少子化問題が深刻です。去年1年間に国内で生まれた日本人の子どもの数は68万6061人とだそうで、70万人を切ってしまいました。私の頃は200万人を少し切る程度でしたし、その数年後には200万人を超えていましたから、大変な減少です。
そして働いている人は、昨日の整形外科の記事でも書きましたが、高齢者が多く、この先、人手不足になってしまいそうで大丈夫なのかな、と思います。
私はひとり者で、この問題について語る資格はないのかもしれませんが、それでも語ってみます。
この少子化の原因、あれこれ言われていますが、「未婚化」が原因とされており、さらにその原因のひとつに「下降婚」(このよび方にも問題があると思うのですが)がない、ということがあるそうです。
つまり大卒女性と高卒男性のカップルが極めて少ないということですね。女性の大学進学率が高くなっているのに、低学歴者と結婚しようとしないので、結果的に未婚化につながっているというのです。
それに加えて、あまりこれに関する新聞記事を見たことがありませんが、これはきっと、大卒者の子供が中高卒で肉体労働者になる、というケースも似た事情ではないかと思います。あるとしたら、グレて道を外れるケース、というイメージになっています。大卒カップルのホワイトカラーの子が特に事情を抱えていないのに中高卒でブルーカラーの世界に就職する、というのはイメージがしにくいことです。何らかの志を持っている場合は、珍しがられてマスコミに取り上げられたりするのではないでしょうか?
高度成長期には、貧困から這い上がっていってホワイトカラーの世界に行った人の成功物語があちこちにありました。でも、逆ルートは「転落」と見なされてグレたとか、落ちぶれたとか、そういう風に見られ、そのイメージが現在まで払拭されていません。
こういうの、上下関係と捉えるからいけないので、横の関係にもっていって、勉強嫌いなら無理に高校大学に行かず、肉体労働でそれなりに食って行けるようにしていく社会作りの施策の方が重要だと思うのです。
私は若いときから体力がなくて 肉体労働者になることは思いもよりませんでしたが、自分にはできない分、こういう仕事の重要性は理解してきたつもりです。
また、男女の問題にも似たような考えがあって、実存の人間としての男女格差是正、例えば男女間の大学進学率の格差や女性管理職の比率がしばしば問題視されますが、私はむしろこのような比率よりも、家事育児といった従来「女性の役割」とされてきたものを下に見なす風潮の是正の方が大事なのでは、と思っています。
こうした取り組みは、金銭面での待遇改善と、人々の意識改革の両方を要するものですから、取り組みとしてはより難しいように思いますが、今語られている格差是正の方策よりも必要なことではないかな、と思うのです。
皆さんはどう思いますか?