写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

10  ボルシチを作ってみました

   旅行記の合間に穴埋め記事として載せるので、少し時間がたってしまいましたが、10月9日の金曜日だったか、最寄り駅の自由通路で農協の即売会をやっていました。その中に「ビーツ」がありました。これは珍しいと思って思わず買いました。2個入り150円。

 

 これがあるとロシア名物ボルシチができます。日本だと以前はビーツが手に入らず、トマトスープで代用したものしかありませんでした。ポツポツ栽培が始まっているようです。切ると真っ赤な汁が出るせいか「食べる輸血」と言うそうです。

 

 ボルシチというとシチューの一種か、と思ってしまうのですが、もっとさらさらしていて、「ロシアの味噌汁」みたいなものだ、ということをネットのどこかで見た覚えがあります。

 

 レシピをネットであれこれ探してスーパーに買い出し。牛肉細切れ、人参を買います。キャベツとタマネギ、ニンニクは家にありました。ディルというハーブがあるといいそうなのですが、これは見つかりませんでした。

 

 あと、「スメタナ」というサワークリームが必要なのですが、ネットで探すと「中沢サワークリーム」というのがあります。これを探すと近所のスーパーにありました。さすが都会のスーパーです。

 

 そして日曜日に作ってみました。牛肉をニンニク、コンソメローリエローズマリーとともに煮て、アクを取ります。20分ほど煮て、人参の短冊切りとタマネギを投入。またしばらく煮ます。煮立ったところで、ビーツの短冊切りを投入。ビーツは下準備した方がよいというレシピと、そのままでもよいというレシピがあり、迷いましたが、初挑戦なので念のため3分ほど電子レンジにかけました。その上で短冊切り。真っ赤な汁が出ます。これがボルシチの赤い色になるのです。

 

 鍋に入れてみると真っ赤な色になりました。切った残りはすぐ捨てないと色移りするそうです。トマトやトマトジュースを入れるレシピが多かったのですが、トマトを入れると本物感がなくなるような気がして躊躇したものの、結局、今回は「隠し味」としてトマトケチャップをちょっと入れてしまいました。最後にキャベツ投入。キャベツはちょっと量が多かったかな、という感じでした。塩胡椒を振りかけて一応完成。

 

 ご飯には合わなさそうなので、ロシアの黒パンはないかと探したのですが、さすがになし。パサパサしているので、日本では売れないのでしょう。ですが札幌駅地下のエスタのパン屋でライ麦30%のパンを見つけたので、これを購入しました。

 

 試食すると本場レストランの味、というわけにはいきませんが、まあまあ。ロシアで食べた味も甘くなく、素朴な味でした。昨年旅行したロシアの現地ではハバロフスクの空港食堂とホテルのレストランでこれを食べたのですが、前者の庶民的な食堂の方が肉のダシがきいていて個人的には好みでした。あの味はなかなか出せないでしょう。でも、初挑戦の割にはこんなもんかな、という程度にはできました。真っ赤な野菜スープといった趣。

 

 ディルの代わりに、瓶詰めの乾燥パセリをかけて食べてみました。食べてみると、牛肉とビーツのせいか、ちょっと土っぽい、とはいってもまずくなく、むしろ素朴で田舎っぽい、自分で作っておいていうのも何ですが、意外なうまさ。

 

 自分で作ったものの割には現地の味に近い気がします。コンソメとトマトケチャップを少量入れましたが、後は牛肉と野菜の滋味が出ている感じ。サワークリームは固いプレーンヨーグルトに近いです。これなら少量のヨーグルトでも代用できそう。これを混ぜて、レモン汁を垂らすと酸っぱさが出て味がかわります。 

 

 パサパサのライ麦パンを汁に浸して食べるとこれがよく合います。今どきのふわふわパンではダメでしょう。こういう素朴な味を久しく食べていなかった、と思い、素朴さを新鮮に感じました。毎日これしかない、ということであれば嫌になってしまうかも知れませんが、たまに食べると普段食べている食事は素朴さに欠けているなあ、と思わされます。

 

 まあ成功、といえるので、またビーツを売っているのを見かけたら再挑戦してみてもいいかな、と思います。もっとも、鍋いっぱいにできたので、今回作ったこのボルシチを何日も食べることになりました。