写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

18  紅白歌合戦の悩ましさ

    昨日も紅白歌合戦の話をしたのですが、紅白って、この30数年の日本を象徴している番組だと思うのです。戦後すぐに生まれ、昭和の高度成長期には大人気番組でした。ですが昭和の終わりから視聴率が低下し始めたわけです。

 

 本来なら昭和の終わりとともになくなるべき番組だったのでしょう。ですがこれに代わり、上回る番組を作り出すことができないので、ズルズルと続けてきたのだと思います。それでも私のように、面白くなくても見てしまう、という一定の視聴者がいるので続けてしまうわけです。

 

 私はもうテレビをほとんど見なくなっていますから、「紅白」でなければ見ないと思います。

 

 今の日本そのものと同じで、もう耐用年数は切れているのに、それを上回る新しいものが作り出せないので、昔のものをズルズルと続けてしまう、という構図です。

 

 紅白を上回る視聴率を稼げる新しい番組ができるか、と考えても、何かのスポーツの大会でもやるぐらいしか思い浮かびません。大晦日の晩に国民的な人気を持つスポーツの大会をやるのかがふさわしいか、というと、どうもそうは思えませんし、私は見ないでしょう。

 

 ジェンダーの視点からも紅白が批判されて、「東西対抗」にすればいいのではないか、という意見も目にすることがあるのですが、東西対抗にしたところで、今度は「外国人はどうするのだ」などという批判が出てくるでしょう。以前から書いているように、私は区別はあっていいという立場ですが、価値観の多様化で、それを認めない人がいて、これまた悩ましい問題です。

 

 すっぱりやめると、どん底に落ちてしまうような気もするし、その可能性が高い、でも古くさい、リニューアルしてもなんだかんだ言われる。こう考えると、紅白歌合戦って、今の日本の悩ましさを象徴している番組であるように思います。

 

 全世代に受け入れられるようなものはもう作りようがないのですから、今のままズルズルと続けていくしかない、今の日本と同じ、というところなのでしょうか。