写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

19 5日目ウラジオストク空港まで(2019年8月7日)

 ようやく最終日、8月7日(水)です。寝苦しい夜を過ごしましたが、 早朝起き出します。暑いのでロビーに降りてひと涼み。といってもあまり冷房が効いていません。冷房機の目の前のソファーのところだけ涼しいです。

 

   夜明けになるかどうかという時間帯に、ホテルから出て、坂を下り、昨日行った「Tiko」に行きます。ここでお土産用のアリョーンカ(ロシアを代表する菓子のようで、赤ん坊の少女の絵がトレードマーク、あちこちで山積みになっていました)チョコ5枚+その他のチョコ2枚、あと、アリョーンカのチョコケーキを買います。あとはヨーグルトドリンク。計1105ルーブルです。帰国後食べたのですが、昔のロシア菓子はむやみに甘ったるかったのに、今はそんなことはありません。適度な甘さでおいしいです。それだけ品質が上がったんでしょうかね?ロシアはヨーグルトドリンクが濃厚で意外とおいしいです。

 ホテルに戻ります。朝食付きなのですが、7時以降ということで、もったいないのですが食べられません。朝食ぐらい食べないと、このホテルは元が取れないなあ、と思いつつ、チェックアウト。駅へ。新駅舎の方へ向かいます。

 

 空港連絡の「アエロエクスプレス」に乗ります。切符売り場はまだ閉まっていて、待合室で案内嬢が切符を売っています。空港までの切符を買いますが、「ファーストクラス」を買います。380ルーブルですから、さほど高くありません。ですが、ビジネスクラス?」といわれました。ファーストはなくて優等席はビジネスクラスなのでしょう。ホームに降ります。このホームは日本と同じ高床式だった気がします。赤く塗られた武骨な電車が来ます。

 

 乗ってみると、韓国のKTX式の集団お見合い方式。座席は2×2の配置です。リクライニングはしませんでした。普通車は多分2×3か3×3の配置なのでしょう。真ん中に冷水機があるのですが、飲んでみるとぬるいです。あと、ロシアの新聞なんかが置いてありますが、韓国や中国と違い、全く読めないので見ませんでした。今回は本屋にも行きませんでした。電灯がついていなくて暗いです。乗っているのは2人だけ。みんな普通車に乗るのでしょう。

 7:10発車。ずっとシベリア鉄道の寝台車から眺めた風景が続きます。海があって、だんだん人家が少なくなり、やたら長い入江に架かる橋があって、という具合。1時間ほどの乗車ですが、大部分シベリア鉄道の路線を走ります。終着5分前ぐらいになってようやく高い白い石で作ったような盛り土区間になり、しばらくしてウラジオストク空港駅到着。8:04。並行して結構立派な道路もあるようでした。

 

 ウラジオストク空港まで市内から電車で1時間ぐらいかかります。ですからこの空港は「ウラジオストク空港」となっているのですが、実際は「アルチョム」という町にあるそうです。駅と空港は直結しています。駅から出て空港に入るときセキュリティーチェックがありました。駅や空港の入口に必ずあるのですが、一度も呼び止められたことはなく、ゆるいのかな、という印象を持ちました。

 実は朝食を食べて8時頃に出ればちょうどいいのですが、この電車が2時間に一本しかありません。バスは頻発しているそうなのですが、電車は7時の次が9時過ぎ。12時過ぎの飛行機ですから、それでも十分間に合いそうですが、お土産を買ったり、いろいろ手続きをしていると遅くなる心配があります。4時間も持て余すかなあ、と思ったのですが、早めの電車で行くことにしました。メモの整理をしたり、ウロチョロしていると意外と時間の過ぎるのは早いものです。意外にも持て余しませんでした。

18 4日目ウラジオストク夕方 ショッピングセンターとスタローバヤなど(2019年8月6日)

