主義体制下のもとで、さまざまな芸術作品を楽しむ一環としてなら、共産体制下の歌を面白がる、ということができる、ということでしょうね。
今回は半世紀前の中国の「東方紅」を紹介します。1965年というから、文化大革命の少し前に制作された映画の冒頭シーンがyoutubeにありました。youtubeには何でもあるものです。
見事な集団舞踊です。でも、一糸乱れぬ統一ぶりに薄気味悪さも感じます。そして毛沢東賛美の歌詞。文化大革命の直前のようですが、文革期には毛沢東賛美一色になるのですよね。
中国は文化大革命が終わり、鄧小平の時代になるとこういう個人崇拝と賛美はなくなります。習近平賛美の傾向があると言いますが、毛沢東の時代はその比ではないでしょう。
北朝鮮もそのまねをして金日成賛美が進んでいくのですが、こちらは中国がやめたあともやめられず、いまだに文革状態が続いているのでしょう。
日本人の目から見ると、「革命音楽」という日本の音楽シーンに見られないジャンルは興味深いのですが、「共産趣味」にとどめておいた方がいいでしょうね。
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