まず、正直に言って「びっくりした」という気持ちです。それは、兵庫県知事選挙で斎藤元彦氏が当選してしまったことです。「してしまった」という書き方で私の驚きの度合いがわかるでしょう。
私は兵庫県民ではありませんから、兵庫県政そのものにはあれこれ言う立場ではありません。しかし、斎藤氏は「パワハラ」で、県議会の不信任を受けたはずではなかったのですか?「既得権益」の打破、というなら、自民党はなぜこの問題が出るまで斎藤氏を支持していたのでしょうか?よくわかりません。もともと与党でありながら不信任に賛成したのは、それなりの根拠があったことでしょう。
私は「パワハラ」はあってはならないと思っています。それとも、兵庫県民は「パワハラ」を容認するのですか?あるいは、事実無根であることが証明されたのですか?事実無根ならともかく、そうでないのなら兵庫県民はパワハラを容認した、ということになってしまうのではないでしょうか?私が知っている限り、事実無根であるとは思えないのです。少なくとも礼を失する居丈高な行為はあったはずです。
さらに気になるのがNHK党の立花氏が斎藤氏の「応援立候補」をした、ということです。この立花氏のうさんくささについては、よく知られているはずですが、この人の語る陰謀論、捏造論に兵庫県民は惑わされたしまったのでしょうか?これまでNHK党が参議院の最下位近くでかろうじて当選していたことだけでも驚きだったのに、このように知事選で大きな影響を与えてしまったことに極めて強い危惧を覚えます。
この人は「NHKをぶっこわす」といっていましたが、このままでは「日本をぶっこわす」ことにならないか、極めて強い憂慮を覚えます。これがNHK党の勢力拡大につながらないか、心配で仕方がありません。
私は少なくとも県民局長の告発に対する処分は誤っていた、ということは間違いないと思っています。時間の経過とともに、斎藤バッシング、それに対する反発、という経過をたどり、反発が強くなっている次期が選挙のタイミングということだったのでしょうが、県議会はもう一度この経過を検証する責任があると思います。
真実をもう一度きちんと検証し、もし事実であるなら再度の不信任も辞さない、という姿勢も必要ではないでしょうか?
とにかく、「風」に流されて今回の結果をもたらした兵庫県民の責任は重大であると思います。政治には政策も必要ですが「倫理」も必要なはずです。今回の選挙が全国的な注目を受けたのは、県政に関することだけではなく、むしろ斎藤氏の人物に関する問題が争点だったからであるはずです。
事実関係も兵庫県民の判断も、よくわからないことばかりですが、それでも、「反倫理」ともいえるこの結果、本当にこの結果でよかったのですか?と思ってしまいますね。