写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

17  特急「白鳥」乗車指南<その1>

 こんな記事を書いても今更何の役にも立たないのですが、最近鉄道記事がないので載せておきます。毎日更新のため資料も十分確認せず書いてしまいました。後で訂正するかも知れません。長くなりますので3回に分けて掲載します。

 

 私は北海道在住で、かつ金沢と西日本に親族がいた関係で、80年代後半から90年代にかけて、特急「白鳥」のお世話になることが多かったのです。短距離利用も含めれば、多分20回ぐらい乗ったのではと思います。

 

 寝台の「日本海」や、「きたぐに」→「いなほ」の利用経験もあるし、東京回りや航空機利用、青春18きっぷ利用の鈍行旅行、あるいは船の利用も経験したのですが、結局、鉄オタ趣味と時間・料金の兼ね合いで「白鳥」→「はまなす」ルートがいちばん妥当でした。もう廃止されて20年経ちますが、この際、3回に分けて特急「白鳥」乗車指南を書いておきます。

 

 まず、上り下りどちらがおすすめか、というと、これは上りの大阪行きの方です。下りの青森行きの場合、羽越本線で夕陽が落ち、海岸線に近い下り線を走るのはいいのですが、そのあと暗くなって青森までわびしい気分で過ごすことになります。北海道に行く場合、さらに急行「はまなす」に乗り継ぎますから、かなりの苦行です。上りの場合、札幌出発後、まず夜行の「はまなす」で一晩過ごすことになりますが、先に夜行に乗った方が疲れは少ない気がしますし、また、夏場であれば青函トンネルをくぐる前は暗く、出ると明るくなっていた、という面白い経験をすることができました。

 

 また、青森を早朝に出て、だんだん賑やかになり、夕方大阪に着く、という方がわびしさがなくて好ましいのです。

 

 それから、上りの場合、春秋には、青森出発時は暖房がはいっているのに、大阪到着時は冷房が入っている、という体験もできました。今どきの短距離列車では、そういう経験をすることはないかと思います。では、青森駅出発から。

 

 「はまなす」で一晩過ごし、青森駅で駅弁を買います。早朝ですが、ホームにワゴンも出ていましたし、「こけし亭」とかいうそば屋もやっていました。だいたい私は先頭車の自由席一番前の席、進行方向右側の席を占領します。485系ですから先頭が見えるわけではないのですが、ある時期からここが自分の「勝手指定席」となっていました。

 

 6時過ぎに青森駅を出発して東北本線と分かれ、まだ当時は新幹線建設前の新青森駅を通過、弘前へ。リンゴ畑が展開します。鷹ノ巣大館という駅に停まります。「白鳥」では大館名物の「とりめし」を売りに来ないので、この列車に乗るときはこの弁当を食べることはできませんでした。

 

 8時半頃着く、秋田で客が入れ替わります。ここからは羽越本線秋田駅の弁当も車販では売りに来ません。一度だけだったと思いますが、羽後本荘の「すき焼き弁当」というのをかごに入れて売りに来たことがあり、これを買ったことがあります。

 

 仁賀保を過ぎ、田んぼの中に「島」が点在する象潟の不思議な風景が見えます。まだこの段階では車販は青森から乗ってきたワゴンだけです。

 

 酒田・鶴岡付近で、ようやく駅弁売りがやってきます。酒田の業者「酒田駅弁当」というのと、鶴岡の「太平食堂」というのが来るときがありました。これを買うときもありましたが、普通の幕の内だったように思います。

 

 あつみ温泉をすぎると、山形・新潟県境の景色のよい区間笹川流れです。海に沿って列車が走ります。たまに車掌がアナウンスすることもありました。ただ、この区間は単線と複線が入り組んでいて、複線区間では上り線が山側に新しく掘ったトンネルを通ることも多く、やや景色は下り線に劣ります。それでも鄙びた景色のよい海岸線を堪能できます。一度降りてみたいなあ、と思っていましたが、機会がありませんでした。一方で羽越線沿線の海岸縁の路線で家を見かけると、こんなところに住むのは住みにくいだろうなあ、と思ったのも事実です。

 

 村上のあと、坂町とか、中条とか、比較的小さな駅も停まって、新発田から白新線に入り、新潟駅へ。新潟に向かう路線はなぜかどん詰まり感があります。景色が煮詰まる、という感じがするのです。ここで12時ごろ。数分停まりますので一度外に出ることもできるのですが、あまり出た覚えがありません。この駅では座席の方向転換をしなければいけませんし、乗降が激しいので、出ない方がいいと思ったのでしょう。ただ、末期にはダラダラ長時間停車するようになり、「白鳥」も落ちたな、と思わせられました。

 

 この駅前後では、「新発田三新軒」とか、新津の「神尾弁当部」とかいう業者の駅弁を売りに来て食べた覚えがあります。特に後者の「鮭ずし」を何度か食べた記憶があります。なぜか新潟の駅弁はあまり売りに来なかったような印象があります。

 

 以下は次回に。