 郊外の市電や、その付近にあるという市場も眺めたかったのですが、夕方近くなっており、市電試乗と市場見物はハバロフスクでやったから、と思い、あきらめます。今夜のホテルは歯磨きも歯ブラシもありません。歯ブラシは空港のホテルから持ってきたのを使うとして、歯磨きが1回用のものだったのでもうありません。

 そこで、薬局で歯磨きを買います。「ラカルト」というやつでした。どこかで聞いたことがあるのでロシアのものではないのかも。でもキリル文字で説明が書いてあります。安いものを買ったつもりだったのに高い方を持ってきてしまったらしく、365ルーブル。かなり高い。薬局でなくてコンビニかどこかで買えばよかったかな、と思います。薬局は「аптека」ということは覚えました。

 次にどうしようかと思います。昨日Yシャツは買ったのですが、下着がなくなっています。外国に行ってみて、意外と難しいのが下着購入です。結局台湾韓国ではユニクロに行きました。ここにもユニクロがあれば比較できて面白いのですが、残念ながらモスクワ周辺にしかないようです。

 Tシャツでもいいか、と思ったので、「sale」と書いている白いビルの洋服店に入りました。冷房が効いていて、4階まであるのですが、欲しいものがどこにあるかわかりません。「メンズ?」と聞くと、4階とのこと。ですが行ってみると高級店だったようで、下着どころかちょっとしたカジュアル衣料が1万ルーブル以上します。ということであえなく退散。出て行くときに「good-bye」なんて言われます。ロシアでも高級店は愛想がいいのかな、と思ったりします。

 

 どこかいいとこないかなあ、と思います。さきほど歩いていたとき、広場の奥にショッピングセンターじゃないかなあ、と思われる建物が見えました。その広場がわかりませんが、ウロウロ歩いて、何とか探し当てます。見慣れない果物を売っている露店がありますが買いません。台湾みたいにカットフルーツにして売ってくれれば買うのになあ、と思います。

 その奥に行くとやはりショッピングセンターでした。1階は一昔前のダイエーみたいです。2階から上は専門店街になっています。一番上はフィットネスクラブになっていて、トレーニング機器なんかがおいてありました。

 地下に降りると食品スーパーでした。そういえば台湾韓国ではデパートには行きましたが、スーパーに行ったことがありません。せっかくだから覗いてみます。「アリョーンカ」というロシアでおなじみのチョコが大量に置いてあります。肉や果物や惣菜もあります。魚コーナーを見ると、私の好きなホッケの開きが90ルーブル。安い!と思いますが、買って持って帰るわけにもいかないでしょう。

 結局、あれこれ見たのですが、牛乳を買います。27年前に牛乳を「マラコー」というのだ、というのを覚えました。マラコー57ルーブルを買って店の外で飲みます。店の前はバスターミナルになっているようでした。どうやらこのショッピングセンター「クローバーハウス」というようです。

 

 出直して上の専門店街へ行きます。さっきグンゼショップ」というのを見つけました。どうもグンゼが出店しているようです。改めていくと、おばさん客がいます。ああでもないこうでもないという風に品定めしています。で、いつまでも買わないので私も店に入ります。「ジャストモーメント」と店員に言われます。仕方ないので品定めしながら、おばさんの買い物を見物します。

 変な買い物の仕方をしていて、下着を一つ買って自分の鞄に入れ、また違うのを買って袋に入れさせる、そのたびお金を払うのです。ロシアではこういう買い方をするのが一般的なのか、それともこのおばさんが変な買い方をしているのか、わかりませんが、興味深かったです。日本でこんなのを待っていたら苛立ったでしょうが。

 ようやく私の番。グンゼ「body wild」という下着を売っています。これは日本でも買ったことがあります。一応試着しろという仕草。またやむを得ず服の上から着ます。Lサイズと明記してあったので試着の必要もなかったのですが。リブの入った変なのしかありませんでしたが、これを買います。1480とかいうシールが貼ってあったので高いけど輸入しているんだからこんなもんか、と思います。ですがお金を出すと、店員は計算機をたたいて「745」と表示します。どうもシールは日本円のようでした。あとで見たら、中国製で日本語タグがついていました。

