写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

14  ノシャップ岬と稚内からの帰路(2022年5月3日)

 さて、宗谷岬から戻りました。食事をしていません。稚内駅舎内(というか、道の駅)に立ち食いそばと食堂を兼営しているところがありました。立ち食いそばにします。ところが、中のおばさんが注文を聞きにきません。厨房から何か言うのですが、聞こえません。「聞こえない」というと、×の手振りをします。どうやらオーダーストップの時間になったようです。稚内ではついていないことが多いなあ、と思いますが、天候的にもその他の面でも、なかなか我々の期待通りに行かないところなのかも知れません。

 

 稚内市街に戻ると、風は強いですが、雨はやんでいました。駅舎内には宗谷岬往復をともにした人たちが何人かいます。私もコートを着ていませんでしたが、

 

 さて、寒いので駅舎内でグダグダしていたのですが、せっかくですから、もう一箇所、ノシャップ(野寒布)岬に行きます。こちらは宗谷岬よりは南で、最北端ではありませんが、稚内市街の先端にあり、宗谷岬よりは行きやすいです。

 

 ところが時刻表でバス時間を調べて待っていたのですが、来ません。どうやら休日時刻だったようで、バス停で改めて時間を見たら16:21発でした。その時間まで待つとバスがやってきました。宗谷岬に行ったとき見かけたおじさんと若い女性が一緒に乗ります。こちらはバスで10分ほど。ノシャップのバス停には16:31につきました。かすかに晴れ間になっています。ですがやはり寒いです。バス停からノシャップ岬までは多少距離があります。

 

 ノシャップ岬到着宗谷岬は横に道路が走っていますが、こちらの方はバスを降りてどん詰まりまで歩いて行くので、むしろこちらの方が最果て感があります。漢字では野寒布岬と書いて、根室のノサップ(納沙布)岬と対になっているので、こちらの方が最北端だったらいいのに、と思います。かずかに日が差していたこともあり、こちらの方が印象がいいのですが、数分で戻らなければいけません。食堂もありましたが、食べる時間がないので開いているかどうかは確認しませんでした。

 

 徒歩往復を含め20分ほどの滞在で、16:51のバスで戻り、17:03稚内バスターミナル着。2人いた観光客のうち、1人だけ私と同行程のようでした。まだ食事をしていませんので、やむを得ず、駅舎内のセイコーマートとろろそばを買いました。これぐらいしかまともな食べものがありません。まあ、稚内までコンビニがあるというだけでも大変なことなのでしょう。これを列車内で食べることにします。

 

 行きは混雑していましたから、発車40分前に駅の改札前に並びます。既に数名並んでいました。ですが駅が建物の隅っこで、列をつくりにくい構造なのです。ですから駅舎内で列に並ぶことが困難で、先頭から数人目の私は駅舎内で並んでいましたが、私より後ろの人は駅舎内からはみ出して外で並んでいました。宗谷岬で見かけた薄着の人も外に並んでいて、寒くないのか、と思います。こんなところでも、この駅舎が鉄道駅としての機能を軽んじられているところだと思います。

 

 改札が始まりました。今度の車両は「ラベンダー編成」とかで、一部特別なしつらえの車両が連結されています。ですが私は迷った末、普通の車両に座りました。今度は満席ではありません。それでも通常よりはかなり混雑しているのでしょう。今度は景色のよい進行方向右窓側の自由席に座りました。もっとも、すぐ暗くなるでしょうから、そんなに景色を眺めることはできません。

 

 17:44特急「宗谷」出発。わずかに高架区間のある稚内市街を過ぎ、原野地帯に出ます。緯度が高いせいか、思ったより日が暮れるのが遅く、窓から利尻富士を眺めることができました。19時頃まで薄暮でした。

 

 この時期の稚内観光はなかなか難しいな、と感じた1日でしたが、音威子府到着まで2時間もかかりますから、観光どころか、この辺で暮らすのは大変なことなのだろうと思います。美深で普通列車とすれ違いましたが、無人でした。廃駅になった駅も多く、確かこの辺にこんな駅があったはすだがなあ、と思ってもなくなっているわけです。

 

 日が暮れて座っているだけなのに足もまた痛くなり、退屈ですが、仕方ありません。気動車独特の加減速を感じているだけです。

 

 それでもいつかは到着するもので、旭川で多少の乗降客があり、また函館本線札幌22:57着のところ3分遅れ。23:05発の電車で23:21着です。