写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

11  「路面電車無料デー」に札幌市電を一周する(2022年9月19日)

 このところ、札幌の路面電車が月数回、休日に路面電車無料デー」というのを実施しています。利用促進の取り組みなのでしょうか?

 

 私は初めて札幌に来たとき、路面電車で当時の営業区間だった西4丁目~すすきの間に乗りました。あとは大学生の時、友人と藻岩山に行くロープウェイに乗るために利用したり、市立図書館に行く用事があったときに利用したことなどがありますが、札幌の路面電車は私が普段用事のない山鼻地区を通るため、沿線に特別の用がない限り乗車することはありません。沿線に住居や職場などがある人以外はみなそうでしょう。

 

 2015年に札幌駅前通りの西4丁目~すすきの間が延伸され、環状線になりましたが、このあたりはよく通るものの、地下鉄や地下街もあるので、路面電車に乗る機会がなく、未乗でした。よく見かけるので、いつか乗ろう、と思いつつ、いつでも乗れるので結局乗らずじまいで過ごしていました。

 

 ですがいつまでたっても乗る機会がないので、この「無料デー」の機会に乗っておこう、と思ったわけです。

 

 ということで、9月19日の午前中、札幌の中心部に出ました。西4丁目の駅まで行って、「外回り」の電車に乗ります。電車が来ました。新型の電車です。先日バリアフリーのあり方に文句を書いた記事を載せましたが、この電車も低床式です。中央部は低床式のロングシートで車端部は一段高くなっています。

 

 無料日だったので乗客が多かったのですが、大通に近い西4丁目で客が入れ替わるので、車端部のロングシート席に座れました。この区間、「サイドリザベーション方式」といいます。通常、路面電車の線路は道路の中央に敷設されていますが、延伸区間であるすすきのまでの区間は、歩道側に線路が敷設され、内回り、外回り線の線路が大きく離れています。この区間が珍しく、また未乗区間であったので、最初に乗ってみました。

 

 大通りとすすきのの中間地点に「狸小路」という駅が新設されていました。で、すすきの交差点を曲がってすすきの駅からはまた道路の中央に線路があります。

 

 これから循環線を一周するわけですが、無料デーと言うこともあって混雑しています。普段でもこの程度は乗るのかもしれませんが、子供連れや市電試乗らしき老夫婦も見かけました。もともとロングシートで、混んでいますので外は思うように見えません。

 

 日本の路面電車は圧倒的にロングシートが多いです。ロシアのハバロフスク市電は片運転台のクロスシートでしたが、これは終点部がループ線になっているから可能なのですね。ロシアと違って日本の場合は、終点部にループ線を作る敷地がなく、折り返し運転をするので、両運転台、ロングシートになってしまうのでしょう。

 

 町並みそのものは、札幌にありがちな風景で、時々市電が走る旧市街らしい小さな古い商店などを見かけるものの、マンションやビルが多い町並みです。途中、市電営業所前で運転手が交代しました。ここの手前で車庫に伸びる線路が分岐します。鉄オタの性なのか、こういう分岐線に興味を惹かれるのです。

 

 混雑したままで路線を一周し、西4丁目で降りようかな、と思ったのですが、せっかくなのですすきのまで乗り通しました。もちろんお金を払わずに降りましたが、この新型車両、運転席と料金箱が離れており、運転手が料金収受をするとき不便そうです。この日は料金収受をしていませんでしたが、通常時はいちいち運転席を離れているのだろうか、面倒くさそうだな、と感じました。

 

 これで一応「全線完乗」となったのですが、しかし駅前通りの延伸区間は先ほど書いたとおり「サイドリザベーション方式」で外回り・内回り線が大きく離れています。そこで内回り線はどんなものか気になって、再度、内回り線に乗ることにしました。

 

 すすきの駅で電車を待っていたら、今度は丸っこい旧型車です。路面電車は長命の車両が多いですが、この車両も相当の長命でしょう。細長い車両で入口にステップがあり、車内の床は平らで座席数もロングシートながら多そうです。バリアフリーにはなっていませんが、やはり旧型の方が一般人にとっては乗り心地がいいな、と思ってしまいます。

 

 この電車で駅前通りを札幌駅に向かって左側の道路端に敷かれた内回り線を走ります。西4丁目まで乗ればいいのですが、内回りの西4丁目駅は延伸の際に駅前通りに移設され、外回りの駅とは少し離れています。そこで、西4丁目を過ぎ、角を曲がって次の西8丁目まで乗りました。延伸部の角の部分が「未乗」になるのを防ぐためですが、我ながらつまらんこだわりだなあ、と思います。

 

 で、西8丁目で降りたら雨が降ってきました。地下街の入り口まで濡れてしまいます。つまらないことにこだわったので、バチが当たったのかもしれません。