 

 店を出て、また歩きます。昼に坂を上った噴水通りに出ます。今度は上から下に下ります。ちょうど夕日が海に沈むところです。あまりの暑さにへたり、「何でロシアで真っ黒にならなければならないのよ」とか、「ハバロフスクの方がよかった」と思っていたのですが、ここから眺める夕陽が絶景ウラジオストクも悪くないぞ、と思います。

 でも夕暮れなのにまだ暑い。噴水通りを下まで降りて左に曲がり、一本筋違いの通りに入ります。ここの角に「スタローバヤ」という食堂があります。これは店の名前ではなくて、ロシアの軽食堂をこう呼ぶそうなのです。駅の食堂はだいたい「スタローバヤ」のようです。トレイを持ってガラスケースの前に並んでいる惣菜や料理をよそってもらい、レジで会計をする、というスタイルです。

 入ってみると、韓国人の子供の団体がいっぱいいて待つのかなあ、と思いましたが、セルフ式なので時間はそんなにかかりません。待っている間、後ろのロシア人のおじさんが「日本人か?」という感じで言ってきます。黒パンをとり、白いスープ(冷たかった)、ハンバーグ、ビーフストロガノフ風のもの、これにマカロニみたいなパスタフライ、ジュースともう1品ぐらいとった気がします。計553ルーブル

 欲張って取り過ぎたのでおなかいっぱいになりました。食べてみるとフライは魚で、ビーフストロガノフだと思った料理には何かのレバーじゃないかと思うような肉が入っていました。今までレストランでは、待たされたあげく、なかなか思うようにいかなかったので、一人メシなら最初からこういうスタローバヤに行けばよかったかな、と思います。あとで調べたら「8 Минат」という店名だったようです。

 

 ようやくウラジオストクでもいいことあるぞ、と思い、機嫌がよくなったところで、道ばたでバイオリンを弾いている女性に出くわします。正直、そんなにうまいとも思わないのですが、夕暮れのヨーロッパ風の町並みでいいムード。一曲聴いて100ルーブル投げ銭。ニコッとされて「スパシーバ」と言われます。もう一曲聴いてから歩き出します。

 さっき入った「Tiko」というコンビニチェーン店の別の店があり、ここで酒とおつまみを買います。迷ったあげく、チェリー酒とナッツ&ドライフルーツの袋を買い、200ルーブル。コンビニとはいってもそれより広く、小型スーパーですね。マトリョーシカの人形など、お土産も売っていました。そこから曲がって坂を上り、ホテルへ。また階段を昇って暑い部屋へ。この時点で夜8時半か9時頃。

 

 部屋につくと電話がかかってきて、日本語で「女の子いますか?」とかいうのです。電話の相手はロシア人男性らしく、なんだかよく意味がわかりません。「わかりません」と言って切ってしまったのですが、これって女性のあっせん、ではないかと思いました。誤解かもしれませんが。

 27年前も今回もハバロフスクではなかったのですが、27年前のモスクワでは電話がかかってドアがノックされ、開けたら若い女性が入り込もうとして慌てて閉めた、ということがありました。ロシアでは、いまだに売春的なことがあるのでしょうかね?今どき台湾韓国でも全くなかったのですが。

 ということで、暑いのでそんな気にもならず、何度もシャワーを浴びますが涼しくならず、汗ダクになって寝ました。といっても寝苦しかったのですが。

 

17 4日目ウラジオストク夕方 バスに乗って金門橋へ(2019年8月6日)

 8月6日(火)の15時か16時頃でしょうか?ひと休憩のあと、ホテルを出ます。まだ時間があるので、どこかへ行こうかな、と思います。坂を下ってまた登ります。

 

