写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

25  FM福岡「玄海灘に架ける橋」

  今日書く記事は、久々の韓国関係なのですが、大昔の話です。韓国歌謡といえば、今やK-POPとよばれ、日本でもBTSを筆頭としてよく知られるようになりました。ですが私の若かった頃、特に1980年代前半までは、「私だけが知っている」の世界でした。

 

   当時一部の好事家や在日韓国人界隈以外の人たちは知らない世界でしたが、韓国歌謡の情報源として、韓国KBS国際日本語放送「ラジオ韓国」がありました。現在でも「KBS WORLD RADIO」として放送が継続されており、看板番組の「玄海灘に立つ虹」という番組は健在です。この番組については韓国通の方ならご存じでしょう。

 

  ところが、今から40年ほど前、1981~82年頃にかけて、日本のFM福岡玄海灘に架ける橋」という、非常にタイトルの似た番組が存在したことをご存じの方は少ないでしょう。

 

 当時野球中継が嫌いな私は、国際放送とFM放送のラジオをよく聞いていたのですが、特にFM福岡の番組は全番組制覇したことがあるのではないか、と思うくらいよく聞いていました。

 

 この「玄海灘に架ける橋」という番組は土曜日の朝8:00から30分間やっていた番組でした。当時は中学生で、週休2日でもありませんでしたから、通常、土曜日朝の放送を聞くことはできません。夏休みに1~2回、後は冬に、自分がインフルエンザにかかったか、学級閉鎖になって土曜日休んだときに聞いた、という程度で、翌82年にはなくなってしまいましたから、合計しても、数回聞いただけです。

 

 数回聞いただけなのですが、確か大韓航空の提供で、かかる曲は「ラジオ韓国」でかかる最新ヒット曲ではなく、60~70年代と思われる懐メロ曲でした。DJは戸川悦子さんという方だったようです。

 

 夏休みに聞いた時には、キム・サンヒの「暑くていやよ」という曲がかかったのを覚えています。このとき録音した曲目を探したら出てきたのですが、ナ・フナの「愛は涙の種」、オニオンスの「愛を誓いながら」、あとはイ・ミジャとペク・ソルヒの「哀愁のセレナード」と「青春の告白」という曲がかかったようです。冬に聞いた時には風邪で寝込んでいたのか、記録がありませんが、確か、日本ではザ・ピーナッツが歌った「情熱の花」の韓国語バージョンがかかり、興味深く聞いたのを覚えています。

 

   当時の新聞やFM雑誌では、番組で放送される曲が事前に掲載されていましたが、この番組に関しては「韓国音楽」と記されているだけで曲目の事前掲載はありませんでした。当時の知識では韓国の歌手名をあまり知らなかったので、一度、放送局にかかった曲の問い合わせのはがきを送ったことがあるのですが、返信は来ませんでした。

 

 この番組が終了したのちも、たまに早朝6時からの「FMモーニングコール」という番組でこの番組と同名の「玄海灘に架ける橋」という韓国歌謡をかける企画が数回あったようで、何度か聞いたのを覚えています。

 

 当時、この番組が日本で韓国歌謡を聴くことができる唯一の番組である、というのをどこかで聞いたことがあります。FM福岡に記録や当時の放送テープが残っているのかどうかはわかりませんが、ネットを検索してもこの番組について記述されたものが出てきませんでした。また、当時の韓国についてご存じの方も、ローカル番組だったため、この番組についてご存知の方は極めて少ないと思われますので、私が書くことにも意味があるかと思い、こうして一記事書いてみました。