写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

12  カマボコを語る

 皆さんはカマボコが好きですか?私はカマボコ好きです。

 

 子供のころは金沢暮らしでしたが、金沢のカマボコは「赤巻き」といって、赤い色で渦巻き状になっているカマボコでした。カマボコというのはこういうものなのだ、と思っていました。正月や行事の時には、赤巻きではなく、同じ渦巻き状ながら、赤の部分が昆布になっている「昆布巻き」のカマボコが登場しました。

 

 ところがうちの親は列車に乗ると、車内販売で売りに来る敦賀のカマボコ」を大変有り難がって必ず買っていました。敦賀のカマボコは、上に焼き色がついているカマボコで、下の部分は白く、渦巻き状でありません。子供のころは、赤巻きが庶民的なカマボコで、白いカマボコは高級品なのだ、と信じていました。

 

 その後、岡山に引っ越ししたのですが、岡山というところでカマボコについて、これ、といった記憶がありません。正月に紅白のカマボコを買っていた覚えがありますが、全国的に一般的なメーカーの製品だった記憶があります。岡山というところはカマボコ不毛の地なのでしょうか?岡山のカマボコ業者がいたら、申し訳ありませんが。

 

 その後、山口に引っ越したのですが、山口はカマボコの名産地です。全国的な知名度は今ひとつなのかもしれませんが、私は山口のカマボコがいちばんおいしいと思っています。山陰側の仙崎のカマボコも有名なのですが、地元の宇部かまぼこ」もかなりおいしいです。宇部市は瀬戸内海側で、工業都市。水産品の生産地としてはあまりいいイメージではありませんが、地元びいきもあってか、私はこの「宇部かまぼこ」が大好きなのです。特に「蒲さし」という安価なカマボコは小型ながら弾力があって好みの食感です。山口のかまぼこは「焼き抜き蒲鉾」という独特の製法なんだそうです。

 

 山口から離れたあとも、山口に行く機会があると必ず買っていました。山口県のお土産としてはいちばんのお勧めではないでしょうか?今は北海道在住ですが、たまにこの「蒲さし」をスーパーやデパートで見かけることがありました。懐かしさで買っていたのですが、最近まで売っていた札幌三越では、ちくわだけの販売になったのか、カマボコは見かけなくなってしまいました。ちょっと残念。たまたまないときが続いていたのか、売れないので売るのをやめたのか、コロナかなにかの事情で一時的に販売をストップしているのかわかりませんが、また取り扱って欲しいものです。

 

 北海道では、多くのデパートの地下に「かま栄」の揚げカマボコ売り場があります。以前田舎暮らしの時には、帰りの列車で食べるためにときどき「パンロール」(パンを巻いているかまぼこ)とか、「味噌南蛮」というのを買っていました。後者はおいしいのですが、匂いがするので列車内で食べるのは気が引けるときがありました。

 

 「かま栄」のほかに、小樽駅の売店には「栗原蒲鉾店」というところの揚げ蒲鉾セットを売っています。どちらかと言えば、列車に乗るときにはこちらを買うことが多かったのです。タコが入っているものや、チーズが入っているもの、イカが入っているものなどがあり、列車内のお供としては好適です。

 

 地元以外では、仙台の笹かまぼこが大好物です。小田原の蒲鉾も有名ですね。大阪焼き目がついたかまぼこも好きです。先日、「夏の食卓」の記事に書いたように、京都魚そうめんについても思い入れがあります。

 

 金沢紅白の「ふかし」も蒲鉾の仲間でしょうね。これはすまし汁に入れる具としてはいちばん適当だと思いますが、なかなか金沢以外ではお目にかかれません。

 

 皆さんのお住まいの地域でお勧めの「カマボコ」「練り物」はありますか?

 

 <追記>その後、札幌三越に行ったら「宇部かまぼこ」がありました。また買ってしまいました。