 その前に、さっき町歩きをしているとき、「foreign exchange」の表示を見かけました。どうやら外貨両替をしてくれる銀行があるようです。午前中のアイスが意外と高かったりしたのと、空港で替えた5000ルーブル札は記念に残しておこうかな、と思ったので、それを除くと、もう1000ルーブルちょっとぐらいしかありません。ですからここで1万円追加で両替。

 

 中に入ると、扉を開けて個室に入り、そこで係員に両替してもらうシステム。物々しかったですが、手続きはスムーズです。これまで1ルーブル=2円、あるいはそれより円安の感覚でいたのですが、ここで1万円両替すると1000ルーブル札6枚になって戻ってきました。つまり6000ルーブル。あれ、っと思いました。5枚ぐらいだろうと思っていたので。これはレートがいいです。今改めて計算すると、1ルーブル=1.67円ほどになりますね。

 

 ここまで、ウラジオストクいまいち、と思うことが多かったのですが、ここで機嫌がよくなります。でも最初からロシアの銀行で両替すればよかった、とも思いますが、到着日は土曜だったので仕方ないところです。なお、どこでも端数の小銭はくれませんでした。韓国台湾だと小銭もくれるのですが。
 
 町の中心部に中国語の表示があり、緑っぽいガラス張りに見える宝石店があり、ここが目印になります。この辺が一番の繁華街に見えますが、坂道です。町歩きなのに登山をしているのではないかと思ってしまいます。

 

 ちょっと迷いましたが、このあたりから出るという、15番バスというのに乗ります。ウラジオストクはキオスクが歩道上のあちこちにあり、飲み物も売っていますが、コカコーラマークの冷蔵棚を備えているキオスクはは少なく、ここにあるキオスクの飲み物も生ぬるそうなので見送ります。バス停が2つあり、どちらから乗るのかわからないので、待っていると、もうひとつの方に15番バスは来るようです。わずかな距離ですが、坂道なのでしんどいです。

 

 とにかく乗りました。このバスは、朝に見た金門橋を渡ります。バスに乗っているとウラジオストクの町を大回りします。どうもそういうルートらしいということは知っていたのですが、それにしてもなかなか橋のたもとに行き着きません。不安になったところで高速道路風の近代的な道路になり、インターチェンジみたいなところを通ります。

 

 ようやく朝来た鷲の巣展望台のところに来たようです。で、その後しばらくしてを渡ります。斜張橋というのでしょうか、瀬戸大橋の一部にこういう橋があった気がしますが、かなり高いところから海峡のような入江を眺めるので、これは見事な景色でした。展望台よりも眺めがよかったです。あまりの暑さに疲れ、ホテルでは「もう帰りたい」と思ったりしたのですが、来てよかったです。

 

 橋を下りたところでマリインスキー劇場があります。ロシア語では「オペラとバレエの劇場」というバス停のようでした。ガラス張りの新しい建物です。橋の対岸が、橋ができたことで開発されたのでしょう。

 陸橋を渡って反対側のバス停に行き、戻ります。すぐバスが来ました。ところがこれが韓中日混成と思われる若者で混んでいます。本来あと乗りのようですが、前から乗っていいかというふりをするといいという感じだったので前から乗ります。もちろん座れませんでした。若者たちは、バラバラに乗ったのでしょうが、いろんな言語が聞こえてきます。

 

 そこで、気づいたのですが、このバスはもっと奥に行くと、「ルースキー橋」という、金門橋よりもっと長い橋を渡って水族館まで行くそうです。ですからそこら辺まで行った人が帰ってきたのでしょう。そこまで行けばよかったか、と思いましたが、もう遅いのであきらめます。また眺めのよい橋を渡り、ウラジオストクの町を大回りします。郊外のスーパーの前を通ったりして、買い物したいのですが、どこだかわからないところで降りるのも不安なので見送ります。終点まで乗って降ります。この往復も各23ルーブルの運賃でした。

