写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

10 昔の韓国狭軌鉄道「水仁線」

 今日はyoutube動画の紹介です。youtubeでは何でもかんでもあらゆる映像を見ることが出来ますが、海外のものも見ることができます。そうは言っても検索能力の限界もありますから、せいぜい韓国語、中国語あたりまでです。映像自体は探し当てることができますが、語学力に乏しいので、映像を見て楽しむだけ、ナレーションは残念ながらわかりません。

 

 それでも韓国の古いニュース映像を見ることがしばしばあります。鉄オタですから、鉄道関係のニュース映像を見ることが多いです。そんな中で、かつてソウル近郊の仁川(松島)と水原を結んでいた、韓国唯一の狭軌線、「水仁線」の映像を探し当てることができました。おそらく1980年代のものと思われます。

 

 ソウル郊外であっても、まだ韓国の田舎では経済成長の恩恵が十分ではなかったのでしょう。ローカル感満載のナローゲージ鉄道だったようです。沿線のハイライトは途中に出てくる細長い鉄橋だったようです。ここを渡ってみたかったです。

 

 それから、女性が頭の上に風呂敷包みを載せて列車を待っているシーンがあります。戦前や朝鮮戦争前後の韓国・朝鮮の絵や写真で、チマチョゴリ姿の女性が頭に大きな風呂敷包みを載せて歩いている、というシーンを見かけますが、これは1980年代まで残っていたのか、と思います。私の初訪韓は1988年ですから、その直前まで残っていたのですね。一回見てみたかったものです。今は韓国に行っても全く見かけませんから、いつ消えたのでしょうね。1980年代なのか、それとも1990年代まで田舎では残っていたのか。このような風俗の変化も気になります。

 

 この線、1990年代に廃止され、今は近代路線として生まれ変わったようです。

こちらが1986年制作らしいです。 

www.youtube.com

こちらは1993年制作とのこと。90年代でもこんな感じだったのでしょうか? 

05 「ダラ」「バカ」「アホ」「パボ」

 方言や地域性の話を連載してきました。私は地域とあまり深く関わる方ではないので、断片的な記憶を書き綴ってきただけです。どこでも「エトランゼ」であり、「デラシネ」的生活をしていますね。

 

 それはさておき、今日は「バカ」の話。「バカ」の方言の地域分布に関しては松本修氏の「全国アホバカ分布考」という有名な本があります。私が付け加えることもないのですが、思いついたことを書き連ねます。

 

 金沢では「バカ」のことを「ダラ」と言っていました。馬鹿者のことは「ダラブチ」と言っていたように思います。

 

 岡山・山口では「バカ」だったようです。東京も「バカ」で、関西が「アホ」というわけです。関西を中心として同心円を描くという「方言周圏論」です。

 

 そんなことはよく知られていることですが、関西では「馬鹿者」のことを「アホンダラ」ということがあるように思います。「ダラ」がつきますね。どうしてなんだろう、と思います。「バカ」に付け足す言葉は「タレ」で、「バカタレ」と言いますね。

 

 もうひとつ興味深いのは韓国語で「バカ」のことを「바보」(パボ)といいます。「バカ」と「アホ」から一字ずつとったような言葉です。これは偶然なのか、日本語の影響なのか、不思議に思っています。

 

 方言学に明るくないし、まして韓国語の語源など全くわかりませんが、「方言」つながりで小記事にしてみました。

 

04 「だるまさんがころんだ」と「花いちもんめ」

 先日来、私は子供の頃にあちこち転校したので、地域の違いが気になって仕方がなかった、ということについて記事を書いてきました。 
 
 皆さんは「だるまさんがころんだ」という遊びをご存じでしょうか?細かいルールは忘れましたが、後ろを向いて、かけ声をかけているときだけ動いていい、という遊びだったと思います。私はこのような遊びに積極的に参加する方ではなかったのですが、それでも何回か遊んだ覚えがあります。
 
 ルールは確かほとんど同じだったはずですが、同じ遊び、ルールなのに、かけ声が各地で異なり、金沢では「兵隊さんがとおる」で、岡山では「インド人の黒んぼ」で、山口では「だるまさんがころんだ」なのです。大人になってから住んだ大阪や北海道では、この遊びに参加することも見かけることもなく、かけ声の違いを確認することはありませんでした。
 
 一方、「花いちもんめ」という遊びもあります。この遊びの場合、私が住んだ金沢・岡山・宇部の3つの地域で、どこでもほぼ同じ歌・同じ歌詞だったように思います。考えてみれば、むしろこちらの方が不思議です。
 
 「勝ってうれしい花いちもんめ」「負けてくやしい花いちもんめ」「しろざとまとめて花いちもんめ」「くろざとまとめて花いちもんめ」「タンス長持ちどなたが欲しい」「あの子が欲しい 」「あの子じゃわからん」(これに「この子が欲しい」「この子じゃわからん」が続く場合もありました)「 相談しましょ 」「そうしましょ」という歌詞だったはず。途中歌詞を省略することもあったように思います。
 
