写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

10  韓国短期留学4日目午後~京義線で臨津閣へ(2003年1月8日)

 さて、3時近くになり、中途半端な時間です。ソウル駅にいます。

 

 ふと、京義線に乗ってみようと思い立ちました。実は当初、土曜日何も予定がなかったので板門店ツアーに行こうと思っていたのですが、メル友氏がドライブに連れて行ってくれることになり、板門店は断念。せめて鉄道でいけるところまで行こうと思ったわけです。この線はもともとソウルから平壌、さらには新義州を通って中国に行く線ですが、もちろん現在、途中で分断されています。最近再締結されるとか言う話になったのもこの線です。(追記 その後再締結されましたが列車運行はされないままです。)

 

 ソウル駅15:10発統一号(普通)に乗ります。終点は臨津江駅。歌で有名な「イムジン川」のところです。国境近くまで行くので切符を買うときなんか言われるかな、と思いましたが、何も言われずに買えました。ただ、「往復」というとごちゃごちゃ言われて片道しか売ってくれません。どうやら向こうで買え、といわれたようです。硬券で正確な値段忘れましたが1300ウォンだったか?とにかく1時間半も乗るのに安いです。もっとも、距離が50~60kmしかないです。

 

 ローカル線用ディーゼルカーです。ホームが低いので列車の扉の下に階段があります。首都圏を走るのに一時間に一本。繁華街や新興住宅地をとろとろと通り過ぎていきます。軍事境界線近くでも高層アパートもあるし、サウナも結婚式場もある。案外のんきです。最近まで終着だった汶山駅は南北鉄道連結作業のためかきれいになっています。

 

 ここからが最近復旧された区間です。一駅で終着臨津江駅。降りるのは私ひとりか、と思いきや、意外にも他にも客がいます。買い物をしたおばさんなんかもいます。降りるとき兵隊がいたのでやはり、と一瞬緊張しましたが、帰りの汽車を待っていただけのようです。駅はごく最近できたので当然新しいです。「平壌まで何キロ」とか書いてあります。

 

 たしか16:35ぐらいについたと思うのですが、帰りが確か17:25分ぐらいの列車です。50分間寒空の下でウロウロして警備兵に尋問でもされたら嫌だなあ、と思っていたのですが、この駅は最近まで一般の韓国人が国境にもっとも近づけるところだった「臨津閣」という観光施設の最寄り駅だとわかりました。200mほどの距離です。  

 

 1988年に団体バスで来たときはここでいったんバスを降りて買い物をして、それから黒人兵(国連軍兵でしょう)がバスに入ってきて仮設の橋を渡り・・・と物々しかったのですが、あそこだ、と気づきました。

 

 ですが何かのん気です。チャチな遊園地があったり、鉄道分断点に蒸気機関車が保存してあって「鉄馬は走りたい」とかかれてある、と聞いていたのですが、これも鉄道連結作業のせいか道路沿いにあり、しかもつながっている客車はレストランになっています。要するに俗化した観光地に成り果ててしまっているわけですね。臨津閣で絵はがきを買いましたが、これも以前買った「板門店」の絵はがきというより、地域のお寺なんかも含めた絵はがきに変わっていました。

 

 昔、非武装地帯に行ったとき使ったと思われる橋(自由の橋というらしい)が仮設の道路橋から鉄道橋に変わっていました。あれ、と思っていると別の橋が向こうに架かっていました。もともと戦前鉄道橋だったのを戦後道路橋にして、また今回鉄道橋にしたのかもしれません。

 

 朝鮮戦争当時の飛行機や戦車が展示してあるのと、遠くで砲弾の音が聞こえるのが国境という感じですが、でも考えてみればこんなところで砲撃の演習していいのか、って気もします。

 

 時間をもてあますどころか足りないくらいで、あたふたと臨津江駅に戻り、帰りの切符を買いました。そこで案内を見ていると、実はもう一駅先に「都羅山」という駅があり、そこまでは手続きをしてツアー用指定列車に乗れば一般人でもいけるということです。急に思いついたので夕方の列車になり、行けず残念でしたが、それより辞書もないのに案内文がほぼ完全に読めたのが嬉しかったです。

 

 帰りの列車はその指定列車になっていたらしく、臨津江の鉄橋を渡ってやってきました。乗客がいます。行儀悪いガキもいて意外でした。意外だらけの臨津江訪問でした。

 

 途中駅でボックス席の隣に同年配ぐらいの男性が乗ってきました。黒くて小さい字の本を熱心に読んでいるので何の本だろう、さりげなくのぞいていたら気づかれたらしく韓国語で話しかけられました。日本から来た、とか韓国語の勉強をしている、とか言うと、大韓民国の国民として感謝します」などと大げさなことを言います。まあ韓国で韓国語を勉強してるというと感謝される、という話を読んだことがありますが、そうなんだな、と思います。

 

 どうもキリスト教の熱心な信者らしく、読んでいたのはどうやら聖書のようでした。で、彼はキリスト教の宣教もやっているらしく、キリスト教のパンフレットを私に渡し、キリスト教の話を始めてきました。こういうときはわからないふり(本当にわからないことも多いのですが)をすればいいので便利です。たわいのない話には答えて、キリスト教の話には「わからないです」といっているうち、彼が降りて、18時35分か45分頃、ソウル駅到着。

 

 地下鉄4号線に乗って舎堂駅で乗り換え、2号線宣陵駅へ。やはり江南地区は観光には不便です。ホテルに帰る途中にあった中華屋で麻婆豆腐飯を食べます。5000ウォン。韓国の中華屋はどうかな、と思ったのですが、普通のにんじんが入っているのは変だったものの、味は○でした。韓国語でおいしいというとやはり愛想がよくなります。