 

 ハバロフスクの市電と違い、バスの運転手は男性ばかりでした。町で見かけた一般車は日本車が主力でしたが、ホテルのテレビはどこでもLGとかの韓国メーカーのもの。車でもバスは韓国製のようでした。「DAEWOO」というと、韓国で昔破綻した「大宇」の車です。このバスが結構いました。韓国の中古車なのかなあ、と思います。

 

16 4日目ウラジオストク午後 グム百貨店とホテル(2019年8月6日)

 今度は坂を下って繁華街を歩きます。あっちもこっちも坂道で、気まぐれにウロウロというわけにもいきません。とりあえず、グム百貨店を目指します。

 

 このあたりで「Tiko」という、ハバロフスクの「マキシム」のような、コンビニチェーン店に入りました。確かヨーグルトドリンクを買った覚えがあるのですが、このときか、そのあとか、記録に残っていませんし、値段もわかりません。暑かったので、何度も飲み物を買いました。

 

 グムというのはモスクワの赤の広場にもあり、27年前に行きました。それの系列なのかと思いますが、どうかわかりません。ここの裏が再開発されて赤煉瓦のおしゃれなカフェスポットになっているとのことで、行ってみます。ですが行ってみると大したことないなあ、という感じ。再開発感がありました。今思えば、せっかくだからカフェにでも入ればよかったのですが、入りませんでした。グム百貨店の裏口から入店。行ってみるとかなりの部分が「ZARA」になっていて、デパートという感じではありませんでした。一階には多少他の売り場がありましたが。建物自体はロシア風の瀟洒な建物です。

 

 そこからウラジオストクまで歩いたようです。今度は新駅舎に行きます。元々の駅舎の脇に近郊列車やアエロエクスプレス用に別の駅舎がありました。ここでまた疲れて自販機でファンタ75ルーブルを買いました。明日空港まで電車で行くつもりなので、時間を確認してメモします。旧駅舎の方にも行って預けてあった荷物をもらい、ホテルに行きます。

 

 15:00過ぎだったと思いますが、ホテルに着きます。「モリャーク(モルヤック)ホテル」、という名で、駅に近いのですが坂を登ってちょっと下りたところにあります。古そうなホテルでした。ロビーのフロントへ行きます。手続きはスムーズで日本語の注意事項を書いた紙を渡されます。ただ、預け金と手数料らしき1030ルーブルを請求されます。ロシアのホテルではこういう習慣があると聞いていたので出します。

 

 4階の部屋。エレベーターがありませんので大変。しかも部屋の戸も開けにくく、鍵がうまく使えませんので一苦労。部屋に入ってガーン、です。まず、冷房がないようです。探しましたが見当たりません。これは思っていませんでした。それにバスタブがあるのかと思っていたらシャワーしかありません。台北のときはないのかと思って行ったらありましたが、その反対です。窓もわずかしか開かず、扇風機すらありません。部屋も狭いです。

 

 ただ、眺めだけはいいです。これで6000円以上しました。ウラジオストクは、もともとホテル事情がよくないらしく、ハバロフスクはインツーリストホテル以外にもよさげなホテルがいろいろあったのですが、ウラジオストクはこれ、というホテルが見当たりませんでした。

 

 韓国系のロッテだかヒュンダイだかのホテルがありますが、これは2万円ぐらいします。一方、安いところはドミトリー形式。極端で、中間の適当なところがほとんどないのです。候補はここともうひとつ、2つあったのですが、もうひとつの方は、ここより高く、7~8000円台だったのと、ここが駅にいちばん近いので泊まることにしたのです。でも、正直期待はずれでした。台北大邱の安宿なみ。あそこはいずれも2500円ぐらいでしたから、ここは高いです。

 

