写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

15 4日目ウラジオストク昼 スポーツ湾と北朝鮮レストラン(2019年8月6日)

 ウラジオストク駅前から今度は中心部へ向かいますが、坂道ばかり。登って下りてです。交差点の地下道にはハバロフスクのように小規模な店舗がありました。そこを抜け、泊まるホテルの位置を確認。また上り坂。

 要するにこの町は海辺以外すべて坂道なのです。下って左に曲がり、駅や金門橋のある方とは反対の海辺へ。坂道があるのは違いますが、函館駅のあたり、陸地が狭まっていて海に挟まれている地形を想像してもらえればいいと思います。

 

 こちらは「スポーツ湾」というそうです。駅側の海と違って、こっちは浜辺という感じ。海水浴をしている人もいますし、遊園地もあったり、リゾート風です。しかし暑いです。晴れていい天気なのですが、ロシアが何でこんなに暑いのよ、と思います。ハバロフスクも暑かったのですが、乗り物に乗っている時間が長かったのと、目抜き通りは平坦なので、ここまでしんどくなりませんでした。

 

 浜辺の道は整備されていて、ハバロフスクアムール川の岸辺に負けず劣らずですが、何しろへたっています。一通り船着き場かなんかの近くまで行ったあと、戻ります。途中に何軒かアイスクリームの屋台があります。そのうち一軒がハバロフスクと同じブランドのようでした。そこで買います。

 またへたっているおばさんから買います。ハバロフスクでアイスを買ったとき、どぎつい青色のアイスがあり、気になっていました。やはりここにもあって、全く売れた形跡がないのですが、これを指さします。コーンがワッフル風で大型です。そこにどっさり入れます。もっと?という感じだったので、今度はベリー系の赤っぽいアイスを入れてもらいました。これもどっさり入れられます。164(3?)ルーブルとメモにはかいてありますが、もっと高かった気が。びっくりしてへこみましたから。764かなあ、と思います。

 少なくともアイスをこんなに大量に食べたのははじめてで、かつ、こんな高いアイス初めてだ、と思っていましたから。思い違いだったのでしょうか?アイスの屋台はありましたが、ハバロフスクでアイス屋とセットのようにして並んでいたクワスの屋台は見かけませんでした。この辺が違います。

 

 暑くてたまらないので、噴水の水しぶきがかかるところに行きます。ここから「噴水通り」という、よく観光ガイドに載っている通りを通ります。噴水がいっぱいあってロシア風の町並みが続きますが、登り坂です。登り切ってまた坂を上り、繁華街をウロウロ。町歩きの見当をつけるためですが、とにかく平地のない町で、きついです。でも昼食を食べに行きます。

 

 歩き回り、暑くて疲れだしました。でもせっかくなのでもう少し歩きます。昼食を食べなければなりません。昼は北朝鮮レストラン」に行こうと思いました。ロシアや中国、東南アジアの旧東側系諸国に北朝鮮が外貨獲得のためにレストランを開いている、という話があり、ウラジオストクにも数軒あるとの情報がありました。ガイドブックには載っていないので事前に調べ、2軒ほどマーク。現地点から行きやすそうな方に行ってみることにしました。

 

 地図を見て坂を登りますが、見つかりません。坂の上にある、ロシア正教の聖堂があるところに出くわします。そんなのガイドブックの地図に書いていないので、地元で買った地図で確認したら行きすぎたようです。どうも道路幅が地図と違っていて、この通りから横に延びる通りが幅広なのか狭いのかがいまいちつかめませんでした。迷ったので行くのやめようか、と思ったのですが、せっかく来たのだし、なにより冷麺が食べたいです。ロシア料理はおいしいのですが、基本的に冬向けの料理が多く、この暑さで食べるのはどうかと思います。夏向けのロシア料理というのも知りませんし。

 

 ここかな、と思うところで曲がり、しばらく行くとありました。「高麗館(コリョグァン)」とハングルで書いてあります。せっかく来たのだから思い切って入ります。入ってみるとごく普通の新しいレストラン。日本の郊外にでもありそうです。壁で仕切られたところに通されました。韓国人のおじさん客なんかがいます。私と同様、面白半分で来ているのでしょう。北朝鮮の童謡か民謡をテレビから流している以外、至って普通のレストランで拍子抜けしました。これが「金日成将軍の歌」でも流していたらびっくりでしょうが。

 きれいなウェートレスが来ます。これが「美女軍団」から選りすぐられたというウェートレスか、と思います。食べるのは冷麺と決めていたのですが、メニューに見当たりません。朝鮮半島でも冷麺は平壌が本場ですから、ないわけがありません。「レンミョンイッソヨ(冷麺ありますか)?」と聞いてみます。承知したようなそぶりだったので、「朝鮮語通じた」と得意になります。韓国では「ネンミョン」ですが、北朝鮮では「レンミョン」です。よく見ると、写真付きメニューの後ろの方に冷麺があり、ハングルで「レンミョン」と書いてあります。

 

 朝鮮料理につきものの何種類かの前菜がおかれます。キムチやナムルの類です。その中の一皿に肉料理があり、どういう味付けかわからなかったのですが、これがなかなかおいしいです。それを食べて待っていました。ところが、ウェートレスが一度のぞきに来て、「注文は?」というそぶりです。再度「レンミョン」と言います。ところがそれからいくら経っても来ないのです。前菜を全部食べ終え、30分~40分ぐらいたっても来ません。おかしいなあ、と思い、机上のピンポンを押して、メニューの冷麺の写真を再度指し、時計も指さして「どうなっているんだ」という仕草をします。

 

 それからようやくして冷麺がやってきました。私よりだいぶ後にやってきた若い韓国人と思われる一団の料理は、私が食べ始めたすぐあとに持ってきていましたから、やはりオーダーが通っていなかったのだろうと思います。こちらの朝鮮語が通じていなかったのか、こっちはオーダーしたつもりだったのに、向こうは単なる質問と捉えただけだったのか、まあ、どっちにしても行き違いか、と思います。がっかり。冷麺は真っ黒な麺で、まずくはありませんが、こういう経緯だったので、いまいち感がありました。これが北朝鮮クオリティーなのかな、と思い、代金390ルーブルをを払って出ます。

 

 出る前にトイレに行きましたが、ロシアのトイレはここに限らず、昔の韓国のように紙を便器に流してはいけないようで、横にくずかごがありました。韓国のときのように紙に便がついていて「ゲッ」となるようなことはありませんでしたが。ということで時間をロスしました。