写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

23  町議選は難しい

    今年の春に統一地方選挙があります。まだ冬なのに、早くも立候補予定者が駅で挨拶をしていることがあります。

 

 以前、田舎町に長く住んでいたことがあります。いろいろな選挙がありますが、町議選というのはいつも誰に入れたらよいか一番困る選挙でした。一番身近なはずが一番わからないのですね。無投票になるのか選挙戦になるのかもわかりませんでした。

 

 立候補者が出ても、誰がどんな政策なのかさっぱりわからないのです。選挙公報もなく、政党色もありません。政党色もなく、だいたい共産党公明党の候補が一人ずついるだけ。残りは無所属で、保守系かリベラル系かすらもわかりません。そもそもそんな見識があるのか、吟味すべき政策があるのかどうかも疑わしいのです。

 

 さらに、地域や各種団体から推されての代表的な存在だったのか、そうではないのか、そういうことすらわかりませんでした。

 

 以前ある大学教授が、地方議会も比例代表制にすべきだ、と新聞で言っていましたが、こんな田舎町では現実性がないですし、無投票に終わったこともあり、地方選挙も形骸化しつつあるのかなあ、と思いました。

 

 町議選の場合、地元で生まれ育った人は地域の人間関係で投票する人が決まっているのでしょうが、私は転勤で田舎町に住むことになり、しかも人付き合いが悪いのでほとんど誰も知らない。そして知人がほとんどいないので誰かに投票してくれ、と頼まれることもありませんでした。

 

 数少ない手がかりは、「議会だより」で、これをを見て余計な質問やトンチンカンな質問をした議員は覚えておいて入れないようにしていましたが、その人を除いても残りの誰を選べばいいのかさっぱりわかりませんでした。

 

 でも、私はこだわりが強いので、選挙には必ず行くことにしています。町議選も選挙ですから、誰がいいかわからなくてもとにかく行くことにはしていました。

 

 一度こんなことがありました。投票所に行って立候補者を見てびっくり。まああの人ならいいか、と思って自分が入れようと思っていた人が引退していて候補者名簿にのっていなかったのです。焦りました。ポスターをよく確認していなかったのです。記載台で固まってしまい、どうしようか相当逡巡しました。まあいつまでも書かないと不審に思われるので、エイヤッととりあえず書いて入れました。こんな選び方をしたのはこのときだけです。

 

 このときは期日前投票だったのですが、帰りにトラックの荷台に乗って連呼している候補者もいました。歩いているときに正面からかち合うとどうもきまりが悪いです。帰り家に帰る途中の大通りで選挙カーが向かってきたので、遠回りしたら、家の前の脇道に入ってきて結局鉢合わせ。無視しましたがなんだかなあ、と思います。入れる気なくても手を振って「ありがとうございます」といってもらった方がいいのですかね?

 

 子供の頃は市会議員の選挙が一番賑やかなので面白がっていましたが、大人になるといちばん困る選挙になってしまいました。いちばん身近な選挙のはずですが、結果を知るのもネットやマスコミの速報がないので翌々日の新聞となり、一番遅く、変なものだなあ、と思っていました。ネットで韓国や台湾の選挙速報も見られる時代なのに。

 

 長いこと暮らしているのに地域と関わりを持たないからだ、とか言われそうですけど、さりとてしがらみがいろいろ出来るのも嫌でした。ただ、政治が自分にとって身近なものになっていなかった、というのは確かでしょうね。

 

 今住んでいるところは都市部なので田舎に比べると政党の公認を受けて立候補する人が多いようです。田舎の町議選よりは選びやすいでしょうが、実際のところ、どうなのでしょうかね?