写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

30  盆提灯を店頭で見かける季節になりましたが…

 この時期になると、仏壇店やデパート、大型スーパーなど、いろいろなところで「盆提灯」を見かけます。

 

 実は私、この「盆提灯」というか、「回転灯」が大好きなのです。というのは、もう大昔になりますが、幼稚園の頃、母方の祖父が死んでお葬式があったのですが、葬式の祭壇の両脇に青い光の中で赤や黄色、白といった光が回転するのを見て、幻想的に思い、虜になってしまったのですね。あれを見て以来、欲しくて欲しくて仕方がなくなりました。

 

 ですが我が家は宗教には無関心で、このようなものを買ってお盆に飾る習慣はありませんでした。ということで買ってもらえなかったわけです。

 

 そういえば大人になって、今度は父方の祖母が亡くなったとき、葬式にこの回転灯がないのを物足りなく思って、葬儀場で自腹でお金を出してこの提灯を買ったのでした。あれ、どこへやってしまったのでしょう。地元ではないので持って帰れなかったのですね。

 

 別に信心があるわけではないのですが、この青い光を放つ回転灯、いつか家に飾りたい、と考えていました。ですが、長い間、郡部の狭い木造アパートに住んでいたので、置き場所がなく、買うことはありませんでした。

 

 で、5年前に都市部の広いマンションに引っ越した際、大型スーパーの店頭で小型の回転霊前灯を見つけて、買って飾ろうか、と思ったことがあります。今度は父親が老いてきたので、葬式の思い出と結びつくこの回転灯を買った飾ったら、死んでしまうのではないかと思い、買いそびれていました。そのときは本当に父親が死ぬことがあったらもう気兼ねがないのでそのときは買おう、と思っていたのです。

 

 で、今春に父親が死んだのですが、今度は同時に地方都市の狭いマンションに引っ越すことになり、またこのようなものを置く場所がなく、買うことができません。なかなかうまいこといかないものです。

 

 もっとも、この回転灯、というか、盆提灯、「霊前灯」というくらいで、本来、葬式や仏前に飾るもので、きれいだからだといって家の中で観賞用に使うものではないですね。

 

 ということで、また購入しないまま、ひと夏が過ぎていきそうです。自分が死ぬまでに、この回転灯を買うことはあるのでしょうか?