2011年の東日本大震災当時、考えていたことをリライトしているシリーズです。2011年の視点で書いています。こんなこと思っていたんだなあ、と思って読んでやってください。忘れたころに災害はまた来るのでしょうかね?日本は災害列島です。
この30~50年に一回、というのをどう考えるか、ということでしょう。一番極端なのは、三陸海岸はかなり危険性が高いところですから、居住させない、という考えですね。もう一方の極端な考えは、死ぬのを覚悟なら、危険があろうと何であろうともといた場所を復興させる、ということでしょう。おそらくその中間のどこかの線に落ち着くのでしょうが、それがどの線なのか、が難しいところです。
思いつくのは、海辺に住むのはやむを得ないが、高層の集合住宅にする、という案です。3階までは駐車場や作業場とか商店にするとか。それでも巨大津波が来る可能性もありますね。
水害の堤防も、100年に一回の水害のためのスーパー堤防が必要なのかどうなのか、という議論がありましたね。100年に一回の時はあきらめるか、日常の不便や美観を損ねて、多額の税金をつかってものすごい堤防をつくるべきなのか、確かこの議論の時には「いらない」という結論だった覚えがありますが、今回のことで「やっぱり必要」派が勢いを増すのでしょうか。
1960年代から90年代初めの高度成長期・その後の安定期と重なる時期に、たまたま1000人単位が死ぬ大災害が起こらなかったので、日本人は災害を科学技術で克服できた、と勘違いしていた面があるのかなあ、と思いました。ですがこの時期を例外として、(伊勢湾台風から阪神大震災まで36年です。)あとは10~20年ごとに1000人単位の死者が出る大災害は起きています。戦中戦後に4回(愛知2回・福井・鳥取)大地震が起きていて、これは戦中戦後の混乱に伴う被害の拡大もあったのでしょうが、その前にも1920年代あたりは、結構大地震があったようです。
2030年頃までに東南海地震が起きる可能性はかなり高いそうですし、そのときは静岡から高知あたりまで被害が出るでしょう。ある程度の予測はあるのですが、ではどうするか、ということになると、実際なかなか出来ないです。静岡や名古屋のような大都市を動かすわけにもいきませんし。それに神戸のように予測外の地域がやられることも十分に考えられます。
例えば、金沢というところは古都で、古い木造建築があちこち残っているので、昔から豪雪以外の災害がなかったように思ってしまうのですが、実は近くをかなり危ない断層が走っているそうで、大地震が起こる可能性は高い、というのをどこかで見た覚えがあります。
そもそも、日本列島全体がかなり危ないわけで、1万年とか10万年とか言う単位では、「日本沈没」もあながちデタラメではないわけです。「三陸は危険だから住むな」、と日本の他の地域の人がいうとき、ヨーロッパ人からすれば、「日本は危険だから住むな」といわれる可能性を意識しておかなければならない、ということでしょう。
日本は、地球上で新期造山帯・環太平洋造山帯に属していいるのですが、この地域は基本的に地震多発帯で、危険きわまりない、それなら日本人は朝鮮半島や中国大陸・あるいはヨーロッパやアメリカ東海岸にでも総移住した方が良さそうです。でも現実にはそんなことできっこないです。この辺の兼ね合いが難しいのでしょう。