写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

55  立憲民主の社会党化

 衆議院選挙が終わって一週間以上たちました。やや気の抜けた記事ですが、ブログ継続のために不評の政治記事も書いておきます。

 

 自民党はいいところでしたが、立憲民主党が減ったのは意外でした。マスコミ報道では微増という予想でしたから。私の思うところでは、「野党共闘」で保守票が逃げたのではないか、と思います。小沢一郎氏とか、中村喜四郎氏とか、保守色の強い大物が小選挙区で落ちたのはおそらく野党共闘で左派色を嫌った保守層が逃げたののも一因ではないかと思っています。

 

 やはり立憲は共産党とは手を結ばず、国民民主党との合同を目指すのがよかったと思います。「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合という組織が野党4党の共闘を主導したのでしたが、彼らの考える野党の理想と有権者の多くが考えるあり方とが違っていた、ということが大きかったと思います。「市民連合」の人たちはかつての「革新共闘」を夢見、それが国民に支持されるだろう、と夢想していたのではないでしょうか?

 

 連合も共産党との共闘を批判していました。立憲民主党と国民民主党との完全な合同が実現していたらまた情勢は違っていたように思いますが、国民民主党が残り、わずかながら議席を増やしたことは、立憲民主党への失望と旧民主党系がうまくまとまっていないことを象徴することになってしまいました。

 

 結果的に「市民連合」によって立憲には「左派政党」のイメージがつき、また穏健保守的な岸田政権との違いを打ち出そうとして、経済政策よりも選択的夫婦別姓など、左派色の強いジェンダーにかかわる問題が前面に出てしまったことが穏健保守層の離反を招いてしまったのではないか、と考えます。

 

 今の立憲民主党が置かれた状況はかつての社会党の置かれた状況に似ているように思います。かつての日本社会党は、左派に引きずられて現実的な政策を打ち出せず、「1カ2分の1政党制」の「2分の1」政党に甘んじて、ジリ貧に陥り、そして最後は大きく議席を減らす結果になりました。

 

 立憲民主の支持者は高齢者に偏っているそうですが、このままではかつての社会党の二の舞を演じることになるでしょう。枝野幸男氏が辞任し、党首選が行われるようですが、この党の課題は分裂せずにむしろ包括政党に脱皮できるか、ということなのだろうと思います。むしろ自民党の分裂を誘うようでないと、この党が政権を握ることは難しいでしょう。

 

 国民民主は維新との連携に動いている様子ですが、立憲民主にとってはここが正念場だと思いますね。