写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

12  稚内まで(2022年5月3日)

   5月2日は連休の谷間でしたので普通に出勤しました。で、5月1日に一応全線完乗しましたから、どこへ行こうか考えたのですが、結局、翌5月3日に稚内にに行くことにしました。稚内は過去に3度行ったことがあります。大学入試の時、落ちたらもう来れないかと思い、行ったのですが、雪で不通になり、帰れなくなりました。稚内駅で何時間も過ごした覚えがあります。それと大学卒業の時、もう北海道にくることもないかと思っていきましたが、結局舞い戻ってきました。あとは仕事の出張で一回行きました。

 

 ですから宗谷本線に過去に3度乗っているのですが、全線完乗、というこれまた節目ですし、残り2日間有効なので、行ってみることにしたのです。

 

 6:33発で札幌行き。6:49着。朝結構寒いです。駅構内のストーブに当たって待ちます。それから売店「ひぐまの笹寿し」を買います。確か1100円ぐらいでちょっと高いのですが、笹寿し系が好きなのでこれにしました。

 

 7:10になったのでホームに出ますが、なんと、もう自由席乗り場には20人ぐらい並んでいます。もっと早く並んでおくべきだった、失敗でした。指定をとろうかな、と思ったのですが、なとなく面倒くさくてとらなかったのです。 

 

 特急「宗谷」が入線。車内に入りますが、通路側の席に座ることしかできませんでした。7:30発。座れたのでまだいいのですが、立席が出ています。車窓はこの旅行で何度も通った区間、もう5度目ということになりますから、これ、という感慨はありません。

 

 旭川までは特急が頻発しており、車内放送でも、旭川までの客は後続の列車に乗るよう検討してください、というアナウンスがあったので、降りるひとは少なかろう、と思ったのですが、案に相違して、意外に降ります。そして乗ってくる客も多く、車内の混雑はむしろ激しくなりました。

 

 宗谷本線に入りますが、こちらは右側の通路側の席で、景色を十分に堪能する、というわけにもいきません。もっとも、まだ緑がきれい、という季節でもありません。雪が融けただけで、冬枯れ風です。どのあたりでか、は忘れましたが、車内も混雑しているので食べにくいのですが、せっかく買ったので「ひぐまの笹寿し」を無理矢理食べます。混んでいるので縮こまってあわてて食べましたから、おいしいとかどうのこうのという感想がありません。

 

 名寄で客がかなり降りましたが、まだ満席状態です。数人立席者がいます。この付近で車窓に保存されている除雪列車「キマロキ」が見えました。このあたりからは、人跡稀な区間です。天塩川に沿って走るわけですが、川は進行方向左側です。この列車の場合、左窓の方が景色がよいわけですが、残念ながら右通路側です。駅も次々廃止されています。この線は今すぐ廃止、というわけでもなさそうですが、やはり輸送人員は極めて少ないようです。どこかで行き合いの普通列車を見かけましたが、無人でした。

 

 木造の比較的新しい駅舎の音威子府駅で意外と人が降ります。そばでも食べるのでしょうか?ここからはやはり川に沿って海岸部に出て行く路線です。天塩中川、という駅周辺はは荒涼とした新開地のようにみえます。いろいろ事情があって住んでいるのでしょうが、大変そうだな、と思います。幌延、豊富と来て、日本海側に出ます。ですが海が見える区間はごくわずかです。茫洋とした原野や酪農地帯が続きます。通路越しですが、豊富付近で利尻島が見えました。その隣の礼文島も見えたようです。

 

 5時間も乗っていますから、この辺でトイレに行きたくります。ですが自由席というのは、混んでいるとき、トイレに行きにくいものです。我慢していましたが、南稚内で下車する人も結構いて、ここでようやくトイレに行きました。稚内には定時12:40着でした。

   

11  滝川行きでJR北海道在来線全路線完乗(2022年5月1日)

 雨の東鹿越で傘もささずに扉の開くのを待ちました。休止区間がなければ、この駅で乗降することもなかったでしょう。また1両のディーゼルカーに乗り込みます。車両は確かキハ40系だったはずです。進行方向右窓の席をゲット。15:12発です。同好の士が多く、結構な乗り具合。今回、結構どちらの窓側に座るか、ということをこだわりました。