 はじめから安宿だと思って、それぐらいの値段ならまあこんなもんか、と思えるのですが、値段が値段なのでがっかり。がっかりと言っても暑くてたまりません。とにかくシャワーを浴びて、ひと休憩し、また出て行きます。

 

 階段を下り、ロビーに出ます。ここだけ冷房。中国人の団体客がくつろいでいます。するとまた声をかけられました。「おやー」という感じで、またシベリア鉄道で一緒だった中国人のおばさんたち御一行様で、またまたびっくり。同じようなコースを向こうはバスで回ってホテルに着いたのでしょう。また、「一个人?」といわれますが、それ以外わかりません。シベリア鉄道を含めると、都合4度目で、向こうも、もう親しみがわいてきたらしく、ニコニコして話しかけてくれるのですが、何を言っているのかわからず、愛想笑いをして一礼し、外に出て行きます。

 

 ロシアに来て言うのも何ですが、中国語がもう少し理解できればもっとコミュニケーションできたのになあ、と残念でした。ロシアに来てロシア語ならともかく、中国語の必要性を感じるとは。行く前、「ポケトーク」を買おうか迷ったのですが、ビザやなんやかんやとお金がかかるのでやめました。あるいは、素直にスマートフォンを使えば、地図やガイドブック代わりにもなるのでしょう。

15 4日目ウラジオストク昼 スポーツ湾と北朝鮮レストラン(2019年8月6日)

 ウラジオストク駅前から今度は中心部へ向かいますが、坂道ばかり。登って下りてです。交差点の地下道にはハバロフスクのように小規模な店舗がありました。そこを抜け、泊まるホテルの位置を確認。また上り坂。

 要するにこの町は海辺以外すべて坂道なのです。下って左に曲がり、駅や金門橋のある方とは反対の海辺へ。坂道があるのは違いますが、函館駅のあたり、陸地が狭まっていて海に挟まれている地形を想像してもらえればいいと思います。

 

 こちらは「スポーツ湾」というそうです。駅側の海と違って、こっちは浜辺という感じ。海水浴をしている人もいますし、遊園地もあったり、リゾート風です。しかし暑いです。晴れていい天気なのですが、ロシアが何でこんなに暑いのよ、と思います。ハバロフスクも暑かったのですが、乗り物に乗っている時間が長かったのと、目抜き通りは平坦なので、ここまでしんどくなりませんでした。

 

 浜辺の道は整備されていて、ハバロフスクアムール川の岸辺に負けず劣らずですが、何しろへたっています。一通り船着き場かなんかの近くまで行ったあと、戻ります。途中に何軒かアイスクリームの屋台があります。そのうち一軒がハバロフスクと同じブランドのようでした。そこで買います。

 またへたっているおばさんから買います。ハバロフスクでアイスを買ったとき、どぎつい青色のアイスがあり、気になっていました。やはりここにもあって、全く売れた形跡がないのですが、これを指さします。コーンがワッフル風で大型です。そこにどっさり入れます。もっと?という感じだったので、今度はベリー系の赤っぽいアイスを入れてもらいました。これもどっさり入れられます。164(3?)ルーブルとメモにはかいてありますが、もっと高かった気が。びっくりしてへこみましたから。764かなあ、と思います。

 少なくともアイスをこんなに大量に食べたのははじめてで、かつ、こんな高いアイス初めてだ、と思っていましたから。思い違いだったのでしょうか?アイスの屋台はありましたが、ハバロフスクでアイス屋とセットのようにして並んでいたクワスの屋台は見かけませんでした。この辺が違います。

 

 暑くてたまらないので、噴水の水しぶきがかかるところに行きます。ここから「噴水通り」という、よく観光ガイドに載っている通りを通ります。噴水がいっぱいあってロシア風の町並みが続きますが、登り坂です。登り切ってまた坂を上り、繁華街をウロウロ。町歩きの見当をつけるためですが、とにかく平地のない町で、きついです。でも昼食を食べに行きます。

 

