写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

02  釧路の街と釧網本線(2022年4月29日) 

   釧路駅について、待ち時間が1時間ほど時間がありますので、釧路の町を見物。

 

 といっても、時間がないので幣舞橋まで往復しただけです。曇っていて薄ら寒く、北海道独自の街頭広告放送が空しく流れているだだけです。目抜き通りであるにもかかわらず、人影はほとんどなく、店もしまっていてシャッター通りと化しています。

 

 仏壇屋は営業していましたが、いちばんはじめに潰れそうなのにこういう商売は意外と生き残ることができるようで、不思議に思います。

 

 駅前で昼ご飯を食べられそうなところも見当たりません。もっとも、探して昼食を食べるほどの時間はありません。幣舞橋のところに気温が表示されていましたが、確か9度だったと思います。幣舞橋のたもとに「MOO」という商業施設があるのですが、やっているのかな、という感じでした。先ほど調べたらやっているようでしたが。とにかく活気のない町だなあ、という印象を持って駅に戻ります。 

 

 駅は立派だったものの、薄ら寒く、活気のなさそうな釧路の町でしたが、駅に戻ります。「かきべん」という駅弁を買って、14:14発の釧網本線の列車に乗ります。この線は未乗でした。

 

 ところが、釧路の町をウロチョロしているうちに、列車(といっても一両編成)が入線していたらしく、ホームに行ってみるともう結構な客が乗っています。失敗しました。車両はステンレスのキハ54。普通ですが、座席は転換クロスシートです。窓側は埋まっていて、やむを得ず進行方向左側の通路側の席に座りました。これでは駅弁も食べられません。しばらくすると満席になり、立っている人もいたと思います。

 

 普段はガラガラなのでしょうが、ゴールデンウィークと言うことで観光客が多数乗るのでしょう。こういうときは2両連結にすればいいのに、と思いますが、JR側にそういう余裕がないのでしょうね。

 

 こちらは未乗線区の景色を眺めに来ているのに通路側の席です。ところが窓際の席でも、本や携帯を見て外を眺めていない人がいます。それぞれの自由ですが、こちらの身としては、それなら窓側譲ってよ、と勝手な思いを抱きます。もちろん口には出しませんが。

 

 出発。景色が見にくいのですが、それでも全く見られないわけではありません。釧路湿原を走って行きます。5月ですが、雪こそ融けているものの、一面の枯れ野。薄ら寒そうだし、これでは「ノロッコ号」のトロッコ車両に乗っても寒かっただろうな、と思います。

 

 私の後ろに乗っている、観光客らしき老夫婦がいたのですが、この奥さんの方がめざとい人で、後ろから「鹿が川に入っている」とか、「丹頂鶴がいる」ということを言います。言われて覗くと確かに鹿や鶴がいます。私は目が利かないので、このおばさんの声を聞かなかったら、丹頂鶴がいたことなど気づかなかったでしょう。

 

 標茶で結構降りるかな、と思ったのですが、ここでは乗降客は少なく、摩周駅で、ある程度の下車がありました。ここで進行方向右窓の席が空いたので、そこに移ります。川湯温泉でも客が降り、少し余裕が出ます。ということで、ここで駅弁を食べました。外には残雪が少しあります。

 

 分水嶺を越え、網走側に入ると、それまでどんよりとしていた空が晴れてきました。広大な畑が見え、釧路では見かけなかった、桜の花が咲いています。網走側の方が明るくて気候がいいのか、と思います。 

 

 斜里を過ぎると、オホーツク海に沿って走ります。進行方向右側なので海が見えます。雪を載せた知床連山も遠くですがよく見えます。先日船の沈没事故があったので、それを思い出してしまいますが。

 

 網走市内に入ると、立派な道路が並行します。釧路もそうでしたが、網走も市内に一部高架区間がありました。17:17に網走到着で、釧網本線に完乗しました。