写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

14 意外な前橋(1999年8月9~10日)

 「ムーンライトながら」の指定がとれない人のための救済列車として設定されている臨時列車に乗ります。この臨時列車は以前からありました。22:52大垣発のその列車に乗って、はじめは165系で喜んでいたのですが、名古屋で「ムーンライトながら」に抜かれる頃になると、やっぱりあっちがいいなあ、と思うようになりました。はじめはワンボックス占領して、足を伸ばしていたのですが、深夜の静岡で思いがけずおばあさんが私の向かいに座り、しかもしばらくして小柄な身体だったのでシートに寝そべってしまい、足が伸ばせなくなりました。不愉快さはつのり、そのまま東京4:47着。8月10日、旅行最終日です。

 

 早朝に着いてもすることがないので、どこかへ行って貯金をしてこようと思ったのです。夜行の車中でどこに行こうかで考えていたのですが、甲府・千葉・水戸・前橋・静岡などが候補に挙がりました。時間を勘案すると静岡か前橋が適当のようです。静岡まで戻るのはアホらしいということで、結局、前橋に行こうという結論になり、行くことにしました。結構行きにくい穴場です。上野駅まで行って高崎線に乗って5:43発車。両毛線にそのまま乗り入れて7:43に前橋駅に着きました。

 

 地元の方には悪いのですが、前橋というところ、こういう目的でもなければ一生行くこともなかったでしょう。小雨が降ったりやんだりという天気です。地図で確認すると、前橋中央郵便局は、駅から遠く離れた城東一丁目というところにあります。バスでどうやっていくのか調べようとしましたが、案内板が全くありません。バスは次々来ますが、変なところに行っても困るのでとまどっていました。あれこれ思案した挙げ句、歩いても1時間以内だろうと思って、徒歩で行くことにしました。歩いていくと営業開始の9時に着いてちょうどいいと思ったのです。

 

 観光都市でもないのにレトロ調バスが走っていたりして意外でしたが、よそから来た人間がたやすく利用できないのでは困ります。群馬県は全国の中でも路線バスの衰退がもっとも激しいそうですが、こんなところに一因があるのかも知れません。(当時読んだのですが)乗客は20年前の1~2割だそうです。

 

 前橋駅前通りは大きなけやき並木です。こんな立派なけやき並木を持つ町は珍しいでしょう。途中で曲がって上毛電鉄中央前橋駅を通り過ぎました。電車が見えないのでちょっと覗いてみたかったのですが、見知らぬ町で方向感覚がおかしくなっても困るので、断念。

 

 30分ほどで無事前橋中央郵便局につきました。ですがまだ8時半過ぎで開いていません。そこで位置を確認してから、周りを散歩してみました。意外だったのは、近くを水量豊かで勢いよく流れる小さな川があり、水車のオブジェや散歩道も整備されていて、思いがけず涼しげですてきなところでした。広瀬川とかいうそうです。萩原朔太郎記念館も近くにあるみたいでしたが、まだ開いていないでしょうから、行きませんでした。

 

 郵便局が開くと同時に貯金を済ませ、帰ろうとしたところ、営業案内が目に入ったのですが、この局の貯金窓口は18時まで開いていると書いてあります。全国どこでも郵便局の貯金営業は16時までだと思っていて、これまでそれを前提に予定を作っていたので意外でした。ハンコは問題なしです。

 

 帰りは前橋駅行きのバスに乗ればいいわけですから近くのバス停からバスに乗り、駅に着きました。あんまり本数がないようでしたが、うまく乗れました。

 

 次回は東京に戻るまでの話でも。