東京オリンピック反対などと言いながらも、結局開会式を見ました。
このオリンピックに限りませんが、入場行進の前後のパフォーマンスは必要なのかな、という感じでした。一生懸命やったのだろうし、演技自体は私にやれと言われてもとてもできる水準のものではありませんので、ご苦労様、とは思いますが。私が入ったら無茶苦茶になるでしょうね。
開会式だけを見るのは、入場行進を見るためです。入場行進はやはり世界の国と人間の博覧会のような趣があります。そういうものへの興味はありますので。アナウンスでその国の紹介がされますが、マイナーな国であれば、意識の端に上るのがこのときぐらいしかないでしょう。数千人や数万人の人口の国もありますから、中には町民運動会レベルの選手もいるのでしょうね。世界の国をできるだけだそう、という方針でこうなっているのだろうと思います。
たしか1984年のロサンゼルスオリンピックで東側諸国のボイコットに対抗するため、かなり小さな属領まで一国扱いで出場させたのでこうなった、と聞いたことがあります。いつものことですが、国によってずいぶん行進の人数が違います。
それが国力やその国のスポーツへの取り組みをしめすバロメーター的なものになっていて、例えばインドは人口の割に出場者が少ないな、とか、オーストラリアは多いな、などと思うのですが、今回は行進の人数をかなり絞ったのかな、と思われる国がありました。どうせならすべての国が旗手と数人で済ませればよかったと思います。興味のある私ですらさすがに200カ国以上が間隔を空けて出てくると、見ているのがきついですね。
橋本聖子氏のスピーチは感極まっている風もありましたが、きれい事言っているけど本当かな、と思いましたし、バッハ会長のスピーチは外国語ということもあって退屈でした。この2人のスピーチで時間が押したそうですね。天皇陛下の開会宣言は簡潔でよかったという評価が多かったですが、立場上ペラペラしゃべるのもよくないでしょうし、まあこんなところでしょう。
菅首相が天皇陛下が開会宣言している途中で促されて立ったのがみっともなかったですが、これに批判が多いようですね。やはり日本人は礼儀にうるさいのですかね。左右両方からの突っ込みどころができてしまいました。ちょっとしたことなのでしょうけど。
まあよかったと思うのはMISIAの君が代、ドローンの地球儀、ピクトグラムのパフォーマンスだったですかね。でも、MISIAという人も40過ぎだそうで、歌はうまかったし、君が代のアレンジもよかったけど、一方でこんな歌い方でいいのか、と思います。普通に歌ったらしらけたかも知れませんし、その他の出演者などもやや若々しさに欠けるかな、とも思いました。
特に聖火リレーの長嶋茂雄氏はかつてのヒーローとは言え、痛々しかったです。高齢日本の象徴のようで、無理に出さなくてもよかったのでは、あるいはごく短距離にすればよかったのでは、と思いました。
聖火の点火も普通で特に趣向を凝らした風でもありませんでした。昔、弓矢で点火したり、水の中で点火したりした趣向がありましたが、あれくらいの趣向があってもよかったのでは、と思いますね。
ピクトグラムのパフォーマンスとプラカードが漫画の吹き出し風なのは悪くないと思いましたが、入場行進の音楽はゲーム音楽らしいですね。私はゲームを全くやらないので何の感慨もありませんでした。この辺は年齢や趣味で意見が分かれるところでしょう。ドローンの地球儀も日本の技術ではないそうですね。
全体を通してなんだか近頃の「紅白歌合戦」を見た気分になりました。時間の長さもそれに近いし、途中ビデオメッセージが差し込まれたり、妙に感動させようとしているのが目に付いたり。1964年の場合、オリンピック開会式と紅白は全然違っていたのでしょうが、今は50数年ぶりのオリンピックも数あるイベントのひとつにすぎないという印象を持ちます。日本はイベントやり過ぎですから、その分感慨も薄れます。
これらのことを考えると、やはり別に東京でやらなくても、と思います。それに国家行事にすべきなんですかね?純民間でできないものでしょうか?
マラソンが札幌で行われると聞いたときは何かでかり出されるのではないか、と危惧したのですが、コロナのおかげか、どうも他人事で終わりそうです。マラソン競技実施日は札幌市内に近寄らない方がいいかな、という程度です。他人事である限り、地球の裏側のリオデジャネイロで開かれようが、自分の国で開かれようが、どっちでもいいのですし、こうして長々批評文を書いているのですから、ある種面白がっているのでしょう。でも自分の税金が使われているんですかね?
開会式は大きな失態もなく、それなりのものになっていました。競技はほとんど見ないと思いますが、最後まで、うまくいくのですかね?