写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

14 3日目午後 メークロン市場から帰る(2020年1月9日)

 さて、メークロンの線路市場での食事も終わり、2時ぐらいでしょうか。駅のホームは日よけがあるのでそのベンチに座っています。次の列車は2時半に到着し、3時半出発。2度目の折りたたみ市場見学ができます。不通になっているのは川向こうのバンコク寄りの線なので、この列車は順調ならば定時につくはずです。

 さて、帰りどうしようかと思います。どうも行きで一緒だった欧米人氏は水上マーケットにでも行ったようです。少し離れたところにアムパワーの水上マーケットというのがあり、当初、私も行こうか検討していました。ですがバスで行くことになりますし、今からでは不安です。

 

 いちばん順当なのはさっき確認したバスターミナルからロットゥーという小型バスに乗っておとなしくバンコクへ帰る、というやり方。ですがどれがバンコク行きかわかりませんし、途中で列車を降りたので全線走破できていません。しかし破断された線路の写真を思い出すともう直ったとは思いにくいです。

 

 でも、東南アジアのことだから、適当に修理してもう開通している可能性も少しあるかなあ、と思います。で、切符売り場を覗きますが、2時半に次の列車が到着するまでは閉まっています。横の事務室から出入りがあるので、思い切って英語で「Today does the train run from MAHACHAI to WONG WIEN YAI?」とメモ帳に書いて事務室に入り、そこにいた人に見せると切符売り場の奥に入れられます。

 

 そこの係員は「OK」とか「No problem」というのです。もしかして不通の情報がこちらの駅に届いていない可能性もありますが、いくらタイでも不通情報があればこちらの駅まで届いているでしょう。

 

 ということで、どうやら動いているらしい、本当かな、と思いつつ、この際また、賭けに出てみよう、と思います。マハーチャイ駅で止まっていたらまた誰かのあとでもついていけばいいかな、そういう人がいなければ、バスかタクシーの乗り方を聞こう、英語のわかる人もいるかもしれないし、駅員もそれぐらいは案内してくれるだろう、まあとにかく、成り行き任せで行ってみよう、と意を決します。

 2時半になり、列車がやってきます。今度は駅のプラットホームから市場のテントが折りたたまれる様子を見ようと思いますが、多数の観光客が線路上に立ちはだかり、携帯のカメラを向けています。多分何十人、もっといたでしょう。ですからテントを折りたたむ様子がホーム上からではいまひとつ見にくいです。

 

 それでも折りたたまれ、列車がまた警笛を鳴らして、警備員が笛を鳴らして観光客を線路上から押しのけて列車がやってきます。youtubeにもいっぱいこの線路市場の動画がありますが、そこまでして写真や動画を撮る必要があるかなあ、と思ってしまいます。ですがこうやって記録を書くと、写真や動画なしではうまく表現できなくて困りますね。

 窓口が開き、切符を買います。もちろん売ってくれます。10バーツ。列車が着いたので、発車まで1時間ほどありますが、さっさと乗っていい席を確保。もちろん冷房なし、窓は全開。もうすることもないので1時間列車の中に座っていたのですが、次第に客が多くなります。どうもツアー客が1区間だけ試乗するようです。出発間際にはギューギュー詰めになりました。早めに席を取ってよかったと思います。今度はさっきとは反対の窓側の席に座ります。

 

 メークロン駅を15:30に出発。ここもそうだったか、あやふやですが、タイの国鉄は発車の時、手で鐘をカランカランと鳴らします。そしてまた、線路市場をそろりそろりと抜けていきます。さっきと同じで、観光客や店員がいて、テントをあげて持ち、品物は線路の下に置かれたままです。市場を過ぎて次の駅で大量下車。ディーゼルカーはまたスカスカになりました。

 列車は熱帯の平原を走ります。暑いですが一応風が入ります。1時間ほどして、バーンラム16:30着。どうも歯ブラシの行商をしているらしい、おばさんがいました。到着直前、大仏が見えたのですが、おばさんはそれを拝んでいました。さすが敬虔な仏教国です。

 

 ここの船着き場は朝通りましたから、問題なく行けます。欧米人数組がいます。私は歩きますが、駅前には自転車でこぐ人力車である「リキシャー」がいて、それに乗った欧米人老夫婦が追い抜いていきます。磯臭い町です。埠頭から渡し船3バーツ。行きに乗ったものと同じです。

 

 行きは簡易バスでいきなり埠頭に着いたので、マハーチャイ駅の位置がわかりません。一応ブログ記事を持ってきたのですが、駅から埠頭への行き方で、逆だと使いにくいものです。そこで欧米人数組がいたのでまたそのあとをついていきます。すると市場のある通りを歩き、しばらく行ったところで左に曲がります。あとをつくとやはりマハーチャイの駅でした。助かりました。

 動いているのか?と思いましたが、女の駅員は何も言わず、切符を売ってくれました。10バーツ。終点のWONG WIEN YAIという発音がわからず、行きは地図を見せて失敗したので、列車の中で「ウォン ウィエン ヤイ」と呪文のごとく何度も練習してました。

 

 マハーチャイ駅は日よけがあるのでやはり薄暗くジメジメした感じで、ホーム脇にも店がたくさんあり、小市場の様相。メークロンほどではないですが、線路すぐ脇で商売している人もいるようです。ホーム脇の売店でバケツに氷を入れて冷やしてあるコカコーラを20バーツで買います。それをホームのベンチで飲みます。

 

 しばらくすると、ちゃんと列車がやってきました。行きの不通は何だったんだ、そんなに簡単に開通するのか、と思います。ガイドブックを見たら、保線状態が悪いのでよく区間運休することがあるとのことでした。こういうのが日常茶飯事なのかもしれません。ホーム上には朝あとをついていった赤白の服のアジア系カップルの姿がありました。例のひょろっとした欧米人は帰りには姿を見かけませんでした。

 17:35発のはずですが、列車に乗って待っていると、17:20分に突然発車。乗っていてよかったです。おそらくやってきた列車はダイヤが乱れていて、遅れてやってきた前の列車だったのでしょう。今度は順調に走ります。しばらく行ったところで線路工事の人夫の集団を見かけましたから、この人たちが直してくれたのでしょう。感謝感謝。

 

 夕暮れのバナナ畑が目立つ湿地帯を列車はガタゴト走ります。この線沿線は水郷地帯のようで、水路が多く、このあたりの家は水上家屋が多いようです。水路の上に家を建てた方が涼しいのでしょう。こういう風景は幹線道路からは見えません。帰りだけでも乗れてよかった、と思います。

 

 そうこうしているうちに朝に列車を降ろされた「ワットシン」駅に到着。やったー!これで完乗だ。と嬉しくなります。今日は波瀾万丈だったけど、メークロンまで往復できて、線路上と線路下から2度ずつ列車を見られたので、一生の思い出になる旅になったな、 と思います。

 この時期のバンコクは6時に日が暮れます。暗くなったウォンウィエンヤイ駅に定時では18:20到着ですが、ほぼ同じぐらいの時刻に着いたと思います。ホーム上の露店は減っていましたが、出口のところに揚げ物を串に刺している店があったので、そこの女の人からエビかなんか(カニカマ?)の揚げ物と、魚団子を買います。値段がわからなかったので20バーツ札を当てずっぽうに出したら、ちょうど20バーツだったようです。