 

 金山湖に沿い、橋を渡ります。反対側の窓の客は窓にカメラをつけて動画を撮っていますが、私の窓側の方が景色がよいです。その後も渓流に沿って走ります。なかなかよい景色でしたが、この線もほぼ廃線確定でしょう。最初で最後の乗車になると思います。平地に畑が広がり、富良野着。

 

 今回は降りずにそのまま滝川へ向かいます。富良野盆地を過ぎると、長大なトンネルに入ります。その後はかつての産炭地帯です。

 

 芦別の町を通り過ぎますが、この町は古くさい建物が多く、どんよりとしています。駅も古くさい建物だったと思います。炭鉱町が廃れました、という雰囲気を醸し出している、といわざるを得ません。遠くにかつてのレジャー施設「北の京芦別」の大観音像が見えます。この手の大観音像、あちこちで維持管理が問題になっているようですね。次の平岸という駅に妙に大きい病院がありました。病院で町おこしできそうです。

 

 赤平も同じようなものか、と思いましたが、赤平駅は赤煉瓦風の立派な新しい建物に改築されていました。さほど利用者も多くないのに、どうしてこんなものを建てたのか、と思います。コミュニティ施設にでもなっているのでしょうか?

 

 そうこうしているうちに、終着滝川へ近づきます。この区間未乗区間の最後の区間です。完乗区間としてはちょっと物足りませんが、こんなものか、と思います。それでも根室本線函館本線に合流するカーブのあたりでは、もう乗る路線はないのか、という軽い感慨を覚えました。滝川到着16:57。ということで、これで休止線を除くJR北海道の在来線全区間を完乗しました。

 

 17:02発のライラック34号進行方向左側に座り、17:55札幌着。完乗記念に大丸の地下で少し高価な中華弁当を買って帰ります。この後乗った電車が18:24発だったように思うのですが、その前の18:19だった気もします。家に帰る電車なので記録していなかったのですね。ということで多分18:42(もし前の電車なら18:35)着、3日目おしまいです。その後家で中華弁当を食べてひとりでお祝いしました。 

10  新得から代行バス(2022年5月1日)

 新得に着きました。駅にそば屋があるようで、新得そばでも食べたいですが、根室本線休止区間代行バスがすぐ出発です。10分ほどしかありません。確認せずに駅前に停まっているバスに乗り込みましたが、1台だけだし、他の客も乗り込んでいるのでこれでいいと思います。ここから東鹿越までは2016年から不通なっているので列車に乗ることはできません。代行バスに乗るし、休止線でどうしようもないですから、残念ながら、全線完乗区間からは除外します。

 

 進行方向右窓側の席をゲット。13:57出発です。結構な客が乗っていますから、東鹿越で窓側の席をゲットするためには早めに降りなければ、と思っていたのですが、横の席にさっき特急の扉に自転車を置いていた少年が座ります。ツーリングには似合わないような、メガネをかけてひ弱そうな少年でした。サイクリングウェア姿ですから、なんで自転車に乗らないで列車に乗るのだろう、と思います。どうやら自転車はバスの下に入れたようです。ですが東鹿越でこの人、まごつきそうですから、私も降りるのが遅くなって列車のいい席がゲットできないのでは、と不安に思います。

 

 やはりバスは狭苦しくて、多人数が乗ると「密」です。コロナにそんなにこだわっているわけではありませんが、感染者がいたらうつりそうだぞ、と思います。出発すると、サホロリゾートへ寄ります。列車の駅はないはずなのですが、どうして寄るのかな、と思います。乗降客もいませんでした。

 

 狩勝峠を登ります。あいにく山側です。林が見えるだけで特にいい景色ではありません。反対側では眺望がききそうな区間がありました。峠を越えて下りにかかります。道を曲がって、落合駅に寄ります。意外にもここで隣のサイクリング少年が降ります。峠越えはしないで下りの区間だけ自転車に乗るつもりだったのでしょうか?私は全くサイクリングをしませんが、ちょっと根性がないぞ、と余計なことを思ってしまいます。

 

 次が幾寅。このあたりが南富良野町の中心のようです。とは言っても小さな町です。休止区間ですが、やはり駅に寄ります。私は映画をほとんど見ませんが、この駅も高倉健の「鉄道員(ぽっぽや)」という映画のロケで使われたということで、本当の駅名よりも、「幌舞駅」というロケで使われた駅名の方が目立ちます。これは留萌線恵比島駅と同じです。観光客らしきカップルが降りていきました。この駅も観光地として生きながらえているだけなのでしょうか?

