石破前首相が辞める間際に出した戦後80年談話、公明党の連立離脱で高市政権ができるかの方が話題になっていたので、こちらの方は、あまり話題にならなかったのですが、みなさんは読んでみましたか?
私は一通り読んでみたのですが、侵略戦争とその謝罪がどうとかいうことではなく、なぜ国策を誤り、「あの戦争」に進んでいってしまったのか、という視点で書かれています。
特に印象に残ったのは、この中に米内光政元首相(海軍大将)の「ジリ貧を避けようとしてドカ貧にならぬよう注意願いたい」と言う発言が引用されていることです。石破氏は軍事オタクですから、当然この人について知悉していると思われるのですが、三国同盟に消極的で1940年の「近衛新体制運動」で自分の内閣を倒された人物です。
その米内光政氏が開戦前に重臣会議で言ったというのがこの「ドカ貧」発言です。米内氏は首相としてはなすところなく終わった人ですが、終戦の際、「最後の海軍大臣」として尽力した人として評価されています。
この「ドカ貧」発言は、実際そうなって、米内氏は終戦とその後始末、海軍の葬式をやる羽目になったわけですが、どうも石破氏の談話を読むと、自身をこの米内氏になぞらえているような気がしてなりません。
石破氏の談話は過去の戦争の反省というより、「第二の敗戦」が起きるのではないか、勝てない戦争になぜ突っ走ったのか、間違った選択をしようとしたときに、どこかで止めることはできなかったのか、という歴史の教訓を探ろうとして書かれてるような気がしてなりません。もっというと、石破おろしと高市氏への熱狂に開戦前の時代をなぞらえているように思うのです。
さすがに戦争はないでしょうが、例えば、高市氏が乱暴な財政経済政策をした場合、経済的破綻、例えばハイパーインフレが起きる可能性は否定できません。「起きる起きる」と長年言われながら起きなかったのでアクセルをふかそうとしているのでしょうが、一つ間違えば大惨事になります。一番困るのは経済的破綻ですが、他にもあれこれ「大丈夫なのかな」と思うところはあります。
もしかしたら、ですが、石破氏には、これから起きることへの危惧と、自身がこの後起きるかもしれない破綻の後始末をする立場になるかもしれない、という予感があるのかもしれません。
もちろん私としては、この年でそういう破綻が起こったら取り返しのつく年齢ではありませんから起きないことを願うばかりですが、その可能性は少なくないと思います。
石破氏の談話を私が深読みしすぎているのか、私は不安症ですから、余計そう思うのかもしれませんが、そのようにならないことを祈るばかりです。