旅行好きとは言え、世界のすべての土地を回るわけにも行きません。そういう仕事ならいいですが、そういう仕事ではありません。英語が苦手ですし、いつでも自由に旅行できる身分でもありません。勤め人の割には結構休みを取ってあちこちへいったとは思いますが、自由業ではありませんから、限界があります。
世界の果てまで行ってみたいな、と思うのですが、有名で行きやすいところでもいけていないところが多いのに、無理でしょう。ですが、近頃はネットやyoutubeでそういうところの様子を見ることができるようになりました。
大西洋、アフリカと南アメリカ大陸の中間に「トリスタン・ダ・クーニャ諸島」というところがあります。イギリス領で、絶海の孤島。「世界一孤立した有人島」なんだそうです。いちばん近くの有人島であるセントヘレナ島からも2429㎞離れているとか。南アフリカのケープタウンから年に何回か船が通っているそうです。
島にはエディンバラ・オブ・ザ・セブン・シーズという唯一の集落があり、240人ぐらいが住んでいるそうですが、ぜんそく持ちが多いんだとか。土地は公有で、ジャガイモなどを作っているのだそうです。外貨獲得はロブスターの輸出だそうで、日本にも来ているらしいです。
なんとも浮世離れしたところで、こんなところで生まれ、一生を過ごす人生というものはどういうものだろう、と思います。何を楽しみに生きているのか、そんなことを考えずに過ごすのか、食事だってロブスターはあるでしょうが、バラエティーはなさそうだし、テレビも21世紀になってからようやく見られるようになったそうです。病気になっても大変でしょう。それでもそんなもんだ、と思って生きているのでしょうか?
一回訪れてみたいものですが、訪問は極めて困難な様子です。だいたい、家に貼ってある世界地図を見ても、この島のあるところは日本中心の世界地図では端っこで、「凡例」の欄に隠れて記載されていません。
この島の存在をはじめて知ったのは、中学生の時で、当時やっていたBCL関連の本に世界の放送局の住所が載っていて、この島の放送局の住所も記載されていました。一度面白半分に手紙を出してみたことがあったのですが、返信は来ませんでした。
でも、こんなところに生きている人がいるのだ、と思うだけでもなんだか面白いなあ、と思ってしまいます。行く機会はないでしょうが、折に触れて関心を寄せていきたいな、と思っています。