最近、毎日新聞を読む機会があったのですが、村上誠一郎氏のインタビューが載っていました。この人は、自民党内ではもはや異端に近くなったリベラル派ですね。時々他紙にも党内異論分子としてインタビュー記事が載ることがあります。昔の大平・宮沢派、あるいは三木・河本派などにはもっとこういう議員がいたのだろうと思います。村上氏は選挙地盤が強いのでこういう独特の立ち位置で政治活動をすることが可能なのでしょう。
昔は自民党にも、もっとこういう「ハト派」の政治家がいたものですが、清和会全盛の自民党では目立たなくなりました。ですが安倍元首相が死去し、統一教会の問題がクローズアップされる中、自民党内の力関係にも変化が生じるのかもしれません。まあ、統一教会の影響力がどうなろうと、日本会議などは健在ですから、どうなるかわかりませんが。
岸田首相自体、核廃絶問題に妙に熱心で、外相が行けばそれで済むというNPT再検討会議にわざわざ行ったりするところをみると、どこまで本気なのかわかりませんが、そういところを見ると、やはりリベラル派、岸田政権の登場はやはり自民党お得意の擬似政権交代的な要素があるのかななあ、と思っています。
もっとも、自民党内のリベラル派の首相が党内力学の関係で、保守的な行動に出ることもしばしばあるのが自民党です。古くは1975年、終戦記念日に初めて靖国神社を参拝したのが党内左派の三木武夫首相であったように、保守派への配慮、ということも自民党内の政治力学の結果だったのでしょう。
今回の参院選で自民が勝った、というより、立憲民主が負けたのは、自民党がソフトイメージに転換したことがあったのではないか、という見立てを見かけました。さて、今後の自民党はどういう方向に向かっているのでしょうかね?