 歩き回り、暑くて疲れだしました。でもせっかくなのでもう少し歩きます。昼食を食べなければなりません。昼は北朝鮮レストラン」に行こうと思いました。ロシアや中国、東南アジアの旧東側系諸国に北朝鮮が外貨獲得のためにレストランを開いている、という話があり、ウラジオストクにも数軒あるとの情報がありました。ガイドブックには載っていないので事前に調べ、2軒ほどマーク。現地点から行きやすそうな方に行ってみることにしました。

 

 地図を見て坂を登りますが、見つかりません。坂の上にある、ロシア正教の聖堂があるところに出くわします。そんなのガイドブックの地図に書いていないので、地元で買った地図で確認したら行きすぎたようです。どうも道路幅が地図と違っていて、この通りから横に延びる通りが幅広なのか狭いのかがいまいちつかめませんでした。迷ったので行くのやめようか、と思ったのですが、せっかく来たのだし、なにより冷麺が食べたいです。ロシア料理はおいしいのですが、基本的に冬向けの料理が多く、この暑さで食べるのはどうかと思います。夏向けのロシア料理というのも知りませんし。

 

 ここかな、と思うところで曲がり、しばらく行くとありました。「高麗館(コリョグァン)」とハングルで書いてあります。せっかく来たのだから思い切って入ります。入ってみるとごく普通の新しいレストラン。日本の郊外にでもありそうです。壁で仕切られたところに通されました。韓国人のおじさん客なんかがいます。私と同様、面白半分で来ているのでしょう。北朝鮮の童謡か民謡をテレビから流している以外、至って普通のレストランで拍子抜けしました。これが「金日成将軍の歌」でも流していたらびっくりでしょうが。

 きれいなウェートレスが来ます。これが「美女軍団」から選りすぐられたというウェートレスか、と思います。食べるのは冷麺と決めていたのですが、メニューに見当たりません。朝鮮半島でも冷麺は平壌が本場ですから、ないわけがありません。「レンミョンイッソヨ(冷麺ありますか)?」と聞いてみます。承知したようなそぶりだったので、「朝鮮語通じた」と得意になります。韓国では「ネンミョン」ですが、北朝鮮では「レンミョン」です。よく見ると、写真付きメニューの後ろの方に冷麺があり、ハングルで「レンミョン」と書いてあります。

 

 朝鮮料理につきものの何種類かの前菜がおかれます。キムチやナムルの類です。その中の一皿に肉料理があり、どういう味付けかわからなかったのですが、これがなかなかおいしいです。それを食べて待っていました。ところが、ウェートレスが一度のぞきに来て、「注文は?」というそぶりです。再度「レンミョン」と言います。ところがそれからいくら経っても来ないのです。前菜を全部食べ終え、30分~40分ぐらいたっても来ません。おかしいなあ、と思い、机上のピンポンを押して、メニューの冷麺の写真を再度指し、時計も指さして「どうなっているんだ」という仕草をします。

 

 それからようやくして冷麺がやってきました。私よりだいぶ後にやってきた若い韓国人と思われる一団の料理は、私が食べ始めたすぐあとに持ってきていましたから、やはりオーダーが通っていなかったのだろうと思います。こちらの朝鮮語が通じていなかったのか、こっちはオーダーしたつもりだったのに、向こうは単なる質問と捉えただけだったのか、まあ、どっちにしても行き違いか、と思います。がっかり。冷麺は真っ黒な麺で、まずくはありませんが、こういう経緯だったので、いまいち感がありました。これが北朝鮮クオリティーなのかな、と思い、代金390ルーブルをを払って出ます。

 

 出る前にトイレに行きましたが、ロシアのトイレはここに限らず、昔の韓国のように紙を便器に流してはいけないようで、横にくずかごがありました。韓国のときのように紙に便がついていて「ゲッ」となるようなことはありませんでしたが。ということで時間をロスしました。