実は先日、非常に高かったのですが、ウナギへの思いやまず、ついに数年ぶりにウナギを食べに行きました。私はあれこれ記録しておく性癖があるのですが、どうやら最後にウナギを食べたのは2017年の夏のことだったようです。もう7年も食べていません。そのときも相当覚悟して食べに行った覚えがあります。
1990年代までは容易にウナギが食べられましたし、家でも夏場は近くの生協で国産ウナギを980円ぐらいで売っていましたので、連日食べていました。大阪にいたときは「500円ウナギ」の店があり、行ってみたことがあるはずです。
でも、ウナギ稚魚の不漁で手の届かないものになってしまいました。ですがもともとウナギ好きなので、今年こそは、と思い、覚悟を決めて食べに出かけました、というわけです。行った先は札幌の大丸の上にある「宮川本廛」という店でした。ここは7年前にもいった店です。
正直、庶民の行く店ではありません。3000円ぐらいは覚悟していたのですが、「土用のおすすめ」というのが一番上の「梅」に肝吸いとお新香がついて梅と同じ4840円だというので、この際ですから思い切ってこれにしました。30年前の大阪の店の10倍です。多分宴会の会費などを除けば、自分史上最高値の外食です。この店はなぜか松竹梅のなかで「梅」が一番高いのですね。普通反対だと思うのですが。
私ぐらいの収入で家族持ちであればこんな店に入ることはできないでしょう。独身だからこそ、数年に1回とはいえ、入れるわけで、独身でよかったなあ、と思ってしまいます。
注文を受けてから蒸すそうで、「30分かかります」といわれて待ちます。待っている間、携帯をいじっていたのですが、充電を忘れて電源が切れそう。ということでずっと携帯いじりもできません。
仕方ないので、他の客を眺めていたのですが、横の客はどうやら韓国人の老夫婦。他の客も老夫婦やひとりの老人です。おそらく年金暮らしと思われる年齢なのに、財産所得でもあるのか、うらやましくなります。私など、退職後にこんな店には行けそうもありません。
30分以上待ってようやくやってきました。早速食べます。いつもは早食いの私ですが、さすがに30分も待って、高価ですし、ガシャガシャかきこむわけにもいきません。隅っこから少しずつとって一口ずつ食べます。ほんわりふわふわしたウナギで、タレのかかり方もお上品です。
もちろんおいしいのですが、まあ4840円も取ってマズかったら許せませんね。ただ、お上品な分、焼いた香りはあまりしないかなあ、という感じでした。
山椒があったのでちょっとかけてみます。7年前にはうっかり大量にかけてしまい、せっかくのウナギが山椒が強すぎて台無し、というほどでもありませんが、あれあれ、ということになった覚えがあるので、これまた慎重に。
私には珍しく、少量ずつ、じっくり味わって食べました。
ウナギと言えば、焼いたいい香りのするうな丼をかきこむ、というのも魅力的な食べ方なのですが、どうも昨今の状況ではそういうチープな食べ方をすることはできません。また食べる機会があっても、こういう食べ方をせざるを得ないでしょう。
お勘定の時、一万円を出したら、おつりで初めて5000円の新札をもらいました。ピン札でしたし、高級な店なので、わざわざ用意していたのかもしれませんね。
これからの人生でまたウナギを食べる機会があるのかどうかわかりませんので、こうして記録に残しておきます。