写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

13  宗谷岬(2022年5月3日)  

 稚内に着きました。数年前に新築され、新しい白い建物になっています。ですがホームは一面一線。どうも宗谷線廃線を見据えてつくられた駅舎らしい、という噂で、駅は隅っこに間借り状態。実質「道の駅」という感じです。旧駅舎はもう少し奥にあったようで、駅舎内から外にかけて、線路が駅舎内の床や道路の上にそのまま残されていますし、その先もかつての線路の跡を示すタイルが延びています。

 

 とりあえず稚内港の先にある、北防波堤ドームを見に行きます。やはり最北端だけあって曇っており寒いです。そんなに長い間見ている気にもなりません。以前出張したとき泊まった稚内全日空ホテルは名前が変わっていました。駅に戻り、駅舎内のバスターミナルで宗谷岬行きのバスの切符を買います。現金払いでもいけるのでしょうが、切符を買っている人を見かけたので、私も買います。往復切符を買うと、多少割引になるようでした。

 

 13時頃にバス停に行くと、もう20人ぐらい並んでいました。おやおやと思います。風が強く、パンフレットを風で飛ばされている人もいて「お恥ずかしい」などといいながら道路上に出て拾っています。バスが来ましたが、小型の路線バスで、私の前にも後ろにも多くの人が並んでいますからギューギュー詰めになります。私は通路側の椅子に辛うじて座れました。13:20発。

 

 ですが大混雑ですから、バスの乗降に支障が出ます。降りる一般客が降りられません。すると関西弁のおっちゃんが大声で「一回降りればええのや」とかいって、何人かの客がバスから降りて降車客を通します。その後バスが降車客を降ろすたびに、同じような光景が繰り広げられました。外はくもりでしたが、雨が降り始めました。せっかく来たのに、おやおやと思いますが、この時期の宗谷岬周辺はこんなものなのかも知れません。

 

 50分ほどかかり、宗谷岬14:10着。宗谷岬は気温が4度でした。小雨模様なので、「最北端の碑」のところまで行ってちらっと見た後、後方の丘の途中にあった展望台へ行きましたが、廃業してしてしまっています。その他も廃業している店がいくつかありました。一応、丘の上にも上り、いろんな碑を見ますが、雨模様で風も強く、ゆっくり碑文を眺めているわけにもいきません。全体的に新しい碑が多いです。大韓航空機撃墜事件の慰霊碑がひときわ目立ちます。

 

 丘の上から水平線上にかすかに黒いものが見えました。サハリンかな、と思いますが、この天候で見えるのかな、とも思います。雲の切れ間だったのかも知れません。

 

 雨風をしのぐ場所がないかと思 いますが、近くのラーメン屋に入って食事をするほどの時間はありません。丘の上の旧海軍の望楼に登って、そこの右下あたりの場所が、風が吹き込まず、雨風をしのげるので、そこに立ち尽くしていました。

 

 いつまでもそんなところにいるのもどうなのか、と思って、バス停に行きますが、15分以上前なのに、もう既に30人以上並んでいます。薄着の若い男性がいて、こんな格好で大丈夫だったろうか、と思います。

 

 14:55にバスが来ましたが、少数ながら既に乗っている客もいましたし、今度は座れず立席です。これが最終便のようで、見過ごすわけにも行きません。足腰がよくないので、大丈夫か、と不安になります。ですが覚悟して乗ったせいか、50分も乗っていたのに、意外と大丈夫でした。15:33稚内バスターミナル着。

 

 バスターミナルに着くと、マスクがビショビショになってるのが気になります。駅併設のバスターミナルの奥にセイコーマートがあり、そこでマスクを買い直しました。