写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

16  嶺東線で機関車故障(2001年1月5日)  

 夜の堤川駅で1時間ほど過ごし、19:21発嶺東線(韓国東部の江原道を嶺東といいます)のセマウル号に乗り込みます。この線唯一のセマウル号です。この線は山岳路線なので電化されています。今嶺東線と書きましたが、途中まで太白線という線を経由します。

 

  この列車も混んでいました。食事をしていないので食堂車に行き、ハンバーグ定食を食べました。結構おいしかったので満足しました。セマウル号は韓国語の他、日本語と英語のテープ案内があるので安心ですが、なぜか今日乗った二本のセマウル号では中国語の案内もありました。湖南線は中国に近い地域を走るのでこの線だけやっているかと思いましたが、なぜ嶺東線の列車にもあったのか不思議です。京釜線はありませんでした。

 

 これまで韓国の鉄道に乗って列車が遅れたことがなかったので、韓国の鉄道の正確さを信頼していました。ところがここは厳寒の山岳路線。途中で列車が突然止まります。本来のダイヤでも深夜に目的地の東海に到着するのですが、ここで止まったら大変なことになります。しばらくして韓国語でアナウンスがあり、ほとんどわからなかったのですが、「機関車故障」という言葉が聞き取れたので、妙に安心しました。理由がわかるだけでも気が少し落ち着きます。

 

 これはどうなることやら、と思ったのですが、案外早く(10~15分ほどか?)動き出しました。次の駅でまた止まりましたが、「補助機関車連結のため」というアナウンスがこれまた聞き取れたので安心。結局20分遅れになりました。

 

 夜10時近くになって、さすがの満席セマウル号もかなり空いてきました。ここで実は韓国唯一のスイッチバック区間があります。ここを通りたいがゆえに嶺東線にこだわったのです。もっとも夜ですから外はよくわかりません。いったんストップしてそろりそろりとバックして山を下りはじめ、下ったところでまた前に向かって進み始めます。かなり大規模なスイッチバックで、日本にもこれくらいの規模のものはないだろうといわれています。

 

 結局東海駅には定刻22:27のところ20分遅れで22:50分ごろ着きました。この列車は江陵行きですが、着くのが23時過ぎになるので東海までにして、江陵は翌日行くつもりにしたのです。

 

 深夜の田舎町で宿を探すのは心配だったのですが、駅前すぐに旅館がありました。ただし小汚い感じです。ですが泊まれればどうでもいいと思っていたので、空いていると言われてホッとしました。25000ウォンでバストイレつきです。ベッドが清潔だったのでいいということにしましょう。テレビで深夜番組を見ていたら、軍隊のドキュメンタリーをやっていて見入ってしまいました。兵役がある国は大変ですね。