写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

80 「保守」と「革新」の意味合いの変化

    このところ感じていることなのですが、自由民主党立憲民主党・国民民主党社会民主党(風前の灯火ですが)の4党が、曲がりなりにも党内民主主義手続き的なシステムを持つ既成政党です。偶然か必然か、この「民主」とつく既成系の4党が、従来型の民主主義を守るという意味では保守政党なのだろうと思います。

 

 これに特殊な組織原理を持つ公明党共産党という2つの既成政党があります。この2党は一般的意味での党内民主主義をもっている組織ではありません。ただ、両党とも長年存在して多少は穏健化、あるいは世俗化と言い換えてもいいのかもしれませんが、現在の民主主義社会になじみつつあります。それでも複数の候補者による党首選が行われたというのを聞いたことがありませんし、党内民主主義が機能しているか、というと疑問を持たざるを得ません。

 

 そして維新の会・れいわ新選組NHK党、あるいは参政党がこれに加わるようになるのかもしれませんが、これらは何らかの意味で現状打破勢力です。対象は違っていても何かをぶち壊したい、やり込めたい、という志向を感じます。あるいは程度の差こそあれ、既成の民主主義に挑戦しようとしているかもしれません。そういう意味では新興勢力=「革新政党なのでしょう。

 

 「保守・革新」の意味合いがかつての「左翼・右翼」とほぼ重なっているという状況から変化しているのと同様に、「与党・野党」の意味合いも変わってきているのだろうと思います。「与党=右、野党=左」ではなくなり、自民党に右から刺激を与えていく、例えばいつまでたっても憲法改正に踏み切らない自民党、中国韓国に微温的な自民党をピリッとさせたい、という意味での「野党」支持者が今増えているのだろうと思います。

 

 ですから「野党が増えたほうが良い」という層はイコール自民党より左寄りの政党を支持しているのではない、ということでしょう。これが「野党が増えたほうが良い」が増加しているのに立憲民主党以下の既成野党が振るわない原因なのではないでしょうか?その意味では維新を筆頭とした新興政党の動向に注目せざるを得ません。 

 

 ただ、先に挙げた新興政党は、鉾先や次元が違っていても何らかの形で既存秩序を壊す非倫理的な性格の強い党でもあるように思います。維新に不祥事が多いのは、支持層も倫理に無頓着だからまかり通るのでしょうし、れいわ新選組選挙制度の盲点を逆手にとるような立候補のさせ方も感心しません。また、彼らはどこまで本気で日本経済のことを考えて政策提言をしているのか、強い疑いを持ちます。NHK党の主義主張はともかく、やっていることははおきて破りの連発。眉を顰めるような行動が目立ちます。

 

   今回新たに議席を得た「参政党」も含めて、こうした新興政党が今後どう動いていくのか、ウォッチしていきたいと思っています。