 

 このあたりに南富良野高校がありましたが、「弘前大学1名合格」と大きな垂れ幕がかけられていました。 

 

 そのあと、金山湖という人造湖らしいのですが、その湖に沿って走ります。15:04に東鹿越に着きましたが、小雨模様。みなさん列車に乗り換えるわけですが、列車の扉が開くまで雨の中で待ちます。

09  新千歳空港と石勝線(2022年5月1日)

   道内旅行記岩見沢から室蘭本線に乗って苫小牧で時間つぶしをした後の話です。


 苫小牧駅は北側のドンキホーテ以外は寂れている様子。昔は駅前にダイエー丸井今井デパートもあって、車なしでも生活するのに便利そうなところだな、と思っていましたが、今となってはそうでもなさそうな感じです。それでもドンキホーテがあるので生活に支障を来すほどではないでしょうが。以前は改札内に駅弁の立ち売りがいましたが、これも見かけませんでした。

 

 今度は11:16発の普通で南千歳へ。11:37着。ここでまた待ち時間があります。駅前のアウトレットモール「レラ」に行こうかな、と思ったのですが、薄ら寒いし、それはやめて、待ち時間を利用して新千歳空港駅に行くことにしました。

 

 南千歳駅のホームの売店が開いていたので、ここで「サーモン寿司」を購入。11:46のエアポート112号で新千歳空港11:49着。

 

 エスカレーターで上に上がって空港の様子を眺めることにしました。ゴールデンウィークだからかも知れませんが、意外と賑わっています。ここの売店の売り子は若い人が多いです。最近は高齢化でどこでもおばさんが多いですからね。パッとしない室蘭本線に乗ってきた身にはちょっと別世界に来た感じ。

 

 国際線はどうなっているのか覗きたくなりました。通路の途中まではなぜか人の姿を見かけましたが、途中からはほとんど人影がなくなります。時間もなくなり、怪しまれそうなので戻りました。今度は新千歳空港12:06発のエアポート121号で戻ります。南千歳12:10着。

 

 さっき駅弁を買った売店を覗くと、もう完売したらしく、張り紙があって閉まっていました。戻ってきてから買おうかな、とも思ったのですが、先に買って置いてよかったです。

 

 今度は12:24発おおぞら5号に乗ります。持っている「HOKKAIDO LOVE! 6日間周遊パス」は指定席にも乗れるのですが、ここまで全部自由席です。自由席の方が気に入った席に座れるのでいいですね。混んでいないときは自由席の方がいいです。今度も進行方向右側に座りました。川に沿って走るので、こちらの方が眺めがいいです。ただ、2度目ですからそんなに一生懸命窓の外を見ているわけではありません。弁当を食べたりします。

 

 それにこの列車だったと思いますが、車内放送の音声が変で、非常に聞きづらいものでした。放送があるたび不快な音声になりますので、車掌に言ってやろうか、と思ったくらいでしたが、短距離なので言いそびれました。もっとも、長い時間乗っていても本当にクレームを入れたかどうかわかりませんが。

 

 トマムで進行方向左側の席に移りました。自由席だとこういうことができます。かつて根室線旧線時代の狩勝峠は「日本三大車窓」と言われたそうですが、前回乗った石勝線の区間ではいい景色というほどでもありませんでした。そこで、反対側ならばどうか、と思ったのですが、さほどの違いはありませんでした。

 

 新得で降りるのですが、降りようとしたら折りたたみ式の自転車が置いてあって邪魔でした。一両先の車両に行って降ります。新得13:47着でした。

08  岩見沢経由、室蘭本線で苫小牧へ(2022年5月1日)

 道内旅行記3日目続きです。

 

