石破内閣が発足しましたね。
ところが総理就任前に衆議院の解散を明言。かなりびっくりしました。早期の衆議院解散は総裁選で小泉進次郎氏が言及していましたが、石破氏は否定的だったはずです。ご祝儀相場で支持率が高いうちに選挙をした方が勝つ可能性が高い、という、森山幹事長あたりの意向らしいですが、前言撤回というか、ブレる、というか、早速がっかり。前の岸田内閣もこの手を使いましたが、またか、という感じですね。今回自民党が勝ったら、この手法が恒例化するかもしれません。
内閣のやることに対する評価としての選挙は、本来ある程度の期間が経ってからするべきものです。もっというなら安易な解散は本来避けるべきです。何もしないうちから、というより総理就任前に解散を表明する、というのは、野党の言うように違憲の疑いがあるとまではいいませんが、私は正直がっかりしました。
内閣の顔ぶれに対しては、「非主流派在庫一掃内閣」だとか、「お友達内閣」などといわれています。私は大臣個々の経歴や識見などをすべて把握してませんが、印象的にはまあまあかな、といったところです。
自民党内のリベラル的異端派だった村上誠一郎氏を重要閣僚の総務相に就けたことを批判する向きがありますが、安倍色からの脱却を目指しているのかな、と思い、私はあまり違和感は感じませんでした。
ところが気になる人事が2つあります。一つは林芳正官房長官。岸田内閣からの留任で、能力的には問題ないのでしょうが、官房長官というのは、普通は総理大臣と気脈を通じた、女房役とでもいうべき人物が就くことが多い職です。普通は同じ派閥内の大番頭的政治家か、派閥の後継候補と見込んでいる人物を当てることが多いと思います。岸田前首相にとって林氏は後継者的な立場にあり、セオリー通りでした。
ですが石破氏にとっての林氏は、総裁選で争った仲です。こういう人事は見たことがなく、違和感を感じています。これが「脱派閥」の新しい形なのかもしれませんが、石破氏は信頼出来る腹心がいないのか、と感じてしまいます。
もう一人は三原じゅん子子ども政策担当相。彼女がタレント出身だからというより、石破内閣のカラーと相容れないように思うからです。もっとも、総裁選で石破氏支持に回ったそうなので、論功行賞的意味合いがあるようです。
タレント時代の「ツッパリ」イメージは役柄からくる虚像だとしても、昔、暴行事件で逮捕されたことがありました。大昔の話で尾行したカメラマンに対するもので、関与は薄くて起訴猶予処分になったそうですが、それでもどうかと思います。そして、奔放な私生活をしていた、というイメージもあります。
政治家としても、国会での「恥を知りなさい」発言や、「八紘一宇」を持ち出す発言など、攻撃的で首をかしげる発言が目立っていました。
どちらかといえば、自民党内の「ヤンキー右翼」的なイメージに通じる人物で、参議院の比例区ならそういう人の代表、という見方もできるのでしょうが、このところは神奈川選挙区選出で、神奈川の人は違和感を感じないで投票していたのだろうか、と疑問を感じていました。ある意味、高市政権なら違和感がなかったかもしれないですが、石破氏の内閣に入るのかあ、という疑問を感じるのです。
正直、重要閣僚を任せることはできないので、「子ども政策担当相」に収まったのでしょうが、これまた違和感を感じるポストで、この人に子どものことを任せるのかよ、と思います。お飾り大臣なのかもしれませんが、それなら子ども政策は重要ではないのかな、と思ってしまいますね。
前言を翻しての早期解散と疑問を感じる人事で、石破首相にはがっかり、というところです。私個人はこういうことなら岸田政権のままでよかったのではないか、と思うくらいです。でも選挙で自民党が負け、責任を問われた場合、石破政権は異例の超短期政権になりますし、また、立憲民主党に単独政権を樹立出来る力があるとは思えませんので、下手をすると政局がカオスになります。大丈夫かな、と思います。
私はたった一票しかありませんが、悩ましいところですね。
