写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

86  松江彩雲堂の「若草」

   昨日は金沢森八の「千歳」を食べた感想を書きました。実は同時に、札幌の三越松江彩雲堂の「若草」も買ってきてしまいました。

 

   先日、やはり松江銘菓の「山川」を買って味わった際、松江には「不昧公三大銘菓」というのがあるのだ、ということを知りました。

 

 紅白の落雁「山川」と、今回話題にする緑の求肥「若草」、そして黄色い落雁「菜種の里」というものが、江戸時代中期の松江藩主で茶人でもあった松平治郷(不昧公)好みの三大銘菓だったそうです。どうやらいずれもその後に絶えたものが復刻され、今ではこれが「松江三大銘菓」になっているとのこと。

 

 実は子供の頃、松江の親戚の家に一週間ほど滞在したことがあるので、滞在中、どこかで見かけたのでしょう、これらの菓子の存在自体は、なんとなく知っていました。ですが子供がお土産に買えるようなお菓子ではないので、名前だけを長年記憶の奥底に潜めていただけ、というわけです。

 

 以前の「山川」購入の際、横にあった「若草」にも惹かれたのですが、一度に食べきれませんから、今回出直して購入した、という次第。

 

 昨日の「千歳」に続き、またお抹茶を点てて味わいます。長方形の求肥で、緑色の粉をまぶしてあります。中の求肥もどうも緑色であるようです。春の若草をイメージしてつくられた茶席菓子なのでしょう。鮮やかできれいな緑色をしています。

 

 口に入れると、さらさらほろほろ、口の中に粉が広がります。求肥は「千歳」ほど粘り強くありません。甘さも「千歳」より控えめかな、と感じました。

 

 しかしお茶菓子としては、正直なところ、「千歳」より気に入りました。品のよい穏やかな甘さで、抹茶に非常によく合います。ちょっと金沢、森八贔屓としては悔しい気もするのですが、味そのものはこちらの方が私好みなのです。

 

 例によって原材料を記しておきます。砂糖(国内製造)、米、麦芽糖、砂糖結合水飴(そんなものがあるのでしょうか?)、米粉、水飴 /着色料(黄4・黄5・青1)とのこと。穏やかな甘さは麦芽糖ですかね?着色料を使って緑色を出しているので、この手のものが嫌な人は気になるかも知れません。ヨモギを使って緑色を出している限定品も一時販売されていたそうです。

 

 こうなると、松江三大銘菓の残り一つ「菜種の里」も味わいたい気がしますが、どうも札幌の三越では取り扱っていないようで、見かけたことがありません。それと、「千歳」「若草」と求肥系のお菓子を2つ食べたところで、では「日本三大求肥なるものは存在するのか、という疑問にぶち当たります。

 

 調べて見たところ、熊本の「朝鮮飴」や岡山の「きびだんご」求肥の一種だそうです。この2つとも実は好きなお菓子なので、どちらも捨てがたい。ということで、この時点で4つ。他にもあれこれありそうなので、なかなか「三大求肥」というわけにはいかないようですね。