 ところが今になってネットで調べて見ると、これも地域性があるようですね。ネットでは、私が聞いたことのない歌詞が紹介されていますし、「しろざと」「くろざと」という歌詞は、ネットで調べても出てきませんでした。「ふるさとまとめて…」という歌詞は載っていましたが。
 
 もしかしたら「しろざと」云々の歌詞と、「タンス長持ち」の歌詞が地域ごとに違っていたのかもしれません。残念ながら、どの地域が「しろざと」で、どの地域が「タンス長持ち」だったのかまでは記憶がありません。
 
 ただ、この遊びはさほど地域性がないなあ、という印象を持っていたことは確かです。
 
 皆さんのところでは、どのようなかけ声、歌詞だったでしょうか?
 
 (2020年7月24日追記)
 今日偶然、「だるまさんがころんだ」をやっているのを見かけました。北海道も山口と同じ「だるまさんがころんだ」なのですね。
 
 
 
 

03 「方言チャート」をやってみました

 昨日は方言の話を書きましたが、私はあちこち住んでいましたから、一体どこの出身と判定されるのだろう、と思い、「方言チャート」というサイトを試してみました。

ssl.japanknowledge.jp

 このサイトは、使う言葉で出身地を判定しよう、というサイトです。大学で作っているようですから、ある程度の信憑性があるようです。私は出生地(および本籍地)、実家の所在地、高校までの卒業校の所在地、死んだ祖父母の居住地、そのお墓の所在地、現住地がすべて異なる道府県です。(「都」がないところがミソ)

 

 このような生い立ちですから、出身地をたずねられると困惑するのですが、現住地が北海道なので「本州出身です」と答えざるを得ません。

 

 私は北陸・関西・中国・北海道の言葉の影響を受けていますから、いったいどこの出身と判定されるのか、興味を持ちました。しかも私はあまり外遊びをする子ではなかったせいか、子供の時、教師から「きれいな標準語を話すね」といわれたことがあります。どうも友人よりもテレビなどのマスコミに接している時間が長く、その影響もあるかもしれません。

 

 さて、どこ出身と判定されるか、やってみることにします。

 

 翌日、家に不在の時、「明日、家におらん」と言うことがありますか?

  昔いっていました。いまは「いない」といいますけど。

 

 冗談を言う時などに、「なんちゃって」という意味で、「じらー」と言うことがありますか?

 いいません。聞いたこともありません。

 

 「そんなことしん」または「せん」と言うことがありますか?

 これは今でもいう時があるかもしれません。「はい」です。

 

 家に他人を招待した時、「くつろいでいってね」という意味で「ゆくっていってね~」と言うことがありますか?

 いいませんし、聞いたこともありません。

 

 この乗り物(自転車)を「ケッタ」と言うことがありますか?

 いいません。愛知県でいうらしいですね。北海道では「チャリ」という言い方を聞きますが、私は使いません。

 

 机を運ぶとき、「机をつる」と言うことがありますか?

 いいません。

 

 ノートを使い切った時、 「ノートが詰まった」と言うことがありますか?

 これもいいませんし、聞いたこともありません。

 

 「力一杯」のことを「ちかっぺ」と言うことがありますか?または、地元の人が言っているのを聞いたことがありますか?

 いわないし、聞きません。

 

 「歌詞の1番、2番」のことを「1題目、2題目」と言うことがありますか?

 いっていました。石川県の慣習ですね。

 

 助けてもらったお礼を言う時に、「助けてもらってあんやとね」と言うことがありますか?

 いいませんが、たしか祖母や親戚がいっていました。「はい」になるのでしょうか?ここが分かれ目のポイントになったようです。

 

 ここで富山県突入」と表示されました。「あれ?」ということになります。

 

 道端の「側溝」のことを「えんぞろ」と言うことがありますか?

 いいません。金沢では「ドブ」といっていました。他地域での呼び方に覚えがありません。

 

 「お腹がいっぱいで苦しい」ということを「腹ういー」と言うことがありますか?または、地元の人が言っているのを聞いたことがありますか?

 いいません。聞いたこともありません。すると…

あなたの出身は富山県
越中五箇山)エリアですね!?

と表示されました。多分石川県に近いからそうなったのでしょうが、当たっていませんね。途中で「(自分ではなく、北陸出身の)親戚がいっていた」というのを「はい」にしたので、北陸出身と判定されたようです。

 

 ちなみに47都道府県版では福井県となりました。なんでその中間の石川県にならないのか、また中国・近畿地方や北海道の影響がないのも不思議です。まだ改善の余地がありそうですね。

 

 次に、昔使っていたか、聞いたことがあるか、という観点ではなく、「今の自分が使っているか」という観点でやってみると、迷走したあげく、なんと、埼玉県武蔵地方という結果が出てきました。

 

 途中で北陸や関西・中国・九州・北海道と思われる言い回しについての問いが出てくるのですが、今現在の自分は使用していないので、ほぼ「いいえ」となります。すると関東とは全く縁がないのに埼玉出身ということになってしまうようです。今の私は「ニセ埼玉県民」とでもいうべき言葉を使っていることになるのでしょうか?

