先日現代の北海道においてアイヌの存在感がずいぶん薄く、アイヌ語を聞くこともなければアイヌ料理も容易に食べることができない、という話を書きました。
もうひとつ、北海道において影が薄いなあ、と思うものに「ロシア」があります。いうまでもなく、北海道から一番近い隣国は「ロシア」です。北海道のみならず、日本すべてにとっても最も近い隣国はロシアではないでしょうか?対馬と韓国の間が48キロ、宗谷海峡が42キロだそうです。ですからロシアの方が近いですね。北方領土問題があるので千島方面の国境間の距離を測るのは困難ですが、この地域における距離は北方領土をロシアであるとしても日本であると考えても、もっと短いでしょう。
そういう国なのに、交流が少なく「近くて遠い国」にとどまっています。札幌の町を歩くと、英語・中国語・韓国語の表示はあちらこちらにあるのに、一番近い国であるロシア語の表示がまずありません。小樽や稚内に行くとときどき見かけますが、それぐらいです。まあ、ロシア極東に住む人口がそもそも少なく、日本に観光旅行にやってくるロシア人が韓国や中国に比べるとかなり少ないということなのでしょうが、それでいいのかな、とは思いますね。正直、タイより影が薄いのではないか、と感じることすらあります。
ロシア料理も容易に食べられません。札幌にあるロシア料理店は2~3軒にとどまっているようです。もっとロシア料理が気軽に食べられたらいいな、と思うのですが、ボルシチひとつとってもごくわずかな店を訪れないと食べることができないというのが現状でしょう。
北方領土問題などがあって、それが交流を妨げているのだと思いますが、韓国との間にも竹島問題があるのに交流は盛んです。旧ソ連時代からの名残でしょうか。社会主義というならば中国はいまだに社会主義国ですが、これまた交流は盛んです。平和条約が結ばれていないとか、渡航にビザが必要とか、あれこれ交流を妨げている要因はあると思いますが、その根っこはやはり北方領土問題なのでしょうね。
どうにかならないものかな、と思います。