写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

29  モノを捨てられない私

   私はモノを捨てられない人で、何でもかんでもとっておいています。旅行先でのパンフレットや入場券の類はもちろん、買った本も捨てられません。「本は捨てるモノではない」という観念があって、どうにも捨てられないのですね。他にもなんでもかんでもとっておく癖があります。2つ3つ違った種類のモノを入手すると、コレクションしたくなります。根に収集癖があって、何でもかんでもコレクション的にとっておいてしまうのですね。

 

 私は犯罪につながる盗癖やわいせつ癖、あるいは酒癖の悪さはありませんが、この収集癖だけは病的です。勉強できるわけもないのに、10カ国語近くも本を買って付属CDを編集して流し続けている、というのもこの収集癖のなせる業でしょう。

 

 そういう人ですから、家にはモノがあふれかえっています。以前住んでいた田舎の家は、小さい家だったので、かなり悲惨なことになっていました。木造だったので、本気で本の重みで床が抜けないか心配していたものです。

 

 今の家は鉄筋コンクリートのマンションですから、そういう心配もなく、また、以前の生活に懲りて一人暮らしとしては大きめの家に住んでいますので、以前よりはマシになっています。それでも家賃はそれだけ高くなるわけですし、もう少しシンプルライフにならないものか、と考えたりします。

 

 ですが、先日五木寛之氏の「捨てない生き方」という本を読んで、やや気が休まりました。モノには思い出はまとわりついているのですね。それを愛おしむことで、楽しめると言うことがあるものです。「モノに囲まれている生活では孤独を感じない」という主旨のことも書いていありましたが、ひとり者としては、確かにそうかもしれないなあ、と思います。老後、今までため込んでいたモノを整理して、あれこれ思い出に浸る、そういうことを夢見て今までため込んでいたようなところもあります。

 

 本当にそういう生活ができるのか、広い家に住めなくなるのではないか、なんて心配もないではありませんが、考えてみればモノをとっておける家に住めると言うだけでも、幸せなことのように思います。老後本当にそういう生活ができるのか、できればいいなあ、とおもいつつ、でもできなくなるかもなあ、不安症でもある私は思ったりするのです。因果な性分ですね。