写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

21  韓国尹錫悦大統領の非常戒厳宣布とその解除について思ったこと

    韓国の尹錫悦大統領「非常戒厳」を宣布したものの、6時間で解除になったということでした。

 

 だいたい私、この夜、早く寝ていて、朝起きたらスマホで「宣布」ではなく、非常戒厳「解除」の一報を見て「いきなり解除とは何のことだか」と思いながら出勤し、職場で新聞をちらっと見てことの成り行きを知り、家に帰ってから改めてネットで韓国の新聞を見て詳細な事情を知った、という次第です。日本の新聞でも一報を載せていたのは読売新聞だけでしたね。あとの新聞は間に合わなかったのでしょう。

 

 朝、一報を見た段階では、北朝鮮との何らかの軍事衝突でも起きたのか、あるいは北朝鮮がらみの安全保障上の危機情報があって予防措置をとったのか、と思いましたが、そうではなくて、どうやら尹錫悦大統領が国会の野党優勢のなか、国政が思うように行かないことに業を煮やして非常措置をとった、ということだったようです。

 

 しかし深夜に国会で解除決議がなされ、結局6時間で解除とか。一体尹大統領は何らかの成算があって戒厳措置をとったのか、私には血迷ったとしか思えませんでした。どう見ても「反国家勢力の体制転覆」の状況とは思えません。「野党が国政をマヒさせている」という思いが強まって「内乱状態」「国家転覆」に至るまで思い詰めてしまったのでしょうか?

 

 検事出身で法律に精通していると思われるのに、冷静さを失って、なんでこんな杜撰なことをやったのかな、と思います。

 

 国会で野党が過半数のため、政府高官の弾劾が22件もあったり、予算の削減などもあったそうで、それに業を煮やして非常措置をとったようですが、軍事政権時代ならともかく、今の韓国でこんなものが通用するとは思えません。野党はもちろん、与党からも解除決議に賛成した議員が出たということでしたし、与党代表も非常戒厳には反対していました。与党にも相談がなかったようで、これでは元も子もありません。

 

 野党が内乱を画策しているとのことでしたが、むしろ自分が上からのクーデターを画策したとさえいえるのではないでしょうか。尹大統領自身が内乱罪に問われるのでは、という見方さえあるようです。

 

 これから尹大統領、どうなるのかわかりませんが、そのままというわけにはいかないでしょう。弾劾されるのか辞任するのか、あるいは残り任期を全うするにしてもレームダック化は避けられません。もともと支持率が19%しかなく、低迷しているとのことでしたが、政治的には自殺行為に近いことをやってしまったと思いますので、弾劾されるのではないでしょうか?

 

 この尹大統領、日韓関係に関しては良好な関係を築きつつありましたから残念です。ただ、私はつぶさに見ているわけではありませんが、国内の状況はあんまりよくなかったようですね。夫人の評判もよくなかったらしいです。

 

 このところの韓国の政治は、リベラル派優勢の二大政党政治が続いていて、尹氏は保守派ですが、保守派の大統領は政局運営に苦しむ傾向が強いようです。前の保守派大統領だった朴槿恵も、友人の国政関与事件でデモが起き、弾劾、罷免されましたから、それに続く保守派大統領の弾劾、罷免となれば、保守派の勢力にとって大きなダメージとなることでしょう。

 

 日本人の立場からすると、日韓関係改善には保守派政権の方がいいのですが、国内政治的にはリベラル派勢力の方がいいのでしょうかね?

 

 保守派の大統領が2代続けて罷免、あるいは辞任するような事態になると、韓国の二大政党制が崩壊しかねません

 

 日本の国政も与党過半数割れ兵庫県政でカオスですし、アメリカもトランプ復活でカオス気味、韓国も状況は違いますがこれまたカオス、それぞれ状況は違っても最近政治がカオス化しています。困ったものですね。