写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

08  懐中電灯で部屋の隅っこを照らす

   今住んでいるマンションですが、不満が一つあって、寝ている部屋の照明がオフィスのような大型の蛍光灯なので、常夜灯(黄色い豆電球)がなく、夜に電気を消すと真っ暗になってしまうのです。入居当初、管理会社にどうにかできないか、問い合わせたのですが、自分で付け替えて今の照明を保管し、出て行くときに現状回復すれば付け替えてよい、とのことでした。しかし大型の照明なので保管する適当な場所もなく、工事も必要なので、あきらめました。

 

 しかし暗いと不便なので、100円ショップで小型のLED式の懐中電灯を買い、寝床に置くことにしました。夜に必要があるときははこれを使って常夜灯代わりにしょうと思ったわけです。

 

 ということで枕元に懐中電灯を置くようになったのですが、寝床から懐中電灯で枕元やその先に部屋の隅っこを照らして眺めると、これが妙に面白いのです。暗い中で一部だけが明るく照らされるので、細部までしっかり観察することができます。

 

 特に隅っこを照らしてみると、狭い空間が明るく照らし出されて、そこだけがいつもより精細に見えるという、不思議な見え方をします。こういう、暗闇の中で一隅だけが見える、というのはなんだか妙なワクワク感があるのです。子供の頃に「秘密基地」をつくったときのような、あるいは狭苦しいゴチャゴチャした隅っこ感は、ちょっと大げさですが昨日の記事で書いた香港の「九龍城砦」に通じるような魔窟感があります。そこまでいかなくても、いつもの部屋が、ちょっとした異世界に見えるのですね。

 

 自分の部屋を暗くして懐中電灯で隅っこを照らす、それだけでなんだか新しい発見をしたような気分になりました。