写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

18 嶺東線スイッチバックとキムパプ(2001年1月6日)

 さて、1月6日7:42東海駅発ムグンファ号に乗ります。はじめは空いていて、なーんだ、と思いましたが、そのうち混んできて満席になりました。ムグンファ号は立席が常態化しているようです。慣れたせいかキムチ臭いにおいはしませんでした。

 

 今度は明るいうちにスイッチバック区間を通ります。確かにかなり大規模です。バックして山を登り、一度止まって、また進行方向に進みます。スイッチバックで興奮して気がつかなかったのですが、この後スパイラル線があったのです。後で「韓国の鉄道」の本を読んで気がつきました。13キロで300メートル近く登るそうです。とにかく、目的のスイッチバックを体験して満足満足です。

 

 山岳路線なので、山裾をぬって走る区間もありました。川はみんな完全に凍っています。

 

 車販のおじさんが来るとなんやかんや買います。まずキムパプという太巻きバナナミルクコーヒーなど。キムパプは3500ウォンでした。このキムパプ、韓国旅行記では必ずと言っていいほど「まずい」と書かれています。見かけは日本の太巻きそっくりなのですが、海苔にゴマ油が塗ってあるのと、酢飯でないため、日本の太巻きと同じだろうと思って食べるとまずくて食べられない、ということになってしまうのでしょう。

 

 でもこのキムパプ、そういうものだと思って食べると別にまずいというほどのものではありません。むしろおいしいです。文化論に飛躍してしまいますが、韓国という国を理解できるかということはキムパプを味わえるかどうかということと同じなんだろうと思います。一見日本とおんなじ。でも食べてみると全然違う、このとき「まずい」と投げ出してしまうか、事前に学習していて「こういう味もあるのだ」と思えるか、こういうことが韓国理解の重要なポイントであると思います。

 

   偉そうにいっていますが、キムパプセットになぜか一個だけいなりずしが付いていて、これは油揚げにもご飯にも味が付いていなくて、何だこれは、と思いました。やはり知らないとこういうことになるわけです。

 

 ダム湖らしき湖を眺め、郊外のラブホテル(どうも「パーク」という名称が多い)があったりしているうちにいつの間にか市街地に入り、13:50清涼里着。この駅は東京の上野にあたり、あんまり治安が良くないという話もあるのですが、改築中でした。またおそるおそる仮設階段を登り、駅から外にでて地下鉄に乗りました。胡散臭そうな物売りが来て何かのアイデア商品を売ったりしていました。こういう人がいることは知っていましたが、初めて見ました。新聞屋も来ます。何度も同じ車内放送があるので「次は○○駅、降り口は○側」というようなのはさすがに聞き取れるようになってきました。

 

 ソウル駅にでて、京釜線で釜山へ。ところがまた満席。しかしインフォメーションのお姉さんは日本語で「自由席に乗ればいいです」とのこと。最近セマウル号の5号車は自由席になっているのです。乗ってみると指定は満席なのにさほど混んでいません。韓国では全車指定席が当たり前ということで、まだセマウル号の自由席は知られていないようです。15:00発の19:25着。着く直前に釜山港へ帰れ」の歌が流れるのが面白かったぐらいで、京釜線セマウル号はもう3度目なので特に変わったこともありません。

 

 釜山駅から地下鉄中央洞駅に行き、近くの旅館に泊まりました。25000ウォン。なんか上から変な音がしてあんまり感心しない旅館でしたが、とにかく落ち着いて、それから近くの大衆食堂で「カルビタン」を食べました。本当のカルビタンは骨付き肉のスープで、キムチとご飯を中に入れて食べるとおいしいのですが、大衆食堂なので骨付きではありませんでした。まあ4000ウォンぐらいで味もまあまあだったのでいいとしますが。でもキムチがいまいちでした。