 札幌からは8:30発の特急ライラック5号に乗ります。今回は進行方向左側に座ります。この区間は何度も乗ったものの、右側に座ることが多かったので、逆方向の窓側に座りました。

 

 今回完乗がテーマだったので余計そう思ったのでしょうが、一度だけ乗っても片側の窓しか見られないのが通常です。ですから両側の景色を見るためには、最低2回乗らないといけないんじゃないか、と感じました。そう考えると完乗に意味があるのかな、と思ってしまいます。まあ乗らないより乗った方がマシですが。

 

 岩見沢8:55着。今度は室蘭本線に乗ります。この区間は確か乗ったことがあるはずですが、いつ乗ったのか、昔、千歳に住んでいたときのように思うのですが、定かではありませんし、特に追分~苫小牧間が乗ったことがあるようなないような、というところで、記憶があやしいですから、念のため乗ることにしました。

 

 岩見沢9:03発。また1両ですが、同好の士が多いようで、意外な乗り具合です。反対側の席のおじさんはさっそくくつろいで朝からビールを飲んでいます。

 

 進行方向右側に座りました。こちらに座るとこの区間のいちばんの特徴である、非電化複線の線路を眺めることができます。かつて石炭輸送華やかなりし頃の名残ですね。岩見沢からは大部分単線です。窓外は他の路線と同じく、早春の枯れ野で、これと言った面白い景色はありません。追分付近から複線になりますが、列車の離合は一度駅であっただけで、複線区間での行き合いはなく、設備が無駄になっています。

 

 この線区は日本で最後にSLの定期旅客列車が走っていたところで、私は幼稚園か小1だったと思いますが、1975年に確か山口百恵加藤芳郎がこの区間の最後のSL列車に乗ったNHKの番組を覚えています。あとで探してみたら、youtubeにありました。40数年ぶりに見たことになります。

 

 沼ノ端手前では室蘭線が直線の非電化複線、電化の千歳線が下り線だけ室蘭線に寄り添い、上り線だけが大きく迂回する線形になります。今や本線格の千歳線が間借りする格好です。私は過去に何度も乗っているのですが。この上下線の大きな離れ方は、これまた両方に乗らないと「完乗」にならないのではないか、と思わせられます。

 

 沼ノ端を過ぎ、終着苫小牧へ。このあたりに大きなイオンが見えますが、ここに駅を造ればいいのに、といつも思います。小樽築港のようにもともと駅があったのではないのですから、新設は難しいのかも知れませんが。苫小牧の中心部はかなり廃れてしまいましたが、ここに売り上げを吸い取られているのでしょうね。

 

 すれ違いの特急が来ません。これは遅れているな、本来はこの列車の到着前に特急は出発するのですが、もしかしたら間に合うかも、と期待したのですが、苫小牧駅到着寸前にすれ違い、ダメでした。苫小牧到着10:39。とりあえず乗ったかどうか定かでない路線に乗ってすっきりさせました。

 

 ということで接続が悪く、次の千歳線普通まで40分ほど時間があります。本来の苫小牧市街は駅の南ですが、小雨で、しかも駅の商業施設はスカスカでシャッター街になっています。駅の反対側に直結しているドンキホーテで時間を潰すことにしました。

 

 ここは、昔「ファンタジードーム」という屋内遊園地だったのが、長崎屋になり、長崎屋がドンキホーテの傘下になってからドンキホーテ化したようです。駅前では今ここがいちばん大きな商業施設になっているようです。地元のコミュニティーFMらしきDJがラジオ放送をやっているようでした。 

 

 敷地が広いので、ドンキホーテ独特の狭苦しい感じが比較的少ないです。一般のスーパーに近い感じ。「ジャングル陳列」がしきれないのでしょう。ドンキホーテの特色に惹かれてくる客よりは、一般の生活必需品を買いに来る客が多いのでしょう。狸小路ドンキホーテのようなアジア各国の食品は置いていないようでしたが、普通のスーパーのような食品売場は充実していました。まずまずの人の入りですが、それでも空いているところもあり、上階にはバッテングセンターがありました。もと遊園地なので、空きスペースが大きいのでしょう。 

 

 しばらく時間つぶしをして駅に戻ります