写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

100 閣僚と党三役

    内閣改造がありましたね。世間で思われていたより早い改造だということでした。今回は閣僚や党役員について、知っていることをまとめておきます。

 

 閣僚と党三役の関係について書くと、皆さんは将棋をするかわかりませんが、党三役(幹事長・総務会長・政調会長)は「飛車角」に相当すると考えておけばいいと思います。閣僚は「金将銀将」あたりですね。閣僚でも財務・外務・経産)が「金将」で、他は「銀将」ですかね。

 

 党三役に最近は選挙対策委員長を加えて「党四役」というそうです。これが重職。ポスト数も大臣が20人いるのに3~4人しか枠がなく、通常閣僚経験者が党三役につくので党三役の方が格上ですね。

 

 副総裁はナンバー2というよりは長老の処遇ポストで、調整役が期待されていますので、実質的なナンバー2は幹事長です。一方、副総理はだいたい「外様」の派閥ボスクラスの有力者の処遇ポスト。今回の内閣には副総理はいないのですね。副総裁もおかれないことがあります。総務会長は党内まとめ役。政調会長が政策の責任者となります。

 

 閣僚では財務・外務・経産がもっとも重要ポストですが、大蔵時代に比べて財務相はやや権限が縮小されているそうで、また、経産は財務・外務に比べるとやや格落ちです。財務=金、外務=銀、経産=銅というイメージがあります。

 

 あとは省庁再編後、総務相が旧内務大臣的な存在になりつつあるようで、重要ポスト化しています。でも今回は初入閣の人物を起用していますね。

 

 文部科学・法務は利権が少なく、また職務的に倫理性が問われるので政界の主流とはややはなれた、クリーンな人物が起用される傾向がありました。古くは灘尾弘吉氏、坂田道太氏、瀬戸山三男氏、奥野誠亮氏など、利権とは縁の薄い文相・法相コースの人でした。ただ、自民党内で「一言居士」のような存在の議員もいなくなり、最近はこういうコースを歩む政治家を見かけなくなりました。

 

 昔は法務・文部大臣→衆議院議長というパターンが多かったのですが、いまはそういう自民党内ではやや異端的な高潔さを感じさせる人物が枯渇しているようですね。また、文部科学に関しては最近は私学利権の関係もでてきたようです。

 

 国土交通はこのところ公明党の指定席です。公明党厚労相あたりを欲しがりそうなもので、あまり国土交通省の所管分野に関心がある政党には見えないし、逆に国交相自民党の政治家が欲しがりそうなポストですが、むしろあえてそこに公明党を置くことが無難と判断されているのかもしれません。

 

 官房長官は基本的に総理の側近、派閥の後継者や後見人的な人物がつくポストで、副総理がいない場合は事実上副総理的な役割を果たしています。岸田氏の場合は親分だった谷垣氏が首相にならなかったので官房長官をやっていないのですね。

 

 このところは、官房長官→幹事長→首相が王道の出世パターンになっています。もちろん全員がこのコースを歩むわけではなく、菅義偉氏ように、幹事長をやった後に官房長官をやるケースもありますし、官房長官や幹事長の代わりに財務・外務・経産(・総務)か党総務会長。政調会長をやる、というケースが多いようです。