写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

08  日本は災害列島<その1>

 2011年の東日本大震災のとき、「理科年表」を買ってきて災害についてあれこれ考えてみたことがあります。過去100年間の主な災害をネットも参考にしてまとめてみたのです。専門家ではないし、災害単位・県単位にどれぐらい死者が出たのかを集計して眺めてみただけでしたが、当時書いていたことに加筆をして載せておきます。今回は長文です。
 
 当時、年表的なものも作ったのですが、「理科年表」をまとめ直しただけですので載せるのもどうかと思います。ということで、考察、というか、気づいたことだけを書いておきます。稚拙なまとめですが、読んでやってください。
 
 台風・水害がやはり一番多い。
 
 10人ぐらい死んでいるのは書ききれないほどあります。100人以上死んでいる程度でもざらにあります。
 
 年表だけを見ているとどの「台風何号」が、どんな台風か、思い出せないものが多いのです。理科年表とネットを見比べて、「あれが関門トンネル水没の水害か」(1953年)とか、「あれがちびまる子ちゃんに出てくる静岡の大洪水か」(1974年)とか、「あれが青森でリンゴが落ちた台風か」(1991年)なんて思い出しました。
 
 ですが、調べているうちに「ドラマ『岸辺のアルバム』のモデルとなった、多摩川に家が流された水害は?」とか、「東京の地下鉄が水没したのは?」とか、「兵庫の豊岡で人がバスの屋根に人が乗っていた水害は?」、果ては「西川峰子の栃木の別荘が流されたのはいつだっけ?」などと、妙なことまで思い出し、気になり出しました。
 
 確認すると、「岸辺のアルバム」のモデルとなった、1974年の台風はインパクトは強いですが、100人単位で死者が出たわけでもないようです。この年はむしろ、「ちびまる子ちゃん」に出てくる静岡水害の方が大被害です。東京の地下鉄が浸水したのは1993年の台風ですが、これも死者はそこそこ出ているものの、すごく多いわけではありません。
 
 台風は毎年のように数十人が死ぬ被害が出ているのと、毎年同じように数字で「台風○○号」と表記されるので、地震に比べると名前が印象に残りにくくなります。
 
 まあ、台風は「安定して」「コンスタントに」死者を出す災害のようです。厄介ですね。「西川峰子の新築の別荘が流された台風」、というのは1998年でした。これもいつだったかなあ、という程度の台風です。死者はそこそこ出たはずですが。豊岡の水害でバスの屋根に人がいっぱい乗っていた現場は京都府舞鶴市だそうで、乗っていた人が豊岡の退職公務員一行だったとのこと。これは2004年でした。
 
  台風といえば、私も怖い思いをした経験があり、1982年に私が初めて鈍行旅行をしたさい、兵庫県千種川鉄橋の上で停電して電車が止まり、数時間増水した鉄橋上で怖い思いをしたのがあったことを思い出しました。あの年は長崎水害があって徹夜でNHKの臨時放送を聞いていました。
 
 ただ、台風に関しては、1959年の伊勢湾台風以後、1000人単位で死んだ例はなく、少しずつ被害者は減る傾向があるようです。また、台風はあちこちで被害があって「何県でおきた災害」という、くくり方がしにくいです。
 
 意外に噴火の被害は小さい。
 
 ここ100年では、大正時代の桜島と、雲仙普賢岳(1991年)、比較的近年の長野の御嶽山(2014年)ぐらいで、あとは数十人死んだというケースはあまりないのです。有珠山阿蘇山浅間山もしょっちゅう噴火している割には0ではないにしろ、人的被害は少ないです。これは意外でした。有珠山は何度か大騒ぎがありましたから。たまたまなのか、対策が進んでいるのか?伊豆大島も三宅島も、全島避難した割には人的被害は少ないです。
 
 ③豪雪は意外と被害が大きい。
 
 うちの母親から金沢での「昭和38年(1963年)の三八豪雪」の時に「家の二階から出入りしていた」という話は聞いていたのですが、それ以来大した豪雪の印象がなくて、雪害は克服されたかと思っていたのですが、100人以上死者が出ている災害が2回(1981年・2006年)ありました。雪害はじわじわ被害が広がっていくのでしょうね。衝撃度は低いのですが、油断できません。
 
 ④地震の被害
 
 大正時代の関東大震災は有名ですが、終戦前後にむやみに1000人以上死んでいる大地震が起きています。戦後すぐの福井地震は聞いたことがありましたが、鳥取でもこの頃大地震が起きていますし、愛知県の戦時中の地震など、1回だと思っていたのに、1000人単位の死者がでている地震が2回あったのですね。地震は突然起こるし、被害も巨大になることが多く。インパクトが大きいですが、阪神淡路大震災東日本大震災が戦後ではダントツですね。
 
 ⑤どこが安全か?
 
 100人以上の死者が出るような大災害が発生していない県を確認したら、以下の各県でした。山梨・滋賀・奈良・岡山・愛媛・大分・宮崎・沖縄の8県です。沖縄なんて非常に意外です。
 
 沖縄は台風がしょっちゅうきますけど、考えてみれば、大洪水の被害でたくさん死者が出た、ということを聞いた覚えがないです。大きな川がないからでしょう。また、沖縄は温泉がないらしいのですが、それから類推すると、地震や火山の影響も少ないのでしょうか?まあ、将来、地震が起こる可能性は否定できませんし、よそで起きた地震の影響による津波の可能性はかなりあるとは思います。
 
 大分・宮崎は数名~数十名死亡という程度の災害は結構あるのですが、100人単位死亡レベルの大災害の中心地となることが少ないようです。
 
 愛媛も昔台風が1回があったくらいで、「被害の中心地」というほどの大災害がないようです。ただ、福岡もそうですが、ここは干害や水不足がありますね。
 
 滋賀と奈良はたまたまという感じがします。琵琶湖や奈良盆地も断層で出来たのではなかったでしょうか?
 
 山梨も意外ですが、これは単に小県だから、というところでしょう。「信玄堤」があるように、かつては洪水被害が多かったようですし、富士山が噴火したら被害に遭いそうです。小県だから、というのは、滋賀や奈良もあてはまりますし、ここには挙げませんでしたが、富山や佐賀も比較的災害が少ないのですが、これもそういうことでしょう。県単位で集計して考察すると、小さい県が有利です。
 
 岡山は確かに雪害もないし、台風の被害もないことはなく、時々被害に遭うのですが、周辺各県より少ない。一方で大きな河川があるので香川や愛媛のように干害もないです。地震はわかりませんが、確かに住みよいところなのかもしれません。
 
 こう考えると、日本で一番安全な県は「岡山」となるのでしょうか?
 次が意外に「沖縄」まあここは小被害はしょっちゅうありますけどね。
 
 <追記>
 2011年段階ではそうだったのですが、2018年に岡山県で大雨がありましたね。あの大雨で実は私の実家も床下浸水したので印象深いです。
 あの洪水は岡山の印象が強かったのですが、改めて確認すると、岡山で亡くなった人は64人で、広島で亡くなった人の方が118人とのこと。岡山より多かったということです。これも意外でした。やはり広島の方が危険、ということになるのでしょうか?