 

 設問に答えていくうち、「そうそう、こういう言い方あったなあ」と思い出す言い回しがありました。機会があったらまた方言について書いてみたいと思います。

02 あちこちに住んで方言の違いを知りました

 昨日は私が住んだことのある町で、街角でよく見かける店が違う、という話を書きました。今日は、それで思い出したことを書いてみます。   
 
 今回は方言について。近頃はネットでもテレビでもこのような話はよく紹介されていますが、自分の経験を書いていきます。
 
 小学校では朝の会で「健康観察」をします。目にできるイボがありますが、これを金沢では「目もらい」、岡山では目ばちこ、山口では「目いぼ」といっていました。(関東では「ものもらい」というそうです)近頃はこの病気をあまり見かけないせいか、北海道ではどう言うのか、日常生活のなかで聞いたことがないように思います。「ものもらい」でしょうか?
 
 
 山口では「ハンコ」といっても通じず「印判」といったり、金沢で「はなかみ」というところ、山口では「ちり紙」となっていました。山口にいたとき、最下位を意味する「ビリ」が通じず、「ドベ」というのだ、というのを知ったこともありました。
 
 
 金沢では小学校の通学区域のことを校下、岡山では「学区」、山口では「校区」とよんでいました。これは方言というよりは慣習なのか制度上の問題なのか。
 
 
 「とても」にあたる言葉と語尾は地方色が豊かです。「とても」を金沢では「まんで」、岡山では「ぼっけえ」、山口では「ぶち」といっていたように思います。
 
 
 北海道にきてから「なまら」という言い方を知りました。しかし、この言葉は大学などでは聞くことはなく、年配者も使いませんでした。当時の若者言葉だったようです。それも札幌ではよく聞いたものの、のちに千歳にいくと聞くことはほとんどなくなりました。今は札幌の若者でもあまりこの言葉を使うことはなくなったようで、方言と流行語の中間的存在だったようです。
 
 
 そう考えると、本州を離れてもう長いので、ここに書いていることも変わっているかもしれませんね。
 
 
 大阪など、関西では「めっちゃ」をつかう若い人が多いと思いますが、年配者は「とても」の意味で「えらい」を使うケースが多かったように思います。
 
 
 「えらい」といえば、私は疲れたとき、「しんどい」を使いますが、岡山や山口では「えらい」を使います。これには違和感を感じていました。「えらい」は「偉大だ」という意味だと思っていたからです。「ふざける」は岡山では「ちばける」、山口に来てからこの言葉を聞かなくなりましたが、一度年配の先生が「ちばけるな」といったことをよく覚えています。昔は山口でも使っていたのかな、と思っていました。
 
 
 「いけない」は大阪では「あかん」といいますね。岡山や山口では「いけん」という人が多かったように思います。大阪にいたとき、九州出身の人が「いかん」と言ったことがありました。北海道では「だめ」というケースが多いように思います。
 
 
 語尾も地域性が豊かです。うちの金沢の親戚は語尾に「じ」とか、勧誘の意味で「まっし」というのを使っていました。あと、気になったのは、日本語の発音にない「うぇ」とでもいう語尾を使うのを聞いたことがありました。
 
 
 大阪の場合は「ねん」とか、「や」が多いですね。
 
 
 岡山では同級生が「じゃけえのお」という風に日本昔ばなしのおじいさんか?と思う言い回しをしていました。民話「桃太郎」が岡山の話なので、岡山弁=日本昔ばなし、というイメージができたのかもしれません。山口では「じゃけえ」が「じゃけん」になり、語尾に「ちゃ」をつける言い方をする人が目立ちました。
 
 
 北海道では皆ではありませんが、東北風の「べ」を使う人がときどきいます。「しょ」という語尾もありますね。これは私も北海道に来てから使うようになりました。
 
 
 「捨てる」は金沢では「ほーる」、岡山や山口では「捨てる」だった気がします。大阪の祖母が「ほかす」という言い方をしていましたが、若い人からはこのいい方を聞くことはありませんでした。北海道では「投げる」ですが、いまだに「ゴミ投げ」という言い方には違和感を感じます。
 
 
 私が子供の頃に住んだのは金沢・岡山・山口で、あと成人後に住んだり、多少縁があったのが、北海道・大阪・広島・福岡といったあたりです。ですから東北・関東・東海・四国・九州といった地域のことはわかりません。こうして北海道に居着いて長年過ぎてしまうと、もう少しあちこちに住んで、いろんな言葉や習慣を収集してみたかったなあ、と思います。もっともあまり人づきあいしない人になったので、大人になってからはあまり収集できなかったかもしれませんけど。
 
 
 他にも思い出したら折に触れて